音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

音楽制作・勉強

意識の中の音楽的存在〜不定調性論的影響音楽ノススメ

www.terrax.site 欠陥がない作品 未響楽+既響楽=影響音楽 ある影響音楽作品 e軸とNe軸の拡張 表面に存在しない表現 下方倍音の座標軸 対極を想像する 流転し続ける独自論 Homo sapiensとFelis catus あなたの日記は見られている 欠陥がない作品 前回までで作…

不定調性論で読む「20世紀の和声法」3-同書の参考曲一覧2-

前回 www.terrax.site 前回に続き、参考曲の抜粋です。 ピアノ編曲と書いてある作品は、声楽とピアノの作品や複数のピアノ頼めの編曲の場合なども含めてあるそうです。 基本的な五音音階 全音階的 i-ii-iii-v-vi ベロッグ i-iib-iiib-v-vib 平調子 i-ii-iiib…

不定調性論で読む「20世紀の和声法」2-同書の参考曲一覧1-

前回 www.terrax.site 「近代和声学」ほどではありませんが、同書もパーシケッティ氏なりの基準で様々な参考曲が列挙されています。レッスン内で語り尽くせず、ご希望があったので著作権の許す範囲で掲載します。 恥ずかしながら私自身、提示された全曲の楽…

不定調性論で読む『20世紀の和声法』1-音程の不協和度-

「ブルーノートと調性」で紹介されてる本でしたので以前より購入しておりました。 ただ近年国会図書館のデータベースで見ることもできるようになりました。 登録すれば、ネット上で誰でも読むことができます。 ndlsearch.ndl.go.jp ということで、誰でも閲覧…

誰かにとって不可解な音が置かれた時〜欠陥は存在しない

音楽には「変な音」って思う音が入っていたりします。 先に結論を書いておきます。不定調性論的な設定によって ・不快に思ったら不快 ・不快に思わなかったら不快ではない というところでまとまる話です。でもこれ意外と難しいんです。 同調圧力がこの世にあ…

独自論の好循環効用〜社会的意義との接点

そろそろ独自論の展開も打ち止めにしたいのですが、まだまだ話が広がりを持っていそうで少し困っています。 この記事では、ネット上の情報の意味と独自論との兼ね合いを述べています。 <医学的には不正確だが意義のあった事例> <SNSでバズったらデビュー…

オーディオオカルトと音楽的なクオリア

仮想アースは音が変わるのか、的な話から一考したものです。 クオリアについての注記はこちら www.terrax.site オーディオオカルトなどと言われます。 これは高い壺、健康にいい温泉、体にいい食べ物、怪談話などと同じで、「信じたいと思って実際に体感でき…

属和音が主和音に行かないことがあるのはなぜか。

「この音はそっちに行こうとしている」と音の意思を擬人化?するような表現は、試合の「流れ」を感じてしまう感覚と似ているのではなかろうか。流れを感じ、そう信じることができる、という人でなければ音で表現するという動機にもならなそうだし。 — M-Bank…

倍音の話アラカルト

こちらもまたご質問をいただき考えました。 倍音列を扱う時さまざまな数理的性格を見ることができます。 上方倍音列を と考えれば 下方倍音列は と表記することができます。 これらは計算式で出すことができます。 下記のエクセルファイルを作りました。数値…

制作メモ;躁炎〜ソロピアノ作品

www.youtube.com 涼しくなってきて曲を作る時間を取ることができました。 自分的には秋のピアノ曲です。 今回は不定調性の基本に立ち返って。 まず下記を聞いてください。 これは何のコードタイプだかわかりますか? 次はいかがでしょう。 最初の和音がCです…

情動性行動と音楽表現の閾値

例えば、その直前に奥さんとか上司とか、少なからずマウント気味な電話がかかってきて、あれこれ文句を言われたとしましょう。少しイライラして、少し凹んで。 その後で向き合う仕事に、その気分が反映されて、つい言わなくてもいいことを確認したり、相手が…

C△とクラスターCc#dはどんな関係にありますか?

和音分析自体が自在に個々人のやり方でできるのは痛快です。 ここでは拙論の事例として、不定調性論の図表を用いて、解釈の自在性とその捉え方について書いておきます。 ここではC△という一般的和音と、c,c#,dという半音でぶつかったクラスター的不協和音の…

メタ時系列情報がもたらす重層的進行感

ここでは昨今のコード進行分析、という意味での現状の最先端を書いておきたいと思います。 いつ頃からか、インターネットと音楽のサブスクリプションの進化が、音楽情報の脳内シチュー状態を作り出していました。音楽に限ったことではないかもしれません。 …

音楽制作とAIの活用〜偽物の価値について

まだAI自体の精度が上がっているわけではないので、すぐにAI音楽が私たちの仕事を奪う、ということはなさそうです。 ただ、AIを忌避し、価値がないと思いたい、と言う意思も何となく感じます。 それはAIは「人の為に生み出された」と言う視点があるからです…

瞬間的な比較能力(momentary comparability)と決断感覚感(sense of determination)の向上へ

音楽制作や音楽表現で求められる能力は、実施段階で何かを参考にせず直感的に処理できる能力の向上、錬成の巧みさです。 それを瞬間的な比較能力(momentary comparability)と呼んでおきます。 文字通り瞬間的な比較能力を鍛え上げることで、より良い選択肢…

個性と被解釈力と独自論思考の先端へ〜独自論が生まれる時2

www.terrax.site 前回の続き、後半です。 「独自論」という存在を認めると、どんなわがままなやり方でも作品が作れるのなら独自論である、という価値が与えられてしまいます。 一般社会は基本的にそれを簡単に受け入れないような仕組みをつくり価値を一定程…

音関係組織願望の気質発作と音楽表現の社会学〜独自論が生まれる時1

一つ質問があって、それに答えていました。 ソロのアウトの質問 音関係組織願望の気質発作という病? 薬物依存と気質発作 自身の気質発作を探る 気質発作に社会性を与えられる人 こだわりがあれば良いわけではない www.youtube.com ソロのアウトの質問 この4…

準矛盾構文とクオリア

"''完璧なんだけどつまらない"' こういうちょっとおかしな文章を「準矛盾構文」としてみましょう。 音楽制作時や表現を評価する時、何とも言えない感情や表現をしてしまう時があります。適切な表現が生まれる前の直感的な感覚を文字にしたものです。 定義は…

『音楽と心の科学史』読書感想文〜不定調性論の接点

西田先生らによる最新作を手に入れました。 ここに書くのはあくまで私の感想であり、不定調性論を知っている人が、正研究史と音楽と心象論の位置づけを探る読書感想文です。 休日にちょっとした音楽学会に参加していろんな発表を聞いた気分になれる本、です…

制作メモ;こいのぼり〜ピアノアレンジ作品

www.youtube.com 今年の五月の連休はなんとなく猫と過ごしながらニャコニャコ遊んだりしてモフモフ過ごしました。まだ蝉も虫もほとんど鳴かない、五月の新緑の静けさがいいなと思い、作りました。 今回はピアノがペダルを踏みっぱなしです。ずっと音はいつま…

不定調性感制作の過程と独自論の作り方

www.youtube.com 今回の作品の冒頭部分で行った制作意向の詳細を紐解きながら、独自傾向の意義の探究と音楽制作や個性形成の難しさについてまとめたいと思います。 この部分です。 この冒頭を ポロロロロロン ジャジャーン ポローン などのどの感じで始める…

制作メモ;Moon River〜ピアノアレンジ作品

www.youtube.com ふと月がだいぶ西北に傾いていて、思わずハッとして、綺麗だったので、ネコくん(今のところめちゃ元気)と月を見上げながら思い付いたアイディアを名曲に乗せてアレンジして作ってみました。いつもの「何が起きてるかわからないけど何度も…

制作メモ;猫と夕闇 / 不定調性ピアノ作品

www.youtube.com リスナーを求めない、自身の方法論試行の作品が増えて恐れ入ります。 実績は非公開ですが、今をときめくクリエイターが拙論のありようを実際の商業音楽で、その高い才能を持って闘っているので、私の出る幕はありません。市場席捲は彼らにお…

音楽と脳とクオリアと独自論と。「ジョン・フルシアンテが語る、ギターと“心”の関係性/Guitar Magazine」読了

guitarmagazine.jp 音楽と脳科学的なスタンスを考えるちょうどいい記事をTLで見つけてしまって、ちょと考えてみました。 まずギタマガ記事をご一読ください。 ここでいう"心"は、もう"脳科学"と言い換えて良いと思います。 自分達がギターキッズだった頃は、…

制作メモ;Someday My Prince Will Come / 不定調性ピアノアレンジカバー

www.youtube.com Kuun Kissa-月の猫- / 不定調性ピアノ曲 前回の曲で少しクラスター的なサウンドを微量に塗すことで平均律の響きを自由に歪ませる技(手動ディストーション笑)を編み出した???んですが、それをもっと綺麗に自然に使うためにはどんな要素があ…

クラシック素人がメシアンの『音楽言語の技法』を読んでみたー独自論創造症候群5

www.terrax.site 第16章 第17章 第16章 移行の限られた旋法についての本章は、同書で最も長いページ数が割かれています。 鳥の声の音楽感覚を聞き取ってしまうメシアン独自の音楽感覚が、こうした限界性に対して、魅力を感じてしまう人物であった、という点…

クラシック素人がメシアンの『音楽言語の技法』を読んでみたー独自論創造症候群4

第13章 第14章 第15章 www.terrax.site 第13章 付加6度と付加増4度について触れられています。 これらのテンションの活用は、付加リズムの概念に執着できたメシアンにとっては容易なことだったでしょう。 付加6度について(6th) ラモーが予想し、ショパンやワ…

クラシック素人がメシアンの「音楽言語の技法」を読んでみたー独自論創造症候群3

www.terrax.site 第8章 第9章 第10章 第11章 第8章 私が偏愛する音程とは何かを見ていこう。 あーなるほど「独自論」とかっていうんじゃなくて「偏愛」っていうとなんかイイよなぁ、とか感じました。 独自論は理論みたいな高飛車な表現だけど、「偏愛」は無…

クラシック素人がメシアンの「音楽言語の技法」を読んでみたー独自論創造症候群2

www.terrax.site 第3章 第4章 第5章 第6章 第3章 付加音価の音楽を考えてみましょう。メシアンは単位音価という概念を決めていますが、ここではもっとシンプルに二音から三音の音符と休符の組み合わせ、としてみましょう。 要はこういうことです。 この譜例…

クラシック素人がメシアンの「音楽言語の技法」を読んでみたー独自論創造症候群1

自分について語るのは常に危険があるものだ。それにもかかわらず私がこの小理論書の執筆を決意したのは、何人もの人たちが私を厳しく批判し、あるいは賞賛したが、いずれも常に的外れで、また私が意図しなかったことに対してであるのと、新しいものを希求す…