音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

読書感想文

音楽的なクオリアと中動態と不定調性論その2(脳の暗算は筆算より若干正しい)

前回 www.terrax.site 先日中動態のブログを書きましたが、それに引き続きまして、より具体的に参考文献をご紹介いただいたのでそれについて追加して書こうと思います。 つくづく方法論や人の考えというのは出会った人、そこから教えていただいた知識によっ…

"チャーリー・パーカーの技法"を読んで 其の1

2018.1.7⇨2020.3.19更新 下記、同書から引用する文章やコンテンツについては、引用したページ名を掲載します。必ず原書を手元に置いてお読みください。お持ちでない方はなんとなくこの記事を読み流して頂いてぴんと来たらご購入してみてください。 誰もやっ…

「コード理論大全」和声弱者、不定調性論的思考を求める;読書感想文

2019.6.5⇨2020.2.17更新 楽理関連記事目次はこちら www.terrax.site 今日のお題は、受講生の方が持ってきてくださった「コード理論大全」です。 コード理論大全 こちらに訂正箇所ケアがございます。 コード理論大全|AFTERCARE|リットーミュージック 合わせて…

「リディアン・クロマチック・コンセプト」方法論を作るということ(その10/10):読書感想文

2019.7.4→2020.2.16更新 <前回> www.terrax.site リディアン・クロマティック・コンセプト ラッセルを聴こう! // まとめです。方法論を作る、ということの性癖をどう捉えるか、について自分なりの意見を書きます。 ■リディアンをベースにコードスケールの…

「リディアン・クロマチック・コンセプト」方法論を作るということ(その9/10):読書感想文

2019.7.13→2020.2.16更新 <前回> www.terrax.site リディアン・クロマティック・コンセプト ラッセルを聴こう! オーネット・コールマンと調性 ("Jazz Review"1960より転載) ジョージ・ラッセル、マーティン・ウィリアムス まだフリージャズの解釈に対し…

「リディアン・クロマチック・コンセプト」方法論を作るということ(其の8/10):読書感想文

2019.7.7→2020.2.16更新 <前回> www.terrax.site リディアン・クロマティック・コンセプト ラッセルを聴こう! // 音楽を通して世界を考える 対談;ジョージ・ラッセル 武満徹 「へるめす」1988年No.15より転載(岩波書店 刊) P134 ラッセル氏の言葉 なぜ…

「リディアン・クロマチック・コンセプト」方法論を作るということ(其の7/10):読書感想文

2019.7.6→2020.2.16更新 <前回> www.terrax.site リディアン・クロマティック・コンセプト ラッセルを聴こう! // 第六章:トーナル・リソースについて リディアン・クロマチック・スケールのアウトゴーイングなトーナル・リソース ここで述べられているの…

「リディアン・クロマチック・コンセプト」方法論を作るということ(其の6/10):読書感想文

2019.6.30→2020.2.16更新 前回 www.terrax.site リディアン・クロマティック・コンセプト ラッセルを聴こう。 // 第六回 第五章:調性引力のリディアン・クロマチック順列 レッスンVII 調性引力表の解説 P163に調性引力表「TONAL GRAVITY CHART」というのが…

「リディアン・クロマチック・コンセプト」方法論を作るということ(其の5/10):読書感想文

2019.6.29-2020.2.09更新 前回 www.terrax.site リディアン・クロマティック・コンセプト ラッセルを聴こう! <第五回> バーティカル&ホリゾンタル調性引力を設置した意味 Am7 Cm7 F#m7 Gm7 | みたいなコードの流れのときは、それぞれが独立していますか…

「リディアン・クロマチック・コンセプト」方法論を作るということ(其の3/10):読書感想文

2019.6.22-2020.2.09更新 <前回> www.terrax.site リディアン・クロマティック・コンセプト ラッセルを聴こう! <第3回> では第一章を読んでみましょう。 ラッセル先生が断言する「規則」「法則」「絶対」という言葉をあえて無視して読みます笑。 またLC…

「リディアン・クロマチック・コンセプト」方法論を作るということ(其の2/10):読書感想文

2019.6.16→2020.2.9更新 前回 www.terrax.site リディアン・クロマティック・コンセプト ラッセルを聴こう! <第2回> 前回LCC周辺の話の感想を書きました。今日からさっそく読んでいくのですが、もう一回だけさらに突っ込んだ概略について考えます。 何か…

「リディアン・クロマチック・コンセプト」方法論を作るということ(其の1/10):読書感想文

2019.6.15⇨2020.2.9更新 楽理関連記事目次はこちら www.terrax.site リディアン・クロマティック・コンセプト ラッセルを聴こう。 <第1回> 今回はまず一回目、としてネット上の情報~第一章手前までをまとめてみます。 リディアン・クロマティック・コン…

ハーモロディクス理論とは?;オーネット・コールマン「ジャズを変えた男」5読書感想文

前回 www.terrax.site コールマンと付き合いの長いトランペット奏者、ドン・チェリーの言葉も書いておきます。チェリーがハーモロディクスについて述べた言葉です。 楽器を扱うテクニックを磨くのと同時に、耳をしっかり鍛えるのが基本だ。実に、奥が深い。……

ハーモロディクス理論とは?;オーネット・コールマン「ジャズを変えた男」4 読書感想文

前回 www.terrax.site 形式がないが、様式美のある方法論を完成していたコールマンのやり方について、かのジョン・コルトレーンもコールマンに教えを乞うていました。コールマンは述べています。 ジョンが電話をかけてきて、どうしたら私のように、不協和音…

ハーモロディクス理論とは?;オーネット・コールマン「ジャズを変えた男」3 読書感想文

前回 www.terrax.site 普通、先輩から 「適当に吹くな」 って一言言われたらしばらく萎縮してやめてしまうところですが、コールマンはそれを無視して探求できる変人さがあった、と感じました。先に書いた「自分が何者か知りたい」という思いがあったからでし…

ハーモロディクス理論とは?;オーネット・コールマン「ジャズを変えた男」2 読書感想文

前回 www.terrax.site 54年にオーネットはプラスチック製のサックスを購入します。お金がなかったからですが、今となれば彼のトレードマークです。音は金属よりも澄んでいて、出すことが難しい分、彼独自の音を出す口回りの強い筋肉を鍛えてくれる結果を生み…

ハーモロディクス理論とは?;オーネット・コールマン「ジャズを変えた男」1読書感想文

楽理関連記事目次はこちら www.terrax.site 自分の音楽の人間くさい面と、競争の激しい音楽・エンターテインメント業界を生き抜いていく方策の間に、なかなかうまく折り合いがつけられなかった ジョン・リトワイヤ― 今回紹介する『オーネット・コールマン ジ…

不定調性論と「ハーモニー探求の歴史」4;読書感想文

前回 www.terrax.site 4第6章 独自論の誕生 同章で紹介されるシェンカー理論の考え方は優れた独自論の在り方を示しています。 独自論とて公開されれば、世界に何人かはそれに影響される人、同調できる人が現れます。その理論が優れているかどうかではなく、…

不定調性論と「ハーモニー探求の歴史」3;読書感想文

前回 www.terrax.site リーマンの和音進行分類 同著書P94からの表をポピュラーコードネームで書いてみました。 Fm-F△をなんで「五度転換」というかというと、 Fmの主要音はc F△の主要音はfで c→fが起こっているからです。 これらの名称はリーマンが独自で付…

不定調性論と「ハーモニー探求の歴史」2;読書感想文

前回 www.terrax.site <第3章>科学から教育へ 「調性」の時代がやってきます。フランス和声を代表とする実践とデータによる和声の形式分類が学問として確立された背景などについて学習できます。 1810-11年に出版された『音楽家の歴史辞典』に「調性(tona…

不定調性論と「ハーモニー探求の歴史」1;読書感想文

楽理関連記事目次はこちら www.terrax.site 薄いけど、強力な参考書ですね。 ハーモニー探究の歴史 思想としての和声理論 ここでは内容の紹介を含めつつ、不定調性論との兼ね合いについて述べていきます。同書を読まれることで拙論の理解への補完、歴史との…

空気の振動現象が引き起こした歴史~『138億年の音楽史』

2017-07-15→2019-7-28(更新) 楽理関連記事目次はこちら www.terrax.site 138億年の音楽史 (講談社現代新書) 宇宙の誕生の音から商業音楽、DNAの音楽まで専門知識がなくても十分に読み物として面白い内容で展開していきます。 // はじめに音があった ビッグバ…

和音交換の原理をみいだす~『アフリカ音楽の正体』

2017-07-12→2019-7-28(更新) 楽理関連記事目次はこちら www.terrax.site アフリカ音楽の正体 2016年の著書ですが、遅ればせながら読ませていただきました。 不定調性論の第六章の内容を補填できる素晴らしい内容でした。 // 勝手ながらブルースに通じる部分…

「音楽を学ぶ」から「音楽で学ぶ」~ハーバード大学は「音楽」で人を育てる

2017-07-10→2019-7-27(更新) 楽理関連記事目次はこちら www.terrax.site ハーバード大学は「音楽」で人を育てる──21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育 「音楽を学ぶ」から「音楽で学ぶ」 グレゴリオ聖歌が単旋律である目的は「聖書の言葉がは…

音楽のクオリアを自覚する~『なぜ、あの「音」を聞くと買いたくなるのか』;読書感想文

2017-07-02→2019-7-26(更新) 楽理関連記事目次はこちら www.terrax.site なぜ、あの「音」を聞くと買いたくなるのか―サウンド・マーケティング戦略 凄腕のテレビプロデューサーとPRコンサルティングマンが書いた一冊(2016)。 子供のころに聞いたアイスクリ…

マーク・レヴィン「ザ・ジャズ・セオリー」について

楽理関連記事目次はこちら www.terrax.site よく話題に出る同書です。ちょっと古い本になってしまうので、持っていない、と言う方もいるかもしれません。ジャズを独習されている人は、自分が同書を読んで学習できる段階にいるかどうかご判断される目安になれ…

「リディアン・クロマチック・コンセプト」方法論を作るということ(其の4/10):読書感想文

2019.6.23-2020.2.09更新 前回 www.terrax.site リディアン・クロマティック・コンセプト ラッセルを聴こう! 第4回 第一章:バーティカル調性引力 レッスン3 これらのスケール選択で重要になるのは、素早く目的のスケールが選べるようになる、ということで…

<論文を読む7>和音進行の複雑さが快感情に及ぼす影響

楽理関連記事目次はこちら www.terrax.site 本日はこちらを読んでみましょう。 和音進行の複雑さが快感情に及ぼす影響(視聴覚技術,ヒューマンインターフェース) ページ右の赤枠「PDFをダウンロード」で見ることができます。 ===== あらまし 本研究では和音…

「三つの君が代」内藤孝敏 中央公論社

楽理関連記事目次はこちら www.terrax.site 「三つの君が代」内藤孝敏 中央公論社 「君が代」にも、当然音楽という側面で制作過程の歴史がありました。 そこに至る三つの君が代の旋律と歌詞の仮定と意味を探る本です。何より結論が美しく、示唆に富んでいま…

<論文を読む6>和音認知に関する心理物理モデル

楽理関連記事目次はこちら www.terrax.site 本日はこちらを読んでみましょう。 和音認知に関する心理物理モデル