音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

「リディアン・クロマチック・コンセプト」方法論を作るということ(其の7/10):読書感想文

<前回>

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リディアン・クロマティック・コンセプト

 

ラッセルを聴こう!

 

第六章:トーナル・リソースについて

リディアン・クロマチック・スケールのアウトゴーイングなトーナル・リソース

ここで述べられているのは究極の自由です。

X1 |X2 |X3 | X4 |

というコード進行があるとき、

X1=AAAスケール

X2=BBBスケール

X3=CCCスケール、DDDスケール

X4=EEEスケール

が利用可、となり、ここにはあらゆるスケールが該当します。

 

もちろん該当する代表格は"チャートA"から割り出せる"ペアレント・リディアン・スケール"なのですが、アウトゴーイングにどんどんそこから離れることも許され、それらは自分で考えなければなりません。表の中のスケールを選択するのは極めて厳密なのですが、そこからアウトゴーイングする際には、もはや規定がないので、どの程度Iから離れてよいのかを判断する基準がないんです。

 

基準がリディアンである、ということがこのコンセプトの一番の個性です。。つまり#11を持つメジャースケールが全てのスケールを考える基準になっているということです。

ゆえにドミナント系であれば、リディアンドミナントスケール(リディアンm7)になり、マイナーならリディアン・ディミニッシュ(リディアンm3)が基準になります。

 

あなたがそのコード進行を見て、これは調がある、機能分析できる、と判断したものはそれらが所属する調のメジャースケールが使用可能ですが、それすらも最後は全て一つのリディアン・クロマチック・スケールから作られる、とします。

 

つまりハ長調の曲で

CM7、C7、Cdim7 などが出てきたとき、機能和声であれば、C7はI7でセカンダリードミナント、Cdim7はトニックディミニッシュだ、などと言われますが、LCCはこれらは全てCリディアン・クロマチック・スケールから生み出せる、とします。機能はなく、すべて同じ土壌で判断しなければなりません。コードの区別がなくなり、

CM7=C7=Cdim7という解釈ができます。

ホリゾンタルな調的な感覚を持つことがOKであるので、水平的に捉える、捉えないは、個人の自由となっています。

LCCは作曲、というよりもやはり演奏のための方法論である、と感じます。ここまで自由でかつ機能論と距離を置いてしまうと、LCCのみでの作曲は難しいと感じました。それを身につけるのと、自分の方法論を作る歳月が同じぐらいかかる、と感じるので、、私はLCCを極めるなら、どこかの段階で自分の方法論を作りたいという欲求に負けて絵しまうと思います。

 

そして調性引力表において、各和音がどの位中心であるIに近いかを示す事ができますが、あまりにそれぞれの序列が分かりづらくて、脳内では序列がつけられないまま音楽をやらねばなりません。

これはどの程度、どういう状況なのか、さっぱりわかりません。この分からなさすぎる状態が逆に現状のLCCを難解と思わせている原因ではないか、と勘繰りたくなるほどです。

 

c c# d d# e f f# g g# a a# b

 

です。12音集合ですから当たり前なのですが、これらがcというリディアン・トニックに引き寄せられる、と考える方法論なので途方にくれます。

なぜなら、それを判断するのが自分だけだからです。表やセオリーから離れて遠近関係の環で考えていけてしまったら、判断基準がいきなり消え失せてしまいます。

 

本当にLCCをバーティカルだけの方法論で、かつスケールは6つだけ(ホリゾンタル話)、とかって限定してくれたら、結構使いやすかったかな‥とか思ってしまいます。

でもホリゾンタルが希薄になったジャズシーンを憂えてLCCを作ったのではないか、という武満氏の言説に触れるたびに、なんとも変な気分になります。

不定調性論ではこれが反映されていて「反応領域」という発想で、自分がどこまでを用いるか、という範囲を最初の段階で指定できます。音楽性の拡張に合わせて指定を解除していく感じです。いち早く「自分で何もかも何とかしなくちゃ」ということを知ることはミュージシャンにとっての急務だと思います、

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LCCの場合はさらに壮大で、

たとえばDm7というコード自体もCリディアン・クロマチック・スケールから生み出せるあらゆる和音が可能になり、

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さらに、この遠近環によって、Iに近いところからそれぞれの調の和音にも代理できる、という凄さです。

 

例えば。

CM7  Dm7  G7  CM7  

という進行において、Dm7をちょっと離れたV#のキー、すなわちG#のキーのIIm7であるBbm7に代理できる、という考え方です。

CM7  Bbm7  G7  CM7  

もちろんIIm7に限らず、G#リディアンクロマチックスケールからできるあらゆるコードが該当されます。

つまり

CM7  CM7  G7  CM7  

 として

・最初のCM7はCリディアンクロマチックスケールに基づくCM7であり、極めてメロディとインゴーイングであり、

・二番目のCM7はG#リディアンクロマチックスケールの構成音(と言っても12音)から作ったCM7であり、メロディに対して多少アウトゴーイングだ、

ということが可能なわけです。

 

えー――それはいくら何でも強引なんじゃ・・

中心軸システムを3倍に拡張したような代理性。誰もこんなの認めていないのだろうけど、方法論というのはこういうものも含んでしまうので、本当に注意が必要ですよね(これは解釈する人の人間性にもよります。私は変態なので悪例だと思ってください)。

 

とか思ってしまいますが。これはすべてラッセル先生が世界を統一しようという信念から生まれた理想の概念の投影なのではないか??、とも言えます。

 

そう差し引いて考えた時、学習者はラッセル氏の境地に辿り着くまでは、

・自分は遠近代理はしないようにしとこ・・

とか

・クロマチックスケールから何でも作れる、っていう次元までは拡張せんとこ?

とかって、自分で範囲を決めると思うのです。結果LCC辞めとこ、っていう選択肢も自由であり、振出しに戻ります。

機能和声論を選択する、っていうのもLCCで解釈できる、、ということもできます。

 

それであれば厳密にあれはダメ!これはダメ!と言ってくる対位法の方が学習成果が出やすくなる、ということにも気が付かれるでしょう。

 

大げさに書いていないか??と疑われそうですが、お読み頂ければわかります。

振出しに戻るんです。方法論はどうやって緩やかに規則を解放して0に戻るかを上手に教えていくいくことがとても大切です。そうしないとルールに意味があったことをちゃんと伝えることができません。

 

 

後記

P130

 この音楽、宇宙の引力の中心はリディアントニック、則ち絶対太陽です。(中略)

 

しかしDセブンスコードが鳴っていても決してC音を,D音上にセブンス・コード・ファミリーを作り上げている調性組織の中心音と聴くことはないでしょうし、Dセブンス・コードに対するすべての調性組織を提供しているCリディアン・クロマチック・スケールのリディアン・トニックと聴くこともないでしょうし、Dセブンス・コードのリディアン・トニック-絶対太陽でありその和声的完全性の核となる素材-の重要性を知る由がありません。

 

その結果、Dセブンス・コードを伝統的音楽理論の目を通して(単にGメジャー・スケールに対するドミナント(V)としてのみ見ることになり、コードというものの持つ、もっと本質的で広大無辺な実態をほんの1部しか見ていないことになります。

(中略) 

どんな時代でも、音楽には高度な芸術であり、科学たらんとする自由が与えられており、又それが音楽本来のあるべき姿でした。しかし、残念なが低級なものをどんどん作り出し、これをひとりよがりな大衆に売ろうとするマス・メディアの力が強大化するにつれて、優れた音楽を創造し広めて行くといったチャレンジ精神を持つことは非常に難しくなり、音楽を心から愛する人によってかろうじてこの精神が受け継がれているのみです。

(中略) 

我々は人間性を向上させる生活を送ることもあれば、又その逆の場合もあります。もし音楽が?あるいは実態と美を持つものなら何であれ、狭い限られた視野でもってその本質的なあるがままの姿から切り離されてしまったら、それは我々すべての苦しみとなります。

 ここにはジョージ・ラッセルがなんでLCCのコンセプトをこのようにしたか、が書かれていると思います。

人の思想や理想が方法論に反映されるとき、方法論が歪んでしまうと思います。

しかしその歪みが結局はその人そのものであり、ジョージ・ラッセル氏が曲を創るとき、即興で旋律を選ぶときは、そうしたコンセプトが背景に生まれる、というだけにすぎないようにも感じます。

これは人が共有できる類の「真実」とは少し性質が違うような気もします。

 

不定調性論は、私が社会に思う理想はむしろ反映しておりません。逆に反映されてしまったな、と思うのは、「何が美か」という基準を設けず、あらゆるものが美を生み出す、という価値観です。

 

その8

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==コーヒーブレイク〜M-Bankロビーの話題== 

本当に楽しく楽譜を覚えたければ大人だろうが何だろうが、小学生用の教材からやりなさい。。

 

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