音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

「リディアン・クロマチック・コンセプト」方法論を作るということ(其の3/10):読書感想文

<前回>

www.terrax.site

 

リディアン・クロマティック・コンセプト

 ラッセルを聴こう!

 

極力同著の画期的なアイディアについて他の評論とは異なる見解を書き、同書の価値を損ねることなく、各位が直接同書に当たり独習することを勧めていこうという意図で書きました。

万一著作権等々において同書の価値を損ねる可能性のある文言などがあります場合はご指摘ください。

<第3回>

では第一章を読んでみましょう。

ラッセル先生が断言する「規則」「法則」「絶対」という言葉をあえて無視して読みます笑。

またLCCをレッスンするわけではないので、これをこう使うと良い、みたいなことを示唆するわけではありません。あなたが方法論を作る際に、どういうことを考えていくか、みたいなことを追体験いただけるような内容です。

LCCの教材にある一覧表を観たい!!という人は・・無理して買って頂きたいですね。翻訳本で良いので。

表を見れば何とかなる、と本気で思う人はまだ表を見ない方が良いと思いますですはい

笑。

第一章:バーティカル調性引力 レッスン1

コードの「ペアレントスケール[Parent Scale]」の決定

 

バーティカル・ポリモーダリティ(垂直性多旋法)

=コードをスケールに変換し、代替可能ないくつものスケールを候補として列挙すること

これは概念というより行為に名前がついてる印象です。

簡単にいうと。

Dm7  G7  |CM7  |

であなたがアドリブを取るとき、コードを見て、G7で何モード使ちゃおっかなぁ、とかって考える、その行為のことです。

(元祖ビ・バップの当時のものはあからさまなモード変換を行いません-モードで考えていない-。それをマスターするためにパーカーフレーズを物理的にたくさん覚えて無意識に組み合わせられるまでスキルを磨く音楽です。ですのでここでいうコードのスケール変換の考え方は、バップ以降のコンテンポラリージャズでのモーダルなアプローチと捉えてみましょう。)

 

:G7   |G7   |G7   |G7   :|

という一発もののセッションのとき、Gブルーススケールっぽいのを使いますよね。

それがまあ普通です。

ジャズ研とかになると、Gミクソリディアンとかを使いはじめます。

そしてLCCになると、"Fリディアン"を使うわけです。Gミクソリディアン、て言わないところがLCC。銀座じゃねーんだよ、ザギンなんだよ、ってノリと解釈しても良いです。あまり表示法にこだわると現代では老害と言われます。

 

これは前回までに出した表の

(コード表記が奇妙ですが、LCC教材を踏襲して表記しております。各位の表記と解釈に置き換えてください。)

f:id:terraxart:20190618103857p:plain

p157の一番上の表を具体的にモードに落としたやつです。左から二列目にG7がありますよね。もうここまで理解できる人は、自分で12調分のリディアン表を作ることが出来るでしょう。

 

Fリディアン=Gミクソリディアン。

考え方としてG7の中心はfだって話になってしまっているんですよ。。。

ここでもう脳内テロが起きますでしょ?

G7の中心はgだろうが!!!!と。

でも、これは「ラッセル先生が考えた考え方」ですから、どこが中心か、とかスルーしましょう。音楽理論的にG7の中心はfだ、とかっていうことなどこじつければいくらでもできます。

そしてそれが出来る人は自分で方法論を作る才能があります。

 

まあCメジャーキーでG7の"解決先"がCだ(G7の各構成音は主和音に向かいたがる、という発想)っていう発想のFリディアン版ですから、機能和声もLCCも変態加減はそんなに変わらないですよね。。

機能和声はコード単体で観るのではなく、調性というもっと大きなグループで着地点を見るんですね。それがこせこせしておらず美しいから人が信じたのでしょうが。

 

で、このFリディアンの中にC△はないわけです。

なんでないかは、ライセンサーの人に聞きたいですが、モード理論の発想だと、

「C△があると、そっちに引っ張られてしまうから」

でしたね。

モードジャズはあからさまなV7の存在が現れないようにしました。LCCも同じ発想だとしたら、やはりC△の求心力を認めていたことになります。又はF△と言う解釈でスケールのi,iii,v,viiの位置を統一してます。この辺は上手に方法論が作られているのでとくになんでだ!!!と追及しなければ、そのまま進めます。

 

そうすると、先も述べましたが、Dm7とかE7(b9)とかでもFリディアンを用いる、という発想になります。コードによって多少アウト感が出ますが、多分これも「それが協和だと慣れるべきだ」ぐらいに言う指導者がいたら、もうこちらは何ともなりません。

 

 

=====

LCCは最終的にはそれぞれ12のクロマチックスケールからあらゆる音階を抽出し当て込める、となるので、たとえばBm7であってもいずれ全てのリディアンが弾けることになります。強引です。ザッツアメリカン。

最初の表対応

f:id:terraxart:20190618112001p:plain

これでスケールがどんどん不協和な方向に拡張され、使用音が増え、最後はDクロマチックスケール(同著ではDリディアン・クロマチック・スケールというような考え方で呼ぶ)まで拡大されます。

クロマチックスケールを使う、というよりも、Bm7で使えるあらゆるスケールは、Dリディアンクロマチックスケールから生まれる、という考え方に落とし込むわけです。

当たり前と言えば当たり前だけど。

世間のクロマチックスケールとLCCのクロマチックスケールは、なんか化学的に違うものだ、ぐらいは、以前の私なら思い込むこともできました笑。そしてそれがいかに他者に理解されづらい勝手なことか、ということも知りました。そのあたり線引きをちゃんとしないと独自論て、ウザいだけです。

 

当然結論はBm7で全部のリディアンが使えます。

f:id:terraxart:20190610104709p:plain

(注;順列はリディアンクロマチックスケールの音階度数順になっています)

 とか、これらを組み合わせた結果

Bm7でBエオリアンでも良い。

となり、結果的に、機能和声で普通にやっても「機能和声も実はLCCに基づいていたのだ」的にもなります。Bm7でBエオリアンを使ってもいいが、それはBドリアン(Dリディアンの場合のBからの解釈はBドリアン)に比べると、少し不協和だ、みたいに言うことができます。LCCがLCCっぽいのはインゴーイングの最初の4つぐらいのスケール選択時ぐらいで、あとは機能和声からの代理、としても判別ができないでしょう。

こわ!!ッと思います。この手のカラクリは70年代とか80年代とか結構ありましたよね。ピラミッドは宇宙人が作ったのだ、とか、アトランティス大陸は存在した!みたいなことって、みんなそういうこれまで聞いたことのないような理屈の方に惹かれたものです。

自分も知らず知らずに不定調性論で、同様なことを宣言しようと思っていたので、途中でやめました。生育環境って怖い。

 

つまり12音しかないのだから、どんな法則を作っても、誰でも「今有効な機能和声理論はすべて私の考えた方法論から考えたほうが良い」的なことを全員が言い出せるわけです。それではラッセル氏の言う、世界の平安は訪れず、方法論の争いだけが起きます。そこで拙論も、基本的に慣習で広く用いられている機能和声論をベースにしたうえで、逸脱していくその外縁部をどう考えるか自分なりの発想を書く、としています。

この辺は音楽の方法論を作っていれば、痛いほど分かります。

 

こういう表現が「趣味が悪い」みたいに言われる部分かもしれませんが、この法則を発見したラッセル先生の衝撃を勝手にイメージすると、なんとなく気持ちは理解できます。拙論でいう「反応領域」の考え方を発見した時みたいな、もう自分勝手に盛り上がる状況です。

この辺りの精神や、対処法、どのように考え、どのように理解を広めるか、ということについてはいろいろ考えるところがあります。本人の社会性が重要になってきます。ラッセル氏は偉大なジャズミュージシャンだけど、これがただの無職の人が創ったものならなかなか理解はして頂けないでしょう。

それでもYoutubeでバズればいい、って言う可能性が明確にある現代は、本当に面白いと思います。

=====

建前としては、あとはそれぞれのリディアンがどの程度Bm7に協和していて、どの程度不協和なのかの序列を知っている必要があります。

 

結果、機能和声においてアイオニアンを土台にする、という発想と、リディアンを土台にするっていう発想は、協和度の解釈の違いだけ、となります。

こう行った解釈が可能である点がLCCが「自由過ぎたのが問題」みたいに言われるところでもあろうかと思います。

これを決めるための動機は「その人の心象と印象と動機」ですから、不定調性論は、「自分自身がそう思うことで行われる行為自体がその人にとってのアート」と認めざるを得ません。方法論ではなく、最終的にはその時々に固執される着想、渇望をベースに具体化できるような方法論を構築する、という考え方です。

たぶんLCCもそういうことが言いたいのだと感じるのですが、どうでしょうか。

 

P128

メジャースケールというのはある意味で哀れです。

 

みたいな文章の印象が、既存の音楽は間違っている、と強く主張する攻撃性みたいに思われるのかもしれません。時代の表現なのか、どことなくアレイスター・クロウリー的な当時のneoオカルティックな主張に似ていると感じられたとしても仕方がないかな、という印象もあります。

こういうところは差し引いて読んで自分にとっての本質を捉えましょう。

 

 

===== 

第一章:バーティカル調性引力 レッスン2

ペアレント・スケールとリディアン・クロマチック・スケール

 

ある一つのコードは必ず10のスケールを用いることができる(やがて12音全部になります)としています。さっき書いたポリモーダリティの意味です。

スケールの拡張です。ラッセル氏がジャズのモード解釈の拡張をLCCでも行いたいと考えたからでしょう。

G7でGホールトーンとか、Gオルタードとか使うと、アウトサイドになってカッコいいですよね、あれをLCCでもやれるべきだ、、っておもったのかな、と。着想の正体まではわかりませんが。

しかし重力から離れて「不安定」を呼び起こせば、それは政情不安、クーデターの可能性、みたいな状況になっていると思うのですが、重力をどんな風に思想的に重視し、それから逃れることに対してはどのように考えればいいのか、を伺いたいです。

 

以下の順に、コードによく響く感じから、どんどんアウトサイドな響きになっていきます。

1.リディアン

i-ii-iii-iv#-v-vi-vii

2.リディアンオーギュメント(リディアン#5)

i-ii-iii-iv#-v#-vi-vii

3.リディアンディミニッシュ(リディアンm3)

i-ii-iiib-iv#-v-vi-vii

4.リディアンb7(リディアンドミナント)

i-ii-iii-iv#-v-vi-viib

5.補助オーギュメント(ホールトーン)

i-ii-iii-iv#-v#-vi#

6.補助ディミニッシュ(ホールハーフディミニッシュ)

i-ii-iiib-iv-vb-vib-viibb-vii

7.補助ディミニッシュブルース(ハーフホールディミニッシュ、コンビネーション オヴ ディミニッシュ)

i-iib-iiib-ivb-vb-vibb-viibb-viib

 

8.メジャースケール

i-ii-iii-iv-v-vi-vii

9.メジャーフラットセブンススケール

i-ii-iii-iv-v-vi-viib

10.ブルーススケール

i-ii#-iii-iv-vb-v-(vi)-viib-vii

これらの取りまとめとして

リディアンクロマチックスケール(クロマチックスケール)

i-i#-ii-ii#-iii-iv-iv#-v-v#-vi-vi#-vii

 

があります。 

ところで、これらのスケールどっから出てきた?根拠はどれ?

ということが書いてあるのは、

P122からの「調性組織におけるリディアン・クロマチック・コンセプトの理論的基盤」です。ここから先に読みなさい、的な指示があることは先にも書きました。

 

リディアンクロマチックスケールは、下記のような「調性引力に基づく序列」が恣意的に決められています。

I V  II  VI  III VII IV# V# II# VI# IV I#

完全な五度順列ではありません。

5度の積み重ねから提供される順列の8番目の音がスキップされていないと、メジャーb9th、メジャー3rdを伴うマイナー・コード、メジャー7thを伴うセブンス・コード(例えばGセブンス)等が生じる結果になります。このようなコードは、バッハの作品を除いては19世紀末まで用いられることはありませんでした。調性引力の順列の8番目が-IIの音階度数になっていると西洋和声の発展の歴史と矛盾する事となります。

これは当然西洋和声の発展の歴史を「ラッセルが解釈した感じにおいては」という理解をすればよいと思います。不定調性論だと、調性引力はないので、五度圏の数理的序列をそのまま使う、という発想になるでしょう。5度圏の順番変えていいなら、なんでもありじゃん、リディアンを調べるとき、

C-G-D-A-E-Bときて、

次のF#は機能和声では、C#に結びつく属音になるので、よりcに親和するfにして

C-G-D-A-E-B-F

としよう、って言う話とどう違うんだ、と言うことになります。

これを詰めると、喧嘩になります。

そう、だからこれは「ラッセル先生はそれが良いと考えた、あなたはどう??」で済ませることができます。問題を提示することは大切です。自分自身の意思を喚起するからです。相手を潰す必要も改心させる必要もありません(全員が個別でいいっていうと語弊があるけどね)。

 

LCCはこれにより、さきの7つのスケールを作ります。

Cで考えてみましょう。

C G D A E B F# G# D# A# F C#

ですね、

C G D A E B F# G# D# A# F C#

赤字部分の音集合がCリディアンです。

C G D A E B F# G# D# A# F C#

次のG#を加えると、Cリディアン#5= 2.リディアンオーギュメント(リディアン#5)

となります。このときGを何で省略・交換するのか、みたいなことが気になる人もいるでしょう。これも素通りされています。慣習的に自然だからスルーできる、短二度は連続させない、という解釈に違和感がないからだと思います。

次のA#にすると?

C G D A E B F# G# D# A# F C#

 これはCリディアンm3=3.リディアンディミニッシュ(リディアンm3)

です。

そして、

C G D A E B F# G# D# A# F C#

これはご想像の通り、4.リディアンb7(リディアンドミナント)です。

その他、

5.補助オーギュメント(ホールトーン)

i-ii-iii-iv#-v#-vi#

6.補助ディミニッシュ(ホールハーフディミニッシュ)

i-ii-iiib-iv-vb-vib-viibb-vii

もここまでの音種類で作成できます。

 

7.補助ディミニッシュブルース(ハーフホールディミニッシュ、コンビネーション オヴ ディミニッシュ)

i-iib-iiib-ivb-vb-vibb-viibb-viib

だけ最後のi#が用いられます。12音のこの序列をベースに、リディアンから恣意的に音を選び、一般的に使われているスケールを作っていった、ということが分かると思います。

これらは、12音が一つのトニックに引力が集中する、という仮定のもとに作られた集合です。

C G D A E B F# G# D# A# F C#

とすることでメジャースケールも作れる、とするわけです。便利です笑。

 

拙論では、音の重力も人の意識が観念に基づき引き起こしたもの、としました。

c-g-c

g-c-g

C G7  C

G7 C  G7

も感じ方を変えれば、どちらも重力を感じることが出来るとしました。

つまりあなた自身がどのような12音の序列を作るかで、LCCの主要スケールとは違うスケール群を作ることができます。

たとえば、Cに両側から集中するモデルを作れば、

...Eb Bb F C G D A...

→→→→  ←←←

すると、この集合はCドリアンです。

...Eb Bb F C G D A  E

とすればミクソリディアンになります。

.Ab Eb Bb F C G D A...

これでCエオリアンの完成です。

本来の序列はこうなのだ!!!という人がいてもまあおかしくありません。

 

これらにより、LCCでのスケール解釈も、そこに現れるコードの解釈もこの序列からできる音集合に基づいて割り出しているので、その順序選別そのものが特徴的であり、この選別法を一つのスタイルとするならば、根気さえあれば、第二第三のLCCが創れてしまうわけです。

とりあえず、LCCの七つのスケールとコードの関係を列挙してみました。

(コードの解釈に齟齬があるやもしれません)

f:id:terraxart:20190619204446p:plain

f:id:terraxart:20190619204521p:plain

コード表記が独自なので正確な解釈ではないかもしれません。しかし、これらのコードでもこのスケールは弾ける、という解釈が出来てしまう方法論なのでご自身で必ずチェックしてください。

なんでこうなるんですか、と言うことを知りたい人は。。。

うーんダイアトニックコードの解釈が違うんです。

c,d,e,f#,g,a,bで考えると、ダイアトニックコードは

CM7 D7 Em7 F#m7(b5) GM7 Am7  Bm7

です。ここに三つのm7があります。表ではm7はAm7しか出ません。こうすることで、Am7はCリディアンに含まれていて、Am7はCリディアンを弾けば良い、同様にBm7であれば、次のDリディアンの表のVI番目に現れるので、Bm7ではDリディアンを弾けば良い、となります。そこでEm7が現れるところも解釈を変えてこれはEm7ではなくCM7(9)/Eなのだ的に解釈していき、Em7はCリディアンに現れない、と決めたわけです。

これによりEm7はEm7がVIに現れるのがGリディアンですから、Em7の時はGリディアンを弾く、というようなシステムにラッセル氏がしたんです。

これが独特で面白いです。そして同時にこうすることで、スケール選びの初期段階はすごくシンプルになります。

まあ、最後はクロマチックスケールも使えるよ??みたいに言っちゃうのでいよいよ途方もない選択肢の海に放り出されるのですが。

次回この表をもう少しコンパクトのしたものを公開します。

 

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==コーヒーブレイク〜M-Bankロビーの話題== 

バスタオル編。これはこれで・・。

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