音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

不定調性論の方法論的展開 その2-2

 前回

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⑬原曲概念によるスーパーリハーモナイズ

原曲概念

 

⑭動和音・静和音進行

和音は二種類しかない

・その和音の裏面領域音を単数有する和音のことを「第一種動和音」とします。例;C7 、Cm7(♭5)
・その和音の裏面領域音を複数有する和音のことを「第二種動和音」とします。例;C7(#11)、Cm7(♭5,13)
・その和音の裏面領域音を基本和音と同数持つ和音のことを「完全動和音」とします。例;C7(♭9,#11)
・その和音の裏面領域音とその側面領域音を同時に有する和音を総じて「第三種動和音」とします。例;C7(13)、C7(#9,13)
・その和音の中に裏面領域を新たに付加して作る和音を「第四種動和音」とします。例:C7(9, ♭13)
・エリア音によるトライトーンの集合を「基本動和音」とします。
例;Cdim7
・和声単位は基本的に側面領域(もう一音側面領域音が加えられれば動和音)を有していますが、その単純な協和性ゆえに不協和の扱いを受けません。これらの「不完全な動和音」を「静和音」とします。

一つの和音から他の和音に進行するとき付加音を用いず、互いのコード構成音の共通音が非共通音より多い場合は掛留概念の拡張(静進行)とし、構成音の変化が半数より多くを占めるような進行を「第一種動進行」とします。
特に一般的な静進行は一音ないし二音で変化する場合に適用するのが妥当でしょう。
また四和音⇒六和音といった付加音による和声進行も、変化音が多い進行と解釈し、この場合「第二種動進行」とします。この場合において、C△⇒CM7(9)の場合は変化音が少ないようなものは静進行になります(後述)。

・その和音の構成音からの一音変化(一音除去、一音付加も含む)による掛留進行のことを「第一種静進行」とします。
・その和音の構成音からの複数変化(複数音除去、複数音付加によりコード構成音数と同等、または少ない場合に限る)による掛留和音のことを「第二種静進行」とします。※二音程度の変化が一般的です。

 

・静和音から静和音への静進行

C△ C△/B  Csus4/B♭ Csus4/A

C△ Caug  Csus4(6)  C7sus4

C△ Cm  C5add9

C△ C△/D C△/E C△/F

 

・静和音から静和音への動進行

C△ Dm Em F△ G△ Am Cu4 C△

※Cu4はBm7(b5)(11)のようなコードです。

Cm B♭△ A♭△ G△ Cm

CM7 FM7 

 

・静和音から動和音への静進行

C△ C#dim7~

C△ A7~

C△ Calt5

C△ C△/C#

CM7 C7~

C△ E7~

 

・静和音から動和音への動進行

C△ G7~

C△ F7~

C△ B♭7~

C△ D7~

CM7 FM7(#11) ~

CM7 Dm7(♭5) ~

 

 

・動和音から動和音への静進行

C7  C7(#5)  C7(13)  C7

CM7(#11)  C7(#11)

 

・動和音から動和音への動進行

A♭7  G7  C7

Dm7(♭5)  G7  C7

C7  F7  D7  G7~

C7  F7 G7 C7

 

・動和音から静和音への静進行

C7 CM7

G7(9)  CM7(9)

Bdim7  Cm(11,♭6)omit5

 

・動和音から静和音への動進行

G7  C△

D♭7  CM7

F7 CM7

Dm7(b5) CM7

G7  Cm7

...etc

 

⑮トーナリティモーションとモーダリティモーション

メジャースケールのみで音楽を作っているところに、メジャースケール外の音が入ってくる状況があります。

CM7 A7  Dm7 G7

といったときのA7ですね。

このとき、CM7→A7はCメジャーキーの外側への進行です。これをエクストーナリティモーションと言い、A7→Dm7とまたメジャースケール内の和音に戻る進行を、リトーナリティモーションと言います。これを拡張させ、

CM7 F#mM7(b9)  Dm7 G7

といったような進行でも同様なことが言えます。F#mM7(b9)への流れがエクストーナリティモーション、となります。また、

CM7  |トイレ休憩の音|  Dm7| G7|

という表現も同様です。トイレの音からDm7に戻る行為がリトーナリティモーションです。下記動画5:19あたりからのケーデンスで使っています。

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またモーダリティモーションとは、

C7 F7 C7 C7 G7 F7 C7 C7

こう言った、一つの音階集合から作れない和音の連鎖全般を指します。モードからモードへと移行が行われているような進行です。

ジャズブルースや、明らかにモードが想定されている楽曲などに用いる概念です。

   

 

⑯ブロックモーダルチェンジとブロックコーダルチェンジ

コードごとに調やモードがランダム変化する進行や楽曲を「ブロックチェンジによる楽曲」といいます。

|CM7   |C#dim7  |D7   |Fm7  E7 |D#M7 C#M7|

この進行では全てのコードでモードが変化します。

<ブロックコーダルチェンジ>

CブルースのC7-F7というコード進行においてC7・C7(#9)-F7というような挿入コードがあった場合を指します。こういった挿入コードは個人が勝手に差し挟むものでライブなどでは他のメンバーは対応しない場合もあります。このような即興的なコード変化をブロックコーダルチェンジとします。

<ブロックモーダルチェンジ>

C7-F7という進行のC7においてCミクソリディアン・Cオルタードドミナント-Fミクソリディアンといった変化の即興的挿入をさします。モードが自由に変化する場合です。バックのコードはC7のままで勝手にプレイヤーがF7に帰着するF#7などのアルペジオやスケールをメロディライン、アドリブライン、フィル・インとしてはさんでしまう場合などです。

 

⑰ハーモニックインターチェンジ

楽曲内でコード変化(代理・分解)が良く起きる場所をインターチェンジポイントとします。そこでは自由に定められたコードを挿入することができます。

ジャズアレンジにおけるドミナントコードが良い例です。自由なテンションや自由なモードが使用されるわけですから代表的なインターチェンジポイントです。

Dm7  (   )  CM7

( )内にどんなコードを入れても「解決欲求を感じてしまう」というような場所を利用します。これを拡張し

|Cdim7|(  )|(  )|(  )|

|Fdim7|(  )|(  )|(  )|

|G7   | (  )|(  )|(  )|

と、自由に和音を決められる場所を作ると音楽は自由形式になり、フリーがここに体現できます。このようなブロックチェンジより自由なコード進行形態を「ハーモニックインターチェンジを置く」といいます。

そして最後は、完全即興となります。

|:(   )|(   )|(   )|(   )|

(   )|(   )|(   )|(   ):|

ジョン・ケージの『4:33』やオーネット・コールマンの作品もこのインターチェンジポイントの拡大によって解釈が可能でしょう。

 

⑱十二音連関表に基づく進行から完全領域変換

12音連関表を自由に区分して、センターコードとアラウンドコードの領域を作ります。

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後は自在に行き来するだけです。ニルヴァーナ的進行はこうした感覚を自分なりに発展させていけばいいだけです。

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Csus4(9,10,13)→F#sus4(9,10,13)

これは12音を二つの和音で用いた進行例です。こうした進行を拙論で12音完全領域変換と言います。機能感とは違う、変化感の大きい進行に当然なります。

 

⑲不定調性希機能進行

機能和声は、トニック→サブドミナント→ドミナントの三つの機能を行き来する事で音の重力を作っていきます。下記記事が詳しいです。

不定調性希機能進行~モードマトリックス

 

⑳マルチファンクショナルコードマトリックス

Dm7  G7  AM7

という進行は、

Dm7  G7  Am7のピカルディ終止的な転調進行であると解釈できます。

この感覚が肥大すると、

Cメジャーキーのトニック→Dメジャーキーのサブドミナント→F#メジャーキーのドミナント→Bマイナーキーのトニック

等と「転調の拡大された機能進行」と捉えることが可能です。

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矢印に沿ってコードを並べると、

CM7 GM7 AM7 F#M7 E♭M7  DM7  GM7  E7  CM7

トニック→サブドミナント→トニック→サブドミナント→ドミナント→トニック

という流れを作っています。

全く目安のない状態で不定調性進行を作ろうとするとき、こうした「機能の残像」がある種の意識の補助になる人もいます。

 

完全即興制作

自作を例に出して大変恐縮です。わたしもまだまだ鍛錬中です。

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こうした楽曲は、自分の音楽的クオリアだけで作った作品です(私レベルでは推敲しないとダメなので、あくまでイメージとして捉えてください)。
「理論的に作ってねーなー俺」って思う必要はなく、そういうやり方を不定調性論的な音楽制作法、と銘打っているので、ぜひ真剣に直感的制作法を極めてください。

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不定調性関連含めてM-Bankの制作作品つれづれは下記からご覧いただけます。

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