音楽教育活動奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と...旧音楽教室運営奮闘記。

十二音技法/不定調性時代における音遊びの究極形3

前回 www.terrax.site 十二音技法では、基本となる音列を「Prime」と言います。 シェーンベルクの書簡集ではOriginalとも言っています。私はPrimeと習いました。Oと使うべきだったかも知れません。 そして12音音楽を作るために、音列のバリエーションが用…

十二音技法/不定調性時代における音遊びの究極形2

前回 www.terrax.site 前回作った音列を見てみましょう。 (音列1) ローカルルールが様々ありますが、 ・なるべく音列の順番で出現させる (シェーンベルクは基礎音列に聞き手が馴染んだ楽曲後半においては入れ替えを伴奏声部で多少許容しても良いのではな…

十二音技法/不定調性時代における音遊びの究極形1

この記事はレッスンでのご希望ご指摘を受け、あくまでレッスンのお時間を短縮するための予習復習補填を兼ねた考察です。 ここではレッスンでお話しする内容以外の「現代における十二音技法スタンスとの付き合い方」という視点中心に描いてみます。 十二音技…

...El Món〜不定調感的十二音技法 / 独自スタイルの在りようを客観してみる

www.youtube.com 米津玄師氏の『Lemon』の現代音楽方法論的カバーというものを作ってみました。 なんか大そう偉そうな題名をつけて本当に申し訳ありません。これも仕事の一環なのです。 前半と後半は特に旋律のリズムがほとんどそのまんま反映されていると思…

All The Things You Are/ solo piano〜スタンダードナンバーを不定調性解釈する

www.youtube.com ジェローム・カーン の名作です。元はミュージカルの作品です。 Very Warm for May - All the Things You Are 曲の後半の美しいコード進行の部分がスタンダード音楽となり、ジャズミュージシャンが営業演奏を終えた後の酒場で演奏バトルをし…

(Digital Performer)オリジナルテーマスキン変更の裏技

M-Bank Digital Perfomer使用法のお問い合わせ こちらからご連絡いただければ、メール返信かブログ上でお答えします。 www.terrax.site 正式な機能ではありませんので、どうしてもやりたい、という方はあくまで自己責任でお願いいたします。 参考例としてフ…

(Digital Performer)マージ機能の使い方

M-Bank Digital Perfomer使用法のお問い合わせ こちらからご連絡いただければ、メール返信かブログ上でお答えします。 www.terrax.site DPのマージ機能の基本について書いておきます。 マージ機能は普通はデータの整理、CPUの負担減などを目的に行われる作業…

不定調性進行/名もなき進行感〜調性システムの外縁にある世界

Dm7 G7 CM7の和音進行を事例に不定調性進行の作り方を列挙します。 不定調性進行がもつ感覚(コード進行感)は、浮遊した曖昧なコードをいくつか並べながら時折少しわかりやすい進行感を持つ連鎖を挿入することで仮想の帰着感を作ることで作り上げます。 こ…

(Digital Performer)DPにおいて、サイドバーでイベントリストを2ディスプレイさせる方法

M-Bank Digital Perfomer使用法のお問い合わせ こちらからご連絡いただければ、メール返信かブログ上でお答えします。 www.terrax.site 例えばイベントリストを2画面出したい時。 例えば、ウインドウセットなどで「Tracking」とかを選びます。 サブウインド…

MOON THAUMATOLOGY/ solo piano〜中秋の名月に魅せられて

2021.9.21は満月でした。 「仲秋」は、初秋、仲秋、晩秋に分けた旧暦8月全体を指すのだそうだ。 また「中秋」は秋の中日=旧暦8月15日のみ、なのだとか。 中秋の日に満月が重なった日。前回は2013年。全く記憶にない。 きっとはしゃいでいたとは思うけど。 月…

瞑想に代わるもの〜音楽制作で考える脳科学44

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site 同書最後です。同書は専門家のインタビューを多く含めながら脳を鍛えるための様々なエビデンスを提示し、話題を提供してくれます。直感について調べようと思って買っ…

「学習する」の定義と観察と未来〜音楽制作で考える脳科学43

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site David A. Kolb - Wikipedia デイビッド・コルブ氏(ケースウェスタンリザーブ大学名誉教授)の学習の4ステップの定義は有名ですね。 学習サイクルには4つの段階があ…

なぜ音楽理論を勉強しても曲ができないのか〜音楽制作で考える脳科学42

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site この記事の表題は、 「なぜ音楽理論を勉強しても曲ができないのか」ですが、これは要点をまとめた表現です。つまり、その人が音楽理論を等して音楽を学べる素養がな…

(Digital Performer)11.01アップデートでアーティキュレーションマップを使ってみた

M-Bank Digital Perfomer使用法のお問い合わせ こちらからご連絡いただければ、メール返信かブログ上でお答えします。 www.terrax.site DP11.01が出ました。 Fader Height機能 shortが加わった、と書かれていました。 そのほかの拡張機能やバグ直しは、ちょ…

直感の鍛え方と役立たせ方2〜音楽制作で考える脳科学41

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site 同著書もこれで最後です。紹介した話の他にも、なぜ海外で軽い風邪にかかるのか(異国の地での万が一に備え、どうでも良い風邪を治すのに免疫機能を使うのを脳が控え…

直感の鍛え方と役立たせ方1〜音楽制作で考える脳科学40

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site 同書の内容に沿いながら、できるかぎり普段から別途時間を使わずストレスなくできる方法を書いてゆきます。 しっかり感じる まず簡単なのはこれです。当ブログでも書…

生きてるだけで丸儲け/黒い蝶と白い蝶〜音楽制作で考える脳科学39

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site 人類が賢くなりすぎると、それぞれが自分の能力を過信することになり、他人の能力に期待したり、頼ったりしなくなる。そのように、社会的協力体制や社会のまとまりが…

直感の法則から見る「日常感」〜音楽制作で考える脳科学38

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site 綺麗な花の写真を「見せ」られて、それが花だと判断するのは、直感的判断である。この場合には、直線的な判断力をまったく必要としない。青い背景に、ピンク色の花び…

『孤独のグルメ』の"あの音"で考える音の心象

www.tv-tokyo.co.jp ついにシーズン10がスタートしましたね。 今回はシリーズ通して深夜に響くあの音について語ってみましょう。 なおこの記事での音程表記にはDAWで出力したままに基づいて音程名をつけてます。理論的スタンスの深い意図はありません。減五…

音楽制作に"危険"を潜ませる工夫?〜音楽制作で考える脳科学37

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学 」で検索してください。 前回 www.terrax.site 不定調性論では直感的作曲を行うことに注目しています。 楽器を弾きながら、ピントくる、街を歩いていてピンとくる、制作作業をしながら「あ!こうしよう!」と思え…

(Digital Performer)いらないオーディオデバイスの削除(mac)〜ハードウェアドライバの設定

M-Bank Digital Perfomer使用法のお問い合わせ こちらからご連絡いただければ、メール返信かブログ上でお答えします。 www.terrax.site いろんなソフトを入れたせいか、ハードウェアドライバが増えてしまいました。 しばらく使いそうにないやつを一旦削除し…

Fll Brings... / solo piano〜不定調性論を実際に用いる

youtu.be 困惑する速さで、急に秋の気配がやってきました。 秋の匂いに応えた曲です。 今回はとりとめもなく、クオリアを追って自然に作りました。 動画後半ではDAW画面で音の確認もできます。 いくつか語らせてください。 5:26 ① なんか音階があるようです…

テッテレテーテー・テッテー!〜コミカルリズムの系譜? cakeworkからピコ太郎まで

www.youtube.com とある野球動画でアウトコール(相手方のアウトに合わせて流すファンファーレ)を聞いて、あれ、これどっからきてるんかな、とふと思ったので調べてみたらなんかいろんなことが繋がってしまって嬉しかったみたいな妄想記事です。 真面目に受…

ビートルズも分析(?)できる「進行感作曲法」

terraxart動画リンクへ 動画にしたものを記事で改めて解説します。 大きく出てすみませんが、作曲する人なら多くの方が自然と行えているやり方についてです。作曲指南書にはっきりとした特定した方法論名が書かれていないので、誠に勝手ながら、上記で説明で…

アーシングは怪しい?その効果とオカルトと反証可能性の間で。

随時科学的/医学的成果や可能性をこのページに列挙していくので、アーシングについてはこのページを追っかけておいていただければ大丈夫です。 現在のアーシング行為の位置づけが怪しげに映ってしまうことは事実です。 世界各国でアーシングの効果についての…

もっといい作品/演奏を作るにはどうすればいいですか

"普段クラシックギターで即興演奏をやっているのですが、もっと良い演奏をしたいと思っているのですが、どうしたらいいでしょう?" 私が答えられることではないのですが、これは普遍的な問いだな、と感じました。 皆さんも時々「もっとこうなりたい」「次ど…

カデンツァの陰影 / solo piano〜不定調性論を実際に用いる

レッスンでケーデンスの色々な話になって、7thコードの上で何を乗せてもドミナントになってしまうのではないか、という話になり作った作品です。 Dm7 |G7 |CM7 |A7 | という進行を10回繰り返しているだけです。時々D7になったりC#7になったりしてます。そこ…

(基礎)差音/ 加音表〜様々な方法論のための参考表

cとの差音〜9オクターブまとめ表 このページではト音記号のこのドの音がc1(通例のc4)です。ご了承ください。 紛らわしくてすみません。 計算の仕方は少し下に書いてあります。 差音一般化表 差音表の読み方 引かれる音-基準音のc=差音 です。 この和音の構…

抽象的な音表現を理解する融和感分析の方法〜不定調性論的進行理解の方法4

前回 www.terrax.site 和音は転回するだけでも雰囲気が変わります。 ましてや組合せれば、無限の構成が可能です。 次はどうでしょう。Dm7 G7の後のコードを感じてみてください。 Dm7 G7 |D△/C△ | D/Cはリディアンコードと呼ばれる明るく透明感のあるサウンド…

抽象的な音表現を理解する融和感分析の方法〜不定調性論的進行理解の方法3

前回 www.terrax.site このブログに来るようなみなさん"イキスギコード"はご存知ですね? Dm7 |Gaug/C# |CM7 || がわかりやすいですね。 Gaug/C#=Baug/C#=D#aug/C#と捉えて表記する場合もあります。 ちょと展開してみましょう。 Dm7 |Gaug/C# |CM7 |Aaug/D# …