音楽教室運営奮闘記

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直感の鍛え方と役立たせ方2〜音楽制作で考える脳科学41

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同著書もこれで最後です。紹介した話の他にも、なぜ海外で軽い風邪にかかるのか(異国の地での万が一に備え、どうでも良い風邪を治すのに免疫機能を使うのを脳が控える=帰国すると安心して免疫機能が風邪を治すことに稼働し始めるので治る)という話や、ギャレット・ポーターがイメージだけで脳腫瘍を治した話、傍観者効果の話の詳細など盛りだくさんです。ゲシュタルト・セラピーの話も初めて聞きました。幅広いジャンル/難しい話を平易に語れる現役の心理学ジャーナリストです。ぜひその他の書籍もご覧ください。

佐々木正悟 公式サイトのページ右上「BOOKS」へ。

 

直感的であるかどうかはリラックスする、ことに関わりがあるようです。

しかし財布をなくしたときにリラックスするのは無理ですから、いかに普段財布を無くさないようなリラックス状態を"作り慣れておくか"が大切なのかな、と読み取りました。

 

最後は究極のリラックス状態、「瞑想」時のことについて大脳生理学が解明している内容が大変わかりやすかったので紹介します。

実際勉強されたい方は「トランスパーソナル心理学」「禅の心理学」で検索してみてください。これはアメリカのトランスパーソナル心理学の研究実績によるもの、とのことです。

 

普段考え感じている「リラックス」「集中」のずっと先の状態を知っておくことで、脳がいかに集中を妨げてくるか、脳がいかに飽きっぽいか、集中にはどれだけの精神力が必要で、リラックス、というのはもっと複雑な条件のもとで生まれる、とわかります。

瞑想の究極状態は違和感だらけの崖を登りきり、オリジナル植物状態を作るぐらい凄まじい、ということもわかっていれば、普段やっている「深い瞑想」が単なる「座っているだけ」ということもわかるでしょう。無になる、というより力づくで無にしていくという凄まじい「行者の無心力」を下記から感じました。

 

瞑想状態の脳

1.目の前にある岩や壁に視界を集中させる

→日常は周囲の情報に膨大な脳内物質機能を使っている。その可動を、インプットを極力一点に集中することで可能な限りシャットアウトする

2.その状態を長時間維持する

→脳が極めて嫌う状態。脳にとってはずっとおかずもなく白米だけ食べさせられている状態。一般の人にはこの段階がすでに実施/継続が難しい。

 

3.岩に集中することで他の認知機能が低下する

→脳は、情報の認知に飽きてくると新しい情報を求めて、妙に足が痒くなったり、温度を感じたり、どうでもいい情報を大げさに取り上げるらしい。だから一般人はそうした脳のバグが気になってしまうが、瞑想者はこの段階で、逆に視覚以外の五感の感覚が削ぎ落とされていくらしい。...この辺のコツをつかむまで何年かかるんだ...難し。

 

4.脳内の沈静化が起きる

ここに辿り着くのは達人だけなのだとか。岩以外の情報への認知も働かなくなるらしい。もはや死の状態に近いのかも。岩だけずっと見続けているアイドリング状態な意識だけが稼働中。だから、眠りにはつかないらしい。

これって目を半目にする座禅とまた違うのでしょうか。

 

5.岩に関する情報認知だけが活発になる

ご飯だけ食べ続けていたら、ついにご飯だけで十分食事が楽しめるようになっちゃった状態。

あんまりたどり着きたくないけど、それが瞑想の一過程。まだ途中なのか。

座禅は楽しい、気持ちいい、っていうより、やはり本来は修行なのだ、と感じます。

 

6.意識が馴化(じゅんか)する

ついには岩にも飽きて、視線だけが送られているが脳が集中していない状態が起きる。

馴化とは「慣れ」のこと。地震も毎日起こると慣れてしまって緊張も同様もどんどんしなくなる、あの感じが脳で極限化する。きっとここで肩叩かれたら死ぬか、気がつかないかどっちかですね。

状態としては「深い眠り」と同じ状態だが、意識は起きている、という心理学、意識学のセオリーを超えた状態。自我がなく、ただ意識だけがある。

我思わぬ、しかし我ありの状態。

 

7.意識はついに唯一稼働している自己に向けられる

岩に対する興味もなくなり、他の情報を探すが、瞑想者は岩以外の情報を抑え込んでいるので脳は「何も知覚するもの」を見つけられない。結果、唯一稼働している自分自身の覚醒機能生命のリズムそのものに注意を向け始める。

これが瞑想が達する目的地である精神状態らしい。

想像できない。

 

8.やがて「内なる声」に接する

7.の状態の中で、瞑想者は、最後に意図を超えた状態の自分自身の声を聞く。自我がなくなった状態で聞く自分の声。

筆者は、この声もまた「直感である」と述べます。スピリチュアルでいう所のハイアーセルフの言葉でしょう。声、というか、幻覚状態なのではないかと感じます。

すごい言葉聞きたいところですが、"いまの自分"がその瞑想状態に入っても「お前は今夜カレーだと思っているだろうが、今夜はおでんだ」ぐらいしか言われる気がしません笑。

そこにたどり着くまでの修養も必要だと感じます。

歴史書の興奮を見る限り、この声を聞くことは相当に奇跡的な体験なのでしょう。

悟りの境地で聞く声。

また、これは体験できる人が少ない分、いくらでもでっち上げられる、側面がある事も忘れてはなりません。

また、これに近い状態である「睡眠」というのは、やはり人の意識を整えるために必要な行為だったのではないかと感じさせられます。

 

困ったら寝よう。

 

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いろんなやり方でもそれなりの効果があるようで、素人がわかるような知識ではなさそうです。

 

目を瞑ると、光のつぶつぶが見えると思います。それを数えていったりするだけで意識はかなり集中できます。30秒やるだけで全く知見が変わることすらあります(違う日になったんじゃないか、と感じる時もあります)。

同書には、ヨガや行において「呼吸を数える」ことで集中する方法が紹介されています。

 

また瞑想時の手の形ですが、なんでも良さそうですが、ヨガの世界では、手の形が体の機能と呼応していて様々な効果を出す、と言う考え方があります。

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ムドラ、といいますが、興味があれば実践してみても良いと思います。

手の形がどれだけ身体に違いをもたらすか、と言うのは、「虎ひしぎ」のように、生物として、前足に力を入れた時、それが後ろ足にも力として踏ん張れるように、人体が野生の名残を持っているからでは?といった話につながります。

甲野義紀さん(古武術)の本で学んだ「虎ひしぎ」の手のやり方 │ MaaHii~マーヒー~

昔、人間は四足で歩いていた。 前足の動きが全身に影響したので、その名残がいまでも残っているのではないか・・・。

と引用先でもあります。人間と猿の間の時代、ですかね。

手の形一つで楽にできる作業、力が込められる作業がある、というのは驚きです。

仏像などの手の形も、少なくともその人はそれで瞑想しやすかったのだろう、と思います。おそらく年齢、性差、健康状態によって必要な手の形は違うものでしょうし、やはりこれも自分で考えてたどり着くしかない、と思います。

確かに物を持つ手の形をした時、手だけでなく、足も踏ん張れるようにしないといけませんから、きっと物を持つ手の形は足に関わりがあるのだろうと思います。

相手を攻撃するときの鍵手や、殴ろうとするときの握りこぶしなどは、きっとそれだけでアドレナリンが出てるだろうことも想像できます。

 

だから寝るときに自分がどこに手を置いているか、どんな手の形をしているか(胸に手を当てている、優しく握っている等)ということがあなたのリラックスに効果があることもそうなのでしょう。枕が変わると眠れなくなるのは、そうしたリラックス習慣が乱されるからでしょう。

 

心技体、良い作品を生み出すために、体調管理や精神管理が必要、と同時に、コーヒーやタバコ、ときにお酒や病がインスピレーションを刺激するように健全であることよりも、自分にとって創造力が解放される習慣/状態、というものがあろうかと思います。

体に悪いことをする、というのは、きっと何かを生み出すために自分を殺傷して産み出そうとしているのかもしれませんね。

子供を作った後で死んでしまう生命体がいるように、何かを創り上げる、というのは自分を削り取って生み出すことが美徳、みたいな感覚が生命の記憶としてあるのでしょう。

 

ゆえに死して名を残したクリエイターの作品には皆ある種の真言のようなものを感じています。死んだからすごいんじゃなくて、そういう死に方をした人はすごい、となんとなく感じてしまうんです。

 

それはさておき、直感が危険に際して敏感になる、という意味ではものを生み出すクリエイティブ作業が自らを削る作業であれば、直感が働きやすいように思います。

本当の「第六感的直感」というのはそう簡単に降ってこない、ぐらいに思いながら、そうした感覚との出会いに向けて日々精進、ということで、結論も最初と変わらない笑。

 

楽はできなさそうだな、というのが最後の感想です笑。

または、寝るのが一番かも笑。

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