最新の不定調性作品他はこちらから。
拙論は、メロディぐらいならある程度自由に作ることができる、というタイプの人が対象になってしまいます。ご了承ください。
「あなたは何を根拠に、今そのメロディにする、と決めましたか?その全ての根拠を既存の概念で解説できますか?」
これができるタイプもおられましょう。
私は制作を論理的にできない(したくない)人間だったので、論理的に思考する必要性のない制作方法を具体化したい、と考えていました。
はっきりいうと、全部できる限り直観任せで作る方法論に取り憑かれたもはや人のは誇れぬ性癖、といったほうが良いでしょう。
心理学の専門用語で言うなら「暗黙知」によって曲がちゃんと求めるまま作れるように頑張って経験を重ねる、と言えばいいでしょうか。
ここで述べる直感は、自分の経験や知識、思考、性癖などが瞬間的に脳回路に沿って論理的に思考を経ずに計算された上で現れるその答えのことです。脳がそもそも自分の行動に後から意味づけを行いアイデンティティを守る働きをしますので、じっくり論理的に理性的に考えて出す答えは実に後付けする理由まで考慮した「社会的回答」になりがちです(左脳が行動の理由を後付けするのは、他者に自分の行動の根拠を伝え強調するため/合理的判断と認識することで次回以降にその判断がより効率よく機能するため)。そういう作り方も大切ですが、一方で自分的な答えが導き出せるスキル自体も、磨いておいてもいいのでは?という意味での直感を大切にします。
直感でやる、を縦の時間軸にその根拠がある?としても面白いです。
瞬間的な答えでありながら、インスタントではなく、それまでの全ての時間が関わっている、と思えば、直感でやる、論理的にやる、はバランス良く鍛えておくほうが有益ではないか、と思います。
不定調性論は、論理的理由などなくても曲ができればいい、と思っている人にまずは役立つ考え方が揃っていると思います。
伝統権威至上タイプ、論理的思考至上タイプには向きません。
世の中は論理的な理屈で成り立っています。
現状は「自分の"音楽的なクオリア"を根拠にして制作している」という言い方をします。いかにも適当に作って良いと言っているように思われますが、日々勉強は欠かせません。経験と学習のみが直感を磨くからです。
・自分が知っている知識だけで頑張る期間(周囲による微笑ましい承認)
↓
・自分が知らない知識を貪る期間(周囲の厳しい期待から論理的/歴史的知の学習期間)
↓
・改めて自分なりの価値を探す期間(親が諦めて、結婚しなさいと子に言わなくなる時期的な)
↓
・落ち着いて自分のスタイルを本格探求(仕事も収入もあると放っておかれます)
日々勉強しておけば制作時に適切な直感が無意識に働くはず(有構無構)だ、という考え方も持っています。
そもそも脳はそういうことができるハイパーなコンピューターだと信じています。
あとは作曲自体をしっかり丁寧に行わないと途中で方向転換したり、曖昧な表現しかできなくなることがあります。
意思は化け物です。
下記の作品集をいろいろたどり、「あ、意図しすぎたな?ククク」とか「これ、完成前になんか一人ワクワク盛り上がっちゃって作ったんだろ」と感じていただければ幸いです。まだまだ未熟です。
時に完全即興に世はまだ疎いので、形式や理論を無視して適当に演奏して「分析してみろ」と人に言うような行為が成り立ってしまいますが、これは自分が人生を生きる意味を他人に答えさせるようなもので、「その答えは自分で出せ」と言われるだけです。
とにかく自分でやれ、しかなくなるので構って欲しい人は、もっと社会的な音楽を作って社会と関わるといいと思います。
ここで書いているのはあくまで一人の人間が音楽に性癖があり、その願望によって音楽を求めたい、という時の独自論の話をしているまでです。
私は学習と並行して、とにかく感覚で作業をしてみる経験をたくさん積むことが良いと考えています。
正確に作っている時の感覚を述べるなら、
「一応考えてるけど、ほとんど勘で作ってます」
だと思います。そうやっても成り立つ方法論をまとめかったんです。この時の「勘感覚」のことを「音楽的なクオリア」を働かせて作る感覚、などと云っています。
この感覚がしっかり臨機応変に働く時、初めて学んできたこともスッと出てくる、という有構無構が働きます。
さらに"ア・プリオリな総合判断"すらも忘れ(経験から直感する普段の新曲制作)、槍のようなイレギュラーな直感に突き動かされて思いもよらぬフレーズ、歌詞、アイディアになることもあります。りんご→放置→腐るとなることには因果律がありますがこの「超ア・プリオリな総合判断」はりんご→潜水艦→自分が生まれる、みたいなことが実しやかな因果律のように降ってきて信じられない展開の曲を作ったりします。
絶対に繋がらないサンプルデータを意味があるようのつなげたりです。
三つのお題の言葉から落語の小話を即興で作る、と言ったトレーニングがこれを補完することでしょう。
それも独自論で、最初は違和感があるかもですが、自分という人間に組み込まれたOSなら、これは必然だな、と感じ確信できます。それも個性です。
そうやって、社会的常識からも離れて制作を個人的にする作業を重ねると、不思議なことにいざ社会的作品を作る時、どうすべきかが整理しやすくなりますので便利だと思います。
スタジオに入ってから考えて、その場で作ったみたいなことを言うミュージシャンの言葉、冗談に思えるかもしれませんが、これも音楽的なクオリア的制作方法だと思います。
明日が締切、というようなとき、特にこうした感覚的作業能力は磨かれます。
もちろん理論を勉強したいなと思ったらぜひ勉強してください。
でもいざ、
・音楽を作る時は、学んだことを考えたりしない
・不意に出てくるアイディアを捉えて活かせる感覚
を意識してみてください。個人差ありましょうが、その方がうまくいく方もおられるでしょう。
制作時に「あの理論書にこう書いてあったから」などと考えないで作るわけです。ここはこうしよう、次はあれをいれよう、とか計画しません。作りながら流れ右葉に湧いてくる感覚で作ります。それができるのは、普段トレーニングし、考え、理想を願っているからです。普段努力しなくて勘は働きません。
脳はすべて記録し、保管してあります。
脳が勝手に必要なヒントを意識の上に浮かび上がらせます。あとはそれを掴むだけです。
この「掴むコツ」を身につけるにはひたすら感覚で作っていくしかありません。才能もここに関わってきます。私ごときでは大したものはできないかもしれません。
ギター弾きなら、ブルースのソロを取ることに似ています。
スリーコードブルースを弾くとき、あなたは"何かを考えます"か?
ブルースのリズムが聞こえてくると、体が勝手に動くし、なんとなく"匂いのする方向"に"弾き進む"ことができると思います。
脳内のディフォルト・モード・ネットワークを上手に働かせている状態です。
(初歩の学習段階では理知的で作っても良いと思います。そのための音楽理論です)
自分のやり方は自身で探す必要があります。
誰も「あなたの使い方」を知らないからです。
最初は簡単なことにチャレンジしてみてください。
・「太陽をテーマに8小節のあなたのメロディを書いてください」
・「昔好きだった人を思って"美しいと思うメロディ"を16小節書いてみてください」
・「このビートに自由に音楽を乗せてください」(題材となるビートトラックを用意)
とか。考えないで、出来得るままにやってみた世界観があなたの独自論に直結している、と考えます。
=以下は作品事例です(皆さんが同じ作風になるわけではありません)=
おかshな不定調性しかできないんだろ笑、と思われるかもしれませんが、拙論のおかげで、普通にオケを作る活動もできるようになりました。下記に再生リストをあげておきます。Youtubeで見ていただければその他の曲もご覧いただけます。
以下は2020年までの記録です。最新の作品関連はこちらからご覧下さい。
ピアノ曲が好き、ということもありますが、自分がやりたいことが純粋に具現化できる音楽ジャンルなので大変気に入っています。
意思を持たないDAWならではの細かいベロシティ、アタック、ペダル操作の可能性によって"普通なら響かない音"を響かせる楽しみを知ってしまいました。
富士の写真が大変美しいです。
<不定調性アレンジ>
単旋律、領域混合和音、即興的アレンジの変奏曲。
M7だけを用いる、という和声単位連鎖に特化した作品
(2012年、おそらく不定調性論的思考のみで考えた最初の作品です)
制作;QY100(受講生からお借りした・・。)
まだDTMというのを始めていない頃です。
<現代ギター練習曲?>
全編解説動画でも紹介している、画像を読み取って音楽にする、という作曲のやり方です。
<ロックギター曲?>
<小品;五つの前奏曲>
修礼のコード進行をベースに様々音楽的思想を展開するコンセプトの作品です。不定調性的な考え方にどんどん寄っていきます。
お客様からのご依頼で作りました。慣習的な和声の流れと不定調性の思考を混ぜる、というやり方で作っています。
最後に"もろびとこぞりて"のメロディが来たのは、偶然です。音楽的クオリアの賜物です。
<ポップス?>
はじめてポップス曲に曲の合間合間に不定調性のコンセプトを使わせて頂きました。記事。
拙論の考え方がなかったらEM7/Dとかは以前の自分なら却下したと思います。
中間部を不定調性的思考で作っています。
<Audiostockで販売中の曲から>
<参考>
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