最新の不定調性作品他はこちらから。
拙論は、メロディぐらいならある程度自由に作ることができる、というタイプの人が対象になってしまいます。ご了承ください。
「あなたは何を根拠に、今そのメロディにする、と決めましたか?その全ての根拠を既存の概念で解説できますか?」
これができるタイプもおられましょう。
私は制作を論理的にできない(したくない)人間だったので、論理的に思考する必要性のない制作方法を具体化したい、と考えていました。
不定調性論は、論理的でなくてもが曲ができればいい、と大方思っている人に役立つ考え方が揃っていると思います。伝統権威至上タイプ、実績成果至上タイプ、超論理的思考タイプ、には合いません。
現状は「自分の音楽的なクオリアを根拠にして制作している(日々勉強は欠かさないが作るときは全て勘。)」という言い方をします。
教材では、この思考を支えるために一般音楽理論をバラバラにして0から組み直すことに約1000ページ使っています。
合わせて、「自分が自在にどんどん進められる創作方法を行えるやり方はどれか?」を探るためにさまざまな提案をしています。
要は、
「一応考えるけど、ほとんど勘で作ってます」
です。そういうふうに行っても成り立つ方法論をまとめかったんです。
結構難問でした。
もちろん理論を勉強したいなと思ったらぜひ勉強してください。
でもいざ、
・音楽を作る時は、学んだことを考えたりしない
・不意に出てくるアイディアを捉えて活かせる感覚
を意識します。きっと個人差ありましょう。
制作時に「あの理論書にこう書いてあったから」などと考えません。
脳はすべて記録し、保管してあります。脳が勝手に必要なヒントを意識の上に浮かび上がらせます。あとはそれを掴むだけです。掴むコツを身につけるにはひたすら感覚で作っていくしかありません。
勉強しても勘で作り続けてください。これ、難しいです。
ブルースのソロを取ることに似ています。
スリーコードブルースを弾くとき、あなたは"何かを考えます"か?
ブルースのリズムが聞こえてくると、体が勝手に動くし、なんとなく"匂いのする方向"に"弾き進む"ことができると思います。
作曲もそうなるまでは訓練です。
脳内のディフォルト・モード・ネットワークを上手に働かせている状態です。
(初歩の学習段階では理知的で作っても良いと思います。そのための音楽理論です)
その人なりのやり方があると思います。自身で探す必要があります。
誰も「あなたの使い方」を知らないからです。
最初は簡単なことにチャレンジしてみてください。
・「太陽をテーマに8小節のあなたのメロディを書いてください」
・「昔好きだった人を思って"美しいと思うメロディ"を16小節書いてみてください」
・「このビートに自由に音楽を乗せてください」(題材となるビートトラックを用意)
といったことをやります。
直感的にそれをしようという行動意欲や目的意識が降ってきて、それを抵抗なく創造的作業に展開できる感覚を目指します。
難しいのは、自分の直感を信じられない一時期です。
でもそこが結構脳にはチャンスです。いずれ「自信を失っている」のは錯覚だったと気がつきます。
落ち込んでいる時が錯覚だと分かると、その後も立ち直りの技術や考え方が身につきますので、制作は捗ります。
「感覚で行う」なんて"限界を感じる"かもしれません。
でもそれではあなたがやらなくてもいいんです。例えばそれを「売る」となると「売ることこそ我が道」と思っている方と組まなければ売れません。
まず、自分の程度を受け入れ、そこから何ができるかを探求し、たとえ再生回数0回でも自分が納得する作品を作ってみてください。自分勝手とは社会に守られた価値の中で生きるより遥かに勇気が要ります。
もしその過程で「やっぱり人に認められたい」と思うなら、あなたはポピュラー作曲について、現役の作家/作曲事務所の門を叩くべきでしょう。社会的に価値があるものは、価値があるのではなく「その社会で価値と認められたもの」です。それがどういうものかを自分に叩き込まなければなりません。
しかし文明の行き届かない先住民にバッハの美意識は必要ないかもしれません。
あなたの心の奥も本来はそうした僻地です。
もし社会とうまく折り合いがつかないようなら、あなたの心にとっていちばんの価値を探す作業が独自論の探求に邁進してみてはいかがでしょう。
=以下は作品事例です(皆さんが同じ作風になるわけではありません)=
2020年までの記録です。最新の作品関連はこちらからご覧下さい。
富士の写真が大変美しいです。
<不定調性アレンジ>
単旋律、領域混合和音、即興的アレンジの変奏曲。
M7だけを用いる、という和声単位連鎖に特化した作品
(2012年、おそらく不定調性論的思考のみで考えた最初の作品です)
制作;QY100(受講生からお借りした・・。)
まだDTMというのを始めていない頃です。
<現代ギター練習曲?>
全編解説動画でも紹介している、画像を読み取って音楽にする、という作曲のやり方です。
<ロックギター曲?>
<小品;五つの前奏曲>
修礼のコード進行をベースに様々音楽的思想を展開するコンセプトの作品です。不定調性的な考え方にどんどん寄っていきます。
お客様からのご依頼で作りました。慣習的な和声の流れと不定調性の思考を混ぜる、というやり方で作っています。
最後に"もろびとこぞりて"のメロディが来たのは、偶然です。音楽的クオリアの賜物です。
<ポップス?>
はじめてポップス曲に曲の合間合間に不定調性のコンセプトを使わせて頂きました。記事。
拙論の考え方がなかったらEM7/Dとかは以前の自分なら却下したと思います。
中間部を不定調性的思考で作っています。
<Audiostockで販売中の曲から>
<参考>
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