2017.10.15→2020.1.31更新
当ブログ楽理関連記事目次はこちら
「下方倍音列理論」という音楽の理論が明確に存在するわけではありません。
そもそも物理現象としてはあり得ないとされた下方倍音列は「得体の知れないもの」の代名詞のような扱いでした。
拙論ではこの倍音現象を扱うのではなく、数理として和音作成に活用します。
===
<まず自然倍音(上方倍音)について考える>
ピアノの低いほうのc(ドの音)を仮にc1としましょう。c1よりオクターブ高い音をc2とします。
そしてこのc1を、基準となる音「基音」としましょう。
音の振動数とは、ピアノのc1をがーーーんと弾いた時に、空気中に伝搬する振動の波の一秒間の回数です。
これが人間の耳に伝わり、耳の中の鼓膜を同じ数だけ振動させます。
c1=65とすると、この音は鼓膜を1秒間に65回振動させる、とイメージしてください。
この振動数の単位はHz(ヘルツ)です。
この65を比「1」とします。だから比2であれば、65×2=130Hzですね。
では比10なら?65×10=650Hzです。
c1は65Hzだ、とかと言います。
===
普通のピアノでこのc1の音を弾くと、整数倍の振動数音が自然発生します(波の共鳴)。
これらの自然に混じってしまう倍音を、「自然倍音(上方倍音)」といいます。
基音よりも高い振動数が発生するためです。
自然倍音列(上方倍音列)を順に書き出してみましょう。
c1=65とすると、
2倍音=130
3倍音=195
4倍音=260
5倍音=325
となります。これを順に列していくのが「倍音列」です。
===
参考;平均律振動数表
音名= 振動数
c3= 261.6256
c#/d♭3= 277.1828
d3= 293.6648
d#/e♭3= 311.1276
e3= 329.6276
f3= 349.2282
f#/g♭3= 369.9944
g3= 391.9954
g#/a♭3= 415.3047
a3= 440.0000
a#/b♭3= 466.1638
b3= 493.8832
c4= 523.2512
ちょうど、オクターブ上のc4はc3を二倍した数になります。
261.6256×2=523.2512
その2に続きます。