2018.5.28⇨2021.2.13更新
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これも不定調性論で用いる12音連関表の活用です。
整数比による協和音から、幾何学的なバランスを持つ和音を「調和音」とすることで各位にとっての「自分が使いやすい和音」を探してはどうでしょう。
12音はさまざまな数理的関連性を作り上げることができます。
不定調性論では、その自分なりの数理的関連性を「12音連関表」をベースに見つけていきます。それらを体現できる方法論にまで落としていきます。
"普段あなたが感じている"その感覚"をパターンに落とし込む"
わけです。だからあなたが自分で作るしかありません。
そしてそれを作るためには、さきに"何かを感じている"必要があります。
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C△体
例えばC△は12音連関表を拡張した状態では「L」をひっくり返した形で現れます。
この形に対して、
「メジャーコードのあの感じ」=図表ではこの形
と感情と幾何をリンクさせます。
あとはパターンを拡張すれば、様々な和音が見つかります。
このように拡張すると、なんだかアラビックな音階ができます。
c-c#-e-f-g
さらに拡張すると、
c-c#-e-f-g-a#-c
というアラビア音階の出来上がりです。
このように幾何的にパターンを構成していくことで生まれる音集合を拾っていくことであなたの方法論から生まれる音集合、音パターンを楽しめます。
この表自体が、私の音感覚に従った結果生み出されるものですから、私が予期していなくてもこれは私の思考パターンに沿ったもの、ということができます。
また
C |Eb |F |G |G# |Ab |
または
C |Eb |F |G# |Ab |
といった進行例のルートだけ見ると下記のように
12音連関表では綺麗にCとD#を中心にした五度上下の音で構成されたコード進行だ、ということもできます。
メジャーコードを別の層で考えてもいいですし、
同じ層で当て込んでもいいでしょう。
また進行する感じを捉えたいなら、
このようにしても良いでしょう。
Gを経由するならG#は経由しない、みたいな規則も見れます。
どちらのロジックを好むか、それも私次第です。
もちろんこんな風な幾何学的なバランスも作ることができます。
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話をC△に戻します。
C△を表面、裏面領域的に変化させると、下記のような対称性もできます。
cの表面上方領域c,e,g,a#
cの表面下方領域c,f,a#,d
cの裏面領域f#,a#,c#
など拙論におけるcの関係性を幾何学的に見ることもできます。ここからあらたな調和音を作ることもできるでしょう。
いくつかコードを幾何的に構成してみましょう。
CM7
CM7(9,13)
CM7(9,13)
Cm体
Cm7
Cm6
CmM7(9)
Cm6(9)
Cm7
Cm7(9,11)
Cm7(11)
Csus4体
C7sus4(9)
Cdim体
Cdim7
C7体
C7
C7(9)
C7(b9)
C7(b5,9)
C7(b5,9,b13)
この和音は下に示すように三つのオーグメントを足した和音である、とも言えます。
Cm7(b5)体
Cm7(b5)
Caug体
Caug
Caug7(9)
対称性やバランスはいくらでも"創造"できます。
我々の和音の歴史は低音から積み上げてきたのでテンションなどの付属音は文字どおりかっこの中に入れて付属されています。主要の音からはランクが低いような印象を与えます。しかしこうした二次元モデルではそんなことはありません。
あとはどちらが私の音イメージに近いか、私の信念にあっているか、を判断します。
Dm7(b5) G7(b9) Cm7(9)なら、
オレンジセルがDm7(b5)、ブルーセルがG7(b9)です。
これによれば、m7(b5)という和音と7th和音は上下対称のフォルムを持つ和音であることがわかります。これをII-Vという形で連鎖するのは、幾何学的な写像行為とも言えます。
赤枠セルがCm7(9)です。これが何かはともかく和音の移動は、数理の移動であり、幾何的な移動であり、写像的な動きでもあります。
それらに自分自身がどんな風に感じるのかは、これまで生きてきた環境が私の脳の中に作った回路の反応によります。
例えば幾何的な世界を音楽に活かしたいなら、
このように1,2のように凹型と凸型の和音を結合させたり、対称的に移動させたり、3のように同じ形の和音を呼応させてコード進行を作ったり、ということもできるでしょう。
また同じ凸型での回転移動的に、
G7⇨Cadd9こそが最も美しい終止だ、とか。
G7⇨Am(11)こそが最も隣接した終止だ、
とかいうこともできます。しかしこれはあくまでこのモデルのフォルム上でできることであって、その他のモデルでは他の形になるかもしれません。
コード進行に「関連性」を作るとき、機能和声論だけでなく、こうした各位のモデルが有効になるから一方で一時的独自解釈の積み重ねは自身にとっては大事ですよ、という話になります。
もちろん3D的な位置付けで12音を関連付けるのなら、また違う対称性が見えてきます。(不定調性論では表がc、裏がf#という関係性を作っています)。
常にその時の一時的な独自解釈で和音の位置付けをするとき、あなた自身が持つ共感覚的配置や、あなたがすんなり入れる幾何学模様、立体、世界観の中に和音の規則を配置すると、「なぜ私がそれを良しとするか」が見えてきます。
自分が感じることをまずは認められること、が自分の使い方の最初の一歩だと思います(独自論)。
そのためにはまずあなた自身の12音の連関表を作らないといけないのですが、面倒だと思うので、まず拙論で作った表などで「あなたが面白いと感じること」を探してみていただければ幸いです。そこからピンと来る人は、自分の表も作れると思います。
続きます。
参考