音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

コードスケールって何?①~コードとスケールの学習の話

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コードスケールって何ですか??という質問に絡めて。

もうモードを覚える段階の人は上級者です。

 

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「この曲の頭のFm7の小節で使えるコードスケールは何ですか?」

20秒経っても答えらえれない場合は基本的なことが分かっていない可能性があります。

F-7とはFm7です。洋書は「-」で良く書きます。写譜ペンで走り書きで「m」と書く時間がもったいないので「-」と書いた名残です。同じようにC△7とありますが、これもCM7と急いで書くと、Cm7に見える可能性もあるので、初見時などにそうした紛らわしい二度見案件をなくすために一目でわかるように区別された書き方の慣習です。

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この一小節目、Fm7。

赤く四角で囲った部分はFm7で支配するよぉ、という合図です。

この「Fm7に支配されている」一小節目で使える音の慣習的種類がコードスケールです。「スケール」というと音階みたいですが、音集合を順番に並べたのが「音階=スケール=モード」であり、別に音階が指定されるわけではありません。

音階というよりも

「使える音集合がだいたい特定される」というニュアンスで受け取れると後後便利です。恣意的な集合です。

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では、どの音が使えるか、ですが。

まずFm7ですから、当然構成音f,a♭,c,e♭が使えます。

(ここでコードトーンが分からない人は、まずコードトーンをすぐに把握できるところまで勉強してください。・・大変ですがここは才能関係なくて、九九と同じように覚えてしまえばいいだけです、または鍵盤やフレットを感覚的に形で把握していくしかありません。)

コードの覚え方(基礎)- 音楽教室運営奮闘記

 

構成音だけ使っていれば確かに問題ないです。

でももう少し音が欲しいですよね。

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これがコードスケールの考え方です。

この?マークに入ってくる音が後に「テンション」にもなります。コードスケールを覚えることは、すなわちコードの使用可能テンションを覚える事にもつながっていて、画期的な発明です。

また、チック・コリアみたいにコードスケールで考えない、という人も一流どころにいますから、あなたが一流を目指すなら基礎をしっかり勉強して自分だけの和音世界を作ってください。

 

同時にこれも覚えておいてください。

「コードスケール覚えてもアドリブや作曲が出来るわけでは全然ない」

もちろん全然ではないけど、これを覚えたから自動的に創造的活動が脳内で稼働するわけではありません。

コード構成音やコードスケールの知識は燃料ですが、エンジンがないと燃えません。

そのエンジンとは、作曲なら「作曲しまくって生まれる勘」、アドリブなら「コピーしまくって生まれる勘」のことです。

それが十分にこなされた脳に「コードスケールの知識」を注ぎ込むと、一気に燃焼します。

 

だから初心者初年度の方はまずコピー、知ってるコードで作曲の真似事をガンガンやってください。そうやって徐々に燃料が欲しくなっていってほしいです。

 

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次に行きましょう。構成音の間を階段状に埋めてください。

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ここで楽譜の知識が必要になります。

楽譜の読み方と初見の上達法_1 - 音楽教室運営奮闘記

 

かならず階段状に並べてください。

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たとえば最初がファ、次がファ#でもいいじゃないか!と仰るかもしれません。でもファの列に二つ音符が並んでいますよね。だからこれはコードスケール=音階を考える時にふさわしくありません。そういう慣習だと思ってください(8音スケール以上になるとこの慣習がまた崩れてきます)。

 

どうしてもファ#を使いたいなら、

せめて

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このようにソのフラットにしてください。これで階段状になっていますよね。

まずこれがジャズ理論におけるコードスケールを作るときの基本的なルールです。階段状にして並べていくことで半音が連続を避け(半音が連続すると音階の性格が不明瞭になる)、密集・跳躍のバランスを視覚的に保つこともできます。もちろん例外もあります。

 

ではf、a♭、c、e♭以外は何でもいいのか、というとそうではありません。

教科書にはこうあります。コードスケールで用いる音は

「そのコードが属している調の音階の音を補う」

とあります。

ここで楽譜を見てみましょう。

フラットが四つついていますね。

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シと、ミと、ラと、レがフラットです。

ドレミファソラシドがハ長調ですね。この間を全音・半音で区切ると。

ド(全音)レ(全音)ミ(半音)ファ(全音)ソ(全音)ラ(全音)シ(半音)ド

全全半全全全半(ぜんぜんハン、ぜんぜんぜんハン)

これがメジャースケール(全音階)の構造です。

で、その一番下の音がルート=根音です。

ドレミファソラシド

CDEFGABC

ですから、一番下はCです。

ドレミファソラシドは「Cのメジャーキー」と言います。

 

 

では?さっきの♭四つを付けてみましょう。

ド レ♭ ミ♭ ファ ソ ラ♭ シ♭ ド

だとどうなるでしょう。 

ド(半音)レ♭(全音)ミ♭(全音)ファ(全音)ソ(半音)ラ♭(全音)シ♭(全音)ド

半全全全半全全

となっています。

これをラ♭から始めてみましょう。

ラ♭(全音)シ♭(全音)ド(半音)レ♭(全音)ミ♭(全音)ファ(全音)ソ(半音)ラ♭

これで

全全半全全全半になりました。

この一番下になった音がルート=根音ですから、ここでは

ラ♭=A♭です。A♭を中心にすればメジャースケールが作れる、と判断します。

 

つまりこの楽譜は

A♭メジャーキー(変イ長調)だ!

となります。では先の音階楽譜を見てみましょう。

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ここでシ、ミ、ラ、レをフラットしてみましょう。

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はい。これでコードスケール完成です。やることは単純です。

・階段状に音を配置して

・調の音に合わせて変化記号を付ける

これで割り出すことができます。

で我々が何時もこれをやっているか、というと、あんまりやりすぎてA♭メジャーキーのときのFm7はFエオリアンだ、と覚えてしまっています。

 

 

先の並びで音階に名前を付けると、

全全半全全全半=メジャースケール、アイオニアン

全半全全全半全=ドリアン

半全全全半全全=フリジアン

全全全半全全半=リディアン

全全半全全半全=ミクソリディアン

全半全全半全全=エオリアン

半全全半全全全=ロクリアン

というように構造と名前が決まっています。これらを慣習的にモードと呼んでるんですね。

 

で、あとはキーが分かったらダイアトニックコードをすぐ言えれば、ばっちりです。

Cメジャーキーのダイアトニックコードは

三和音

C△ Dm Em F△ G△ Am Bdim

四和音

CM7 Dm7 Em7 FM7 G7 Am7 Bm7(b5)

です。で、先のそれぞれのモードが当てはまります(下記は四和音で書いてますが三和音も同様)。

CM7=全全半全全全半=メジャースケール、アイオニアン

Dm7=全半全全全半全=ドリアン

Em7=半全全全半全全=フリジアン

FM7=全全全半全全半=リディアン

G7=全全半全全半全=ミクソリディアン

Am7=全半全全半全全=エオリアン、ナチュラルマイナースケール

Bm7(b5)=半全全半全全全=ロクリアン

 

こんへん分からない人は、ダイアトニックコードが分かっていません。 

興味のある方は下の記事ぐらいから読んでみてください。

こちらから

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これをA♭メジャーキーにしてみましょう。

 A♭メジャーキーのダイアトニックコードは

三和音

Ab△ Bbm Cm Db△ Eb△ Fm Gdim

四和音

AbM7 Bbm7 Cm7 DbM7 Eb7 Fm7 Gm7(b5)

ですから、

AbM7=全全半全全全半=メジャースケール、アイオニアン

Bbm7=全半全全全半全=ドリアン

Cm7=半全全全半全全=フリジアン

DbM7=全全全半全全半=リディアン

Eb7=全全半全全半全=ミクソリディアン

Fm7=全半全全半全全=エオリアン

Gm7(b5)=半全全半全全全=ロクリアン

です。

さっきの図を見てみましょう。

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 ファ(全音)ソ(半音)ラb(全音)シb(全音)ド(半音)レb(全音)ミb(全音)ファ

 ですから、上の表、

Fm7=全半全全半全全=エオリアン

に該当するわけですね。

 

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ここを理解すると、テンション、アヴォイドノートなどの知識を経て

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ジャズコードスケール全般を理解できるようになります。

 

当ブログでの音楽理論関連基礎記事の目次(基礎)〜年代別独学のススメ - 音楽教室運営奮闘記

 

で、ここまでは普通の話です。

次に、コードスケールの辿り着く矛盾について焦点を当てていきましょう。

不定調性論的価値観でしか語れない話です。

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==コーヒーブレイク〜M-Bankのロビーの話題から==

じゃ、お前はなにで勉強したんだよ、と言われれば最初は北川先生の本でした。実際にレッスンも受けたことがあります。めっちゃプロ向けです。音楽をまじで作りたいならこのくらいついておいで系です。あとはメーザーハウスで遊びながら理論全ステップ制覇しました。

皆さんは新しい時代の参考書が沢山あるので自分で選んでください。

ポピュラー音楽理論 改訂版 北川祐 編著