レンジ4を音階にしたものを「上方マテリアルスケール」と言います。
「倍音列音階」とでも言えばいいでしょうか。
c-d-e-f#-g-a♭-a#-b-c
です。
別にどうということはありません。「これ、音階っぽいでしょ?」って言ってるだけです笑。これをそのまま使えば、倍音列使っているから、すごく説得力あるかもよ??という示唆にすぎません。
この音階から三和音を作ってみますと、
C△ Caug
Em E△ Edim Eaug
G△ Gm Gsus4
というかんじでしょうか。これらを使ってコード進行作って、これは倍音列に基づいた音階だ!ということもできましょう。
これが自然の作る姿であるとしたら、サブドミナントという世界はないんです。
サブドミナントを使う時点で自然に反しているのに、使えるのはなぜですか?
好み?それともシステムが違う?
ここが明確にならない以上、音楽の解釈は「好み」になる、というわけです。
c-e-gをベースに音楽を考えていく、時できる世界はこれです。
でもこれでは現実の音楽と呼応しません。
しいて言うなら「バランスを欠いている」わけです。
下方のバランスです。
でもこのバランス感覚は、機能和声を知ってるから感じるバランス感覚です。
それから逃れることは容易ではありません。
たとえこのマテリアルスケールが神が作ったものだ、としても、甘美なメジャースケールの誘惑を一生封じ込めたまま神の音階だけを使うことはできないでしょう。
みんな周りで自由に欲望を謳歌しているのに、あなただけそれを受けることができない理由は何でしょうか。
ゆえに、不定調性論は、「選択できる自由」を拡張していきます。
機能和声だけだと飽きるし、神の音階だけだと選択の欲望が満たせません。
しかしどちらも自由に使える、となると、一方の理論が一方に当てはまりません。
つまり理論そのものに自在が効くようにプログラムを書き直さなければなりません。
パソコンが外見や使うパソコンのキーボードが同じまま、内部だけアップグレードさせるのに似ています。使い勝手は変わらないまま、処理が速くなったり、自在度が効いたりさせるわけです。
レンジ5になりますと半音より細かくなりますので、不定調性論の基礎論では扱いません。理屈をマスターされた方がレンジ5以降の世界観を好む場合は自在に応用して頂くことができるでしょう。
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なお、
<Cマテリアルスケールの"ダイアトニックコード">
C△ Caug
Em E△ Edim Eaug
G△ Gm Gsus4
<Dマテリアルスケールの"ダイアトニックコード">
D△ Daug
F#m F#△ F#dim F#aug
A△ Am Asus4
などと複数の音階を使うと、メジャースケールの世界観に近づけていくこともできます。
オーギュメントコードというのは、倍音列的な響きの借用、と言えるかもしれませんね。
あとはアイディアで色々屁理屈を作って頂いて音楽構成のインスピレーションになれば良いかな、と思います。