音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

スティービーのコード進行へのチャレンジが始まったアルバム;スティービーワンダーレポート9

2019.5.1⇨2020.3.4更新

スティービー・ワンダーの和声構造

~非視覚的クオリアを活用した作曲技法~

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アルバム11;「For Once in My Life(1968)

事例29For Once in My Life (CDタイム 0:14-) 

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Aメロ

F  Faug |F6  F7 |Gm GmM7 |Gm7 |

Gm GmM7 |Gm7 C7 |F  C7(♭13) |F |

Bメロ

F  |Faug |Dm7 |B♭M7 |

Am7 |Dm7  |Gm7 Am7 |B♭M7  E-E♭-D-G-C7 |

A'メロ

F  Faug |F6  F7 |Gm7 |C7 |

Gm GmM7 |Gm7 C7 |F    |Cm7 E♭/F  |

B'メロ

F  |Faug |Dm7 |G7 |

Am7 |Dm7  |Gm7 C7 |F   E♭-A♭|D♭ C7(♭13)|

F#   E-A |D  C#7(♭13)|〜

=degree=

(key=F)

I  |Iaug |VIm7 |IVM7 |

IIIm7 |VIm7  |IIm7 IIIm7 |IVM7  VII-VII♭-VI-II-V7 |

A'メロ

I  Iaug |I6  I7 |IIm IImM7 |V7 |

IIm IImM7 |IIm7 V7 |I    |Vm7 VII♭/I  |

B'メロ

I  |Iaug |VIm7 |II7 |

IIIm7 |VIm7  |IIm7 V7 |I   VII♭-III♭|VI♭ V7(♭13)|

I#   VII-III |VI  V#7(♭13)|〜(key=F#でA〜B'まで)

クリシェが多用。

・augを用いる和音の五度が上昇するタイプ

・短三和音のルートが下降していくタイプ

が組み合わされています。

この曲はスティービーの作曲の先生であるロン・ミラーの作品。

そう考えると、スティービーのクリシェ好きは先生譲りなのかもしれないですね。

また、この曲では1コーラス目と2コーラス目のコードパターンが異なる歌曲となっています。この作風について思い出すのがユーミンの楽曲構造です。ユーミンもスティービーのことが好きだ、と文献に書かれていたが、作曲技法面でどの程度影響を受けていたのでしょうか。

 

また、A'メロのCm7からE♭/F的な流れでFのままB'メロが進行するのも、いわばミスディレクションであり、ある種の進行感があります。

 

事例30I Wanna Make Her Love Me (CDタイム0:18-)

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D♭ |G♭ |B A♭ G♭  |×4

D♭ |A♭ |E G♭ |D♭ |×4

パターン化されたベースラインの上で、D♭ペンタトニックスケールでラインが自由に作られ、それが展開されていく曲。

ペンタトニックと縦ノリのリズムが日本人にはなじみやすい曲調。

 

事例31I'm More Than Happy (CDタイム 0:01-) 

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Aメロ

B♭ m7 |E♭7 |B♭ m7 |E♭7 |

Bメロ

A♭ |B  C#  A♭ |A♭ |B  C#  A♭ |〜

=degree= センターコードA♭

Aメロ

II m7  |V7 |IIm7 |V7 |

Bメロ

I   |III♭ IV  I |I   |III♭ IV  I |〜

センターコードと表記したのは、楽曲がA♭のメジャーキーのII-VとマイナーキーのIII♭がセクションごとで現れるからです。

不定調性論において楽曲を作る時の起点とする最初のコードのことです。

たとえば、

例)

CM7  |B♭M7 |AM7  |G7  :|

といった進行では、G7-CM7ができるので、Cメジャーキーのように見えますが、B♭M7とAM7は様々な解釈が出来てしまう。

もちろん他のコードを挟んでもOK。これらの進行をつかさどるのは個人の学習・人生経験から得たクオリアだけです。

 

また同一コードの連鎖は、拙論では和声単位による作曲技法といい、自由に連鎖が出来る。

<不定調性論用語/概念紹介56>和声単位作曲技法

 

 

 

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