音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

サブドミナントマイナーは下方倍音列?

2019.1.12⇨2020.8.29更新

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現実の音楽活動では「これは下方倍音だ!」って思わなくても済んでいると思います。

 

たとえば、

基音cにおける下方倍音第8倍音までを列挙すると、

c,c,f,c,a♭,f,d,c

ですが、ここからc,a♭,f,dを組み合わせてDm7(b5)を作ることができます。

 

すると、

Dm7(b5)  G7  C

というようなケーデンスにおけるDm7(b5)は、それがcの下方倍音だとこじつけることもできます。

 

しかし誰もDm7(b5)を「cの下方倍音だ」とは言いません。

通例はDm7(b5)は同主短調CmのIIm7(b5)の借用である、と考えます。

そう教えられてきたからです。

 

でも事実はどちらの主張でもある種の事実を伝えています。

 

下方倍音という名前がそもそも誤解を招くのかもしれません。下方倍音は正確には

基音の振動数値に自然数の逆数を掛けた振動数を持つ音の集合」です。

 

逆に上方倍音は、自然に発生する自然倍音である前に、

基音の振動数値に自然数倍を掛けた振動数を持つ音の集合

つまり数理的な音の集合の概念でもあります。

 

自然発生するかどうか?という視点だけで考えるのがそもそも偏った見方でした。

 

また、同様にDm7(b5)はFmの構成音(c,a♭,f)を含んでいます。

C△  F△  Fm  C△

こうした進行におけるFmも「cの下方倍音だ」とは誰も言いません。

同じように、そのように考える習慣がないからです。

 

実用された下方倍音列の例を挙げるなら、これらのようなわかりやすいFmやDm7(b5)を用いれば良いでしょう。

 

だから実際には、IVm(サブドミナントマイナーコード)を用いている人は下方倍音集合を用いている、とこじつけてもいいんです。あとは個人の方法論の上での選択なので、これが正しい、とか、正当だ、みたいなことを言うつもりはありません。

 

=====

 

しかし何か違和感を覚える人もあろうかと思います。

 

私もそうでした。そもそも人はなぜサブドミナントマイナーコードをメジャーキーで用いて「音楽的だ」と感じられる脳の機能を持っているのか、そもそも「サブドミナントマイナーを気落ち良いと思うのは」どのような脳のカラクリになっているのか?という未解決の問題がいまだに残ります。

 

もし、上手な方法論解説者が「IVmが実は下方倍音の概念の借用である」と宣言できたら、直ちに下方倍音列の存在がいかなるものかを知りたくなると思います。

 

しかしそこは心配いりません。不定調性論でも徹底的に調べました。

和音が"自然発生(倍音の共鳴振動現象)を根拠にする"という「自然倍音列を和音の根拠に用いる」という発想をやめてみてください。

和音自然科学説はラモー派の影響です。

 

そして次のように考えましょう。

全ての和音は数理の組み合わせによって任意に人が作るもの、

こうしておくと楽ですよ。

逆に短三和音をなんとか自然発生論理で考えようとしたり、Fm→Cはなぜ使用可能なのか、音楽的に成り立つのか!を考えと一生掛かると思います。私はある意味半生費やしてしまいました笑。多分愚かでした。

 

倍音列を「数理に基づく音集合」にしてみましょう。

その上で、基音cのときの

上方倍音列のc,e,g

下方倍音列のc,a♭,f

をみてください。

第五倍音までに生成できる音を列挙しています。

 

実は、これをいきなり何の根拠もなくC△、Fmだ、と断定してしまうから話が飛躍してしまうのです。

このコードネーム化を容認するには、調の理屈に基づいたジャズ理論を全て説明した上で用いる必要があります。その正否を確認せずいきなり「c,a♭,fだからFmだ」と短三和音を認めてしまっているからです。この倍音の数理の上では、メジャーコードもマイナーコードも出ていません。正確には無数の音が混じって鳴っていて、音色を作っている、と言うことはできても「和音ができている」とは言えません。ちょっと都合良すぎます。

 

なんの前提もなく、基音cが中心ではなくなって五度に当たる(ここではf)が中心となる(なぜ五度が中心なの??が不明)短三和音をいきなり用いる理由が説明ができていないからです。

 

短三和音が用いられたのは、人の組み合わせ能力によるバリエーションによって可能になりました。

だから、まず素材を全て提示して、あなたがどう音を組み合わせて和音を作る方法論を持つのか?を決める必要があるわけです。

そこを省いて「ジャズ理論に則って、皆が聴き馴染んだ音楽を作る」でももちろん構いません。ジャズ理論は洗練されたシステムです。

 

拙論の場合は、自分の歪んだ和音嗜好とジャズ理論と対極にある位置付けを作りたかったので「上方/下方和音構築法」という考え方のワンステップを創りました。

 

不定調性論では、いきなり汎用のコード表記概念にたどり着く前に、

c,e,g=Cu5(シーユーファイブ)

c,a♭,f=Cl5(シーエルファイブ)

と理解する段階を設けました(u=upper、l=lower)。

 

この集合そのものは基音cの数理から生まれたものですから、Cを基準に命名します。

この段階ではまだ機能和声論も音楽も関係ありません。これはあくまでピックアップした音集合に名前をつけただけです。

 

そして次に上方(下方)和音構築法、という考え方で可能な限りの組み合わせを考えます。根音も中心音も人が設定するもの、としました。

だからc,e,gが「実音になったら」どの音も中心音にでき、中心音にできます。比率として1になるのはcですが、音楽的な根音は、

Cu5/C=C△

Cu5/E=C/E

Cu5/G=C/G

もあり得るとします。同様に

Cl5/C=Fm/CとかCsus4(b13)omit5等

Cl5/A♭=A♭6omit5?

Cl5/f=Fm

と言うように可能性として短三和音が現れるにすぎません。

古典音楽では不協和な和音は好まれませんでしたので、長三和音と短三和音が目立ちましたが、現代では多少の不協和音でも音楽を作れるので、逆にこのように可能性を列挙できて、組み合わせも自由になる、と言う方法論の方が現実的であると言えないでしょうか。

 

もちろん通例初心者が学習するのに原稿の音楽理論は便利ですからそんまま学習していただければ幸いです。その時「短三和音てどこから来たの?」と言う話になった時、上記のような組み合わせ論的解説ができれば、オカルト自然倍音論を用いなくても済むと思います。

 

これらの思考ステップにご興味のある方は下記をご覧いただければ嬉しいです。

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