音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

(不定調性論2019)下方倍音列の実用性とは?~数理親和音モデルの拡大(part1)★★★★★

www.terrax.site

 

ネガティブハーモニーの発想が二元論的世界を可能にする

和声二元論が成り立たない、と下記記事で述べてから、

第9回 「和声二元論が成り立たない理由」音楽のクオリア~不定調性論の挑戦~ - 音楽理論って楽しい - 日本初の音楽理論Webマガジン「サークル」

ネガティブハーモニー的な音世界は二元論的といえるのではないか、と考えるようになりました。その後、下方倍音の世界を実用的に用いる、という意味について丁寧に書かなければならなかったのを書いていませんでした。

 

現実には「これは下方倍音だ!」って思わなくても音楽活動が済んでいるので、実用も何も「必要ない」というのはこれまで周知のとおりでした。

押さえておくべきは、下方倍音列、という音列が単体で存在するわけではなく、数理的な周波数の数集合の1つとして想定することができる存在である、とすることです。

たとえば、

基音cにおける下方倍音第8倍音までを列挙すると、

c,c,f,c,a♭,f,d,c

ですが、ここからDm7(b5)の集合音を作ることができます。

 

すると、

Dm7(b5)  G7  C

というようなケーデンスにおけるDm7(b5)は、それがcの下方倍音だから、この溶暗進行でCに解決できる理屈なのだ、といかにもそれっぽくこじつけることができます(80年代までなら信じてもらえたかも)。

しかし誰もDm7(b5)を「cの下方倍音だ」とは言いません。通例はDm7(b5)は同主短調CmのIIm7(b5)の借用である、と考えます。そう教えられてきたからです。でも事実はどちらの主張も正しいんです。

下方倍音という名前がそもそも誤解を招くのかもしれません。

「基音の振動数値に自然数の逆数を掛けた振動数を持つ音の集合」です。

逆に上方倍音は、

「基音の振動数値に自然数倍を掛けた振動数を持つ音の集合」

「倍数音」なんですね。実際確かに楽器の音色にはこれらの音が様々な割合で含まれるわけですが、和音の根拠というより音色の根拠として考える方が実用的です。

 

また、同様にDm7(b5)はFmを含んでいます。

当然、

C△  F△  Fm  C△

は基音fから生じるFの和音から、基音がcになるFmに移って行くからスムーズにC△に解決する、と解釈もできます。

しかしこのFmも「cの下方倍音だ」とは誰も言いません。

そのように考える習慣がないからです。

=====

 この段階で、「サブドミナントマイナー終止こそ下方倍音の実用だ」と言ってしまえばこれでこの話は終りなのですが、「そーかなー???」と感じるのが、機能和声を刷り込まれた脳、というものです。

 

また、c,c,f,c,a♭,f,d,cここからFmを引っ張ってきても、基音がcだけどFmでいいの??Csus4#5じゃないの?

という有名な(?)問題があります。

なんとか基音cからCmを作ろうと躍起になった過去もあります。

 

ここでは不定調性論的に述べます。和音の生成は自然発生で作るものではなく、

和音は数理の組み合わせで任意に人が作るもの、

とします。

すると、基音cのとき、上方列に出てくるc,e,g、下方列に出てくるc,a♭,fを用いると決めたとします。

これをいきなりC△、Fmと同等だ、としてしまうから話が飛躍してしまいます。これらの表記と概念を認めた時点で、機能和声論の理屈を認めてしまっています。

Fmは自然界に存在していません。それなのにここでc,a♭fをFmとしてしまうといきなり基音が五度である短三和音が出現してしまいます。

 

そこで不定調性論では、そのまえに1ステップ置きます。

c,e,g=Cu5(ユーファイブ)

c,a♭,f=Cl5(エルファイブ)

と一度呼ぶわけです。u=upper、l=lowerです。

 

いったん音楽理論に属さない独立した概念を作り、あとはお好きな理論の方向に持っていけばいいんです。自然の状態で現れる状態を一旦分けて考える、ということです。ここまでは数学的な真実ですから、あとは人の解釈になります。

 

二元論的には、Cu5はCl5に代替できる、とする考え方であろうかと思います。

これについては昨今ネガティブハーモニーがポピュラーになったので、まさにこれが該当する、と感じました。とても分かりやすいです。全く裏の和音構築法が出来て、それは表と全く無関係な音楽的秩序で成り立つからです。しかしあまりに作曲者の意図を越えて雰囲気が変わってしまうので実用的ではありません。モーツァルトの楽譜をひっくり返して弾いて「これは元の曲と同等なものであり、モーツァルトもそれを認めるだろう」と宣言するようなものです。和音を代理してポピュラーアレンジにして「これはポピュラーアレンジされたトルコ行進曲です」ならまだニーズがあるんです。現代では。その程度で止まっています。だからこうした表裏体系での二元論はまだ部分的な奇抜な代理手段として以外はぴんと来ないでしょう。

 

ネガハモはC△をCmに入れ替えるシステムですが、倍音列の上下の数理でいえばC△をFmに入れ替える仕組みである、といえます。これはネガハモが四度下のVの下方音を活用するように巧みに仕組まれているからです。基本的には下方倍音と変わりません。 

 

C△をCmに代理したら、全く違う曲になります。一般的には「代理できない」です。

でも「違う曲にしちゃうのを楽しむ」ということをネガティブハーモニーは確立してしまったんです。むちゃくちゃです。ジャイアンの論理。

 

これをみたとき、あ、二元論的になった‥。なんて思ったものです。

使用音は上下を行き来するので厳密にはやはり二元は分離できず混合されてしまいますが、全く形が変わってもいいなら、それが二元論的な世界、ということができます。

まだまだ知らない概念というのはあるものだなぁ、と思いました。

 

ではついでに「超ネガティブハーモニー代理表」というのを作ってみましょう。

 

上下の倍音を代理素材にする、という発想です。

ネガティブハーモニーは上下の代替が可能でした。それを16倍音までで踏襲すると、

f:id:terraxart:20190112134433p:plain

 こうなり、これをまとめると、

f:id:terraxart:20190112173920p:plain

こういう対応表ができます。d#とaだけがないので、その対応を別途作ります。

ネガティブハーモニーがありなら、この倍音列対応もありでしょう。

特徴はc,f#はおんなじ、d#とaの扱いの解釈でも流派が出来そうです。

 

これをクロマチックにすると、ミラーハーモニーになります。

f:id:terraxart:20190112174513p:plain

このように、元の音楽を全く変えてしまっても良い、という発想を良しとするならば、様々な音の対応が出来る、という事については以前のネガティブハーモニーの所でも書きました。

www.terrax.site

 

しかし、これは「下方倍音列を実用化した」とはいいがたいです。

本当に求めたいのは、「交換」「写像」によって偶然的に生まれる音楽の響きに驚嘆したいのではなく、下方倍音列をそのまんま通例の音楽に使うことで新たなるかつ代理性に近いニュアンスを得ることです。

と考えるのがまずは「実用的な出発点」でしょう。

 

それゆえにFmやDm7(b5)は下方倍音ではないか?

と考えてみることが最も身近なわけです。

でもそれは認めがたい・・・というほど機能和声論の中に「借用和音」の概念で下方倍音の構成音がなじんでいる、ということが言えます。

数理を良くご覧ください。サブドミナントマイナーを用いている人で下方倍音集合を用いていない人はいないんです。解釈の上ではね。

 

次に倍音列関係全体を見ながら、こうした借用和音の拡大された姿を眺めることで、借用和音と下方倍音集合との関係について考えてみましょう。

www.terrax.site

 

==========

当ブログの一般楽理関連記事目次はこちら

www.terrax.site

==コーヒーブレイク〜M-Bankのロビーの話題から== 

ガサガサ探す習慣が減ってなぜか頭の中も整理されるようになった!

 https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81DRu0n7CNL._UL1500_.jpg
 【SIMPS】リュックインバッグ バックインバッグ インナーバッグ 16ポケット 14ポケット 3種類 アーチ型 四角型 小物収納 A4 B4 B5 縦型 大容量 整理 調節可能 メンズ レディース 軽量 背面ハンドル付き (四角型)