2018.3.2→2020.4.7更新
歌詞については掲載しておりませんので
https://www.uta-net.com/artist/2750/
こちら等にて確認ください。
忘れないでね
このエンディングのBbM7/Cが続く感じ、「ひこうき雲」とかのエンディングで使われたオンコードによる陽炎のような終わり方です。
これをみると「死」や「ある種の終わり」を感じてしまいます。ユーミン歌詞を読みすぎでしょうか。
この曲調やユーミンの歌い方から、
「え?この子(娘)、生きてるんだろうか」
なんて思ったりしてしまいます。不思議な歌です。
キーはEb、
Bbm7 |Eb7 |Cm7 |Fm7 |
G7 |C7 |Fm7 |Fm7/Bb |G/Bb |
これは不定調性進行と言って良いと思います。
Vm7はじまり。意図的ですね。かろうじてG7がIII7的に響きます。
ずっとオンコード連発で、「足が地に着いていない感じ」が連発していきます。
この世で地に足がついてない存在と言えば、幽霊だけ(笑)。あ、あの世か。
こうしたコンセプトソングは、これまでの作品を知れば知るほど、にんまりとしてしまう、ユーミン独特の「終わり」を訴えたげな曲です。
G/Bbも、この世のものではないかんじ。
幽霊の女の子の歌だと、仮に想像すると、この不思議さ、この未練がましい訴えが、コード進行の感じとフィットして、また勝手な自分のユーミン観とフィットして、勝手に納得するわけです。
題名「忘れないでね」って言うのが気になります。
相手に恋人がいるのを知ってて、好きになって、追いかけても先に進めない関係において、「忘れないでね」って問いかけがとても怖いですよね。
明日会う、のを忘れないでね、という意味なのでしょうか。
でもこれがこの世の女性でないとしたら。。。
実験的な作風だと感じました。
ランチタイムが終わる頃
Bメロ(アルバム収録タイム 0:58-)
Em7(♭5) |FM7 |E7 |Am |
Gm7 C7 |FM7 |B7 |E7sus4 |→FM7
=degree=
Bメロ(key=Am)
Vm7(♭5) |VI♭M7 |V7 |Im |
VII♭m7 III7 |VI♭M7 |II7 |V7sus4 |→VI♭M7
最初Em7(♭5)→FM7→E7という変化の色彩感が絶妙。
Bメロに得意のFM7→B7という根音増四度進行です。
E7に向けて脈絡を作っています。
昔の彼に会うのなら
イントロ(アルバム収録タイム 0:00-)
C/D |B/C# C/D C#/D# C/D B/C# |
C/D |B/C# C/D C#/D# C/D B/C# |
A#/C |A/B A#/C B/C# A#/C A/B |
A#/C |A#/C B/C# C/D |
Aメロ
Dm7 |G |Em7 |A7(♭9) |
Dm7 |Fm7 |Dm7/G |~
=degree=
Aメロ
(key=C)
IIm7 |V |IIIm7 |VI7(♭9) |
IIm7 |IVm7 |IIm7/V |~
イントロの分数コード(I/II)による回遊コードは一聴の価値。
AメロではDm7→Fm7という短三度移動。
この辺りのサウンドも真似て活用してみてください。
たとえばCメジャー/Cマイナーキーを組み合わせたとき、短三度の移動は、下記のようなバリエーションができます。
(マイナー)Cm7→E♭m7
(メジャー)Dm7→Fm7
(メジャー)Em7→Gm7
(マイナー)Fm7→A♭m7
(マイナー)Gm7→B♭m7
(メジャー)Am7→Cm7
CメジャーキーまたはCマイナーキーを行き来するような曲で上記左のようなコードが出て来たら、思い切って短三度上げてみると、文脈に応じて様々な色合いが出ます。
お試しあれ!
次の記事