前回
歌詞については掲載しておりませんのでこちらをご参考ください。
https://www.uta-net.com/artist/2750/
この記事はユーミン楽曲のコード進行について書いている記事です。
ユーミンソングの魅力は昭和、平成を生き延びたそのアーティストチームが醸し出す独特の結晶感です。ご興味を持たれたらぜひCDを開いていただき、ライブに足を運んでください。答えはそこにずっとあります。
残り火
映画『真田十勇士』主題歌。
残火 / 松任谷由実 ギターコード/ウクレレコード/ピアノコード - U-フレット
2:54ギターソロの最後、
Bbm C G7と流れて、歌に戻るとDb Eb Fmと流れます。
G7⇨Dbの増四度の動きが緊張感を作ります。
ギターソロは
Bbm C FmとIVm V Imと進んでいたのに、最後でII7にいく、というのが面白いです。
これって
Bbm C7 |G7 |C7 |Db Eb |Fm |
と流れると普通になっちゃうんですよね。このC7挟みたくなるじゃないですか。
でも挟まない。この省略法は、もうあの「ひこうき雲」Vm7からの伝統なので、伝家の宝刀です。知らないと納得できない作曲家の癖です。このコード聞いて結婚しようと思ったっていう松任谷正隆さんのホントか嘘かわからない伝説が有名です。
この曲最後に「いつか」と囁き声で締めくくってるんですが、これがizotopeのボーカルシンセっぽい音だなあ、なんて感じます。
「星になったふたり」でもizotopeのヴォーカルシンセっぽいサウンドコンセプトを感じます。
Sillage〜シアージュ
"すれ違うジェット機のロザリオ"
ちょっとかっこよすぎる笑。ひこうき雲が十字になってロザリオのようになっている様。解釈する必要がない意味がそこにありますね。
あなたに会う旅
"時はただ先へ進んでいく 忘れることも忘れて"
月までひとっ飛び
これはあれですね・・。その名の通り、Fky me to the moonであり、フレーズ感は「Lullaby of Birdland」です。
https://www.youtube.com/watch?v=x8cFdZyWOOs
振れ幅広すぎて子供はついていけません。
私の中の地図
伝家の宝刀、エッセイソングです。
コード進行についても教科書のような曲です。
GREY
最後の曲はなんとセルフカバー、とのこと。
まさか渾身のオリジナル新曲バラードが来ると思ったのですが。
ムムム、、これは。。まだまだ作り続ける、という新たな決意ではないだろうか。
まるで次の自分にバトンを渡すかのような雰囲気です。
きっと次のアルバムは、違う角度からのチャレンジをして来る予感バリバリしますね。
このアルバムが2016年です。時代は益々混迷を極め、アートをすること自体が難しくなっています。しかしユーミン、というアーティストは、三つの時代を乗り越えて作品を残してきました。様々な国難を超えて最後に残ったのはやっぱりユーミンの作品です。
いいこと悪いことすべて浄化して、作品を残したものがその作品から答えを受け取れるのだと思います。
迷子になった我々を救う力のあるアーティストです。
別にそこに頼ったりはしないのだけど、その大きなプレッシャーをどうやってこれまで乗り越えてきたのか、これからどう生きればいいのか、ますますその言葉に耳を傾けたくなるアーティストではないでしょうか??
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