音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

8.ユーミン楽曲からの発展技法と不定調性論3 (ユーミンレポート公開シリーズ)23

2019.8.6⇨2020.5.27更新

日本人の心の情景を変えたシンガーソングライター(改訂版)―研究レポート;ユーミン楽曲の和声分析と音楽的クオリアが紡ぐ作曲の手法―

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それぞれの楽曲レポートは旧ページで更新をしています。アルバム目次ページからリンクしてみてください。 ユーミン楽曲はこちらからopen.spotify.comopen.spotify.com

 

 

用例;

イントロ

CM7  |A♭m7(#5) |CM7  |A♭m7(#5) |

Aメロ

Gm7 |Am7  |Gm7 A7 |Dm7 |

Gm7 |Am7  |B♭M7 Am7 |Dm7 |

Bメロ

Cm7 F7|Em7  |Cm7 Dm7 |B7 E7 |

サビ

AM7 |DM7 |Dm7 Em7 |AM7 |

AM7 |CM7 |Cm7  |GM7 |

間奏 A7sus4 |A7sus4(フェルマータ) |→Aメロ

音はこちら。

rechord.cc

これまで121の事例を見てきた方は、きっとそれぞれのコード進行ににんまりしながら、その音楽的脈絡を頭に描くことができるはず。

 

各和声進行に音楽的脈絡を作りながら、自分の頭の中のストーリー展開に説得力を持たせるためには、この作品を書くどこかの時点で、歌詞や、全体で何が言いたいのか、というストーリーを探れていなければなりません。

ときには作っていくうちに、コードの響きがその音楽的脈絡に添わなくなってくる場合も出てきます。

そこでもくじけず柔軟に変更を加え自身の感じる音楽的脈絡を紡いでください。

 

===== 

次に下記の進行を見てください。

例;

:C   |G  |Am7   |F  |

C   |G  |F   |G  :|

https://rechord.cc/J7vRxPMMP_A(音源)

オーソドックスなポピュラーミュージックのコード進行です。

ここで述べたいのは、独自性の追求をコードネームシステムが阻害してくる側面がある、ということです。

コードネームシステムが「当たり前の進行だよ」というようにささやきかけてくるのはあくまで記号上の類似性の問題であり、それはコードネームシステムがそういう分類性があるからというだけです。

スリーコードで素晴らしい曲が生まれなくなったことはまだ一度もありません。

 

ex2-1

:C   |Gm7  |Am7   |Fm7  |

C   |G  |Fm7   |Gm7 :|

https://rechord.cc/CGRk27ssFBs(音源)

例;を変更したものです。

これはユーミン技法でもおなじみの展開!

同主調のダイアトニックコードの併用。

 

ex2-2

:C   |Gsus4/B  |AmM7(11)   |FM7  |

C6M7   |GM7  |FM7   |G7(13)/E  :|

https://rechord.cc/CGRk27ssFBs(音源)

少しおかしな響きも混じって。

 

ex2-3

:C   |G/C  |G/A   |F/A  |

C   |G/D  |F/E   |G/D  :|

https://rechord.cc/8Stlphm-1nQ(音源)

これは分数コードによる脈絡作りの練習!

 

 

ex2-4

:C/D   |G/E♭  |G/D   |F/D♭  |

CM7   |G/D♭  |F/D   |G/E♭  :|

https://rechord.cc/LDf0Jac5m4Y(音源)

そしてその感覚をそのまま拡張。

くぐもったサウンドがメロディを沈殿させる効果を感じました。

 

 

ex2-5

:Cdim7 C |Gdim7 G |G#dim7 Am7 | Gdim7 FM7  |

C  Adim7 |G  |F   B♭dim7|G  G7:|

https://rechord.cc/4aBPwf56p08(音源)

これは各種ディミニッシュコードを添えて、色合いを変えてしまったもの。

 

ex2-6

:C  C#m7(♭5) |G6/D  |Am7/D  D7(9) |F/G  |

C/A♭ C/G |G/F#  G/F|FM7(#11)/A   |G7(♭5)(9,13)  :|

https://rechord.cc/LwHNKPm0QjM(音源)

さらに、自由な脈絡で。

和音がどのように連鎖をしても、そこに風景ができるのなら、あとは心の奥底に埋まっている言語を超えた生命の感覚を該当させ果敢に作って表現して観てください。

この最後のコードはいわゆるスクリャービンの神秘和音(G7(♭5)(9,13))

 

皆様各位の音楽活動の中でアルバム、ミニアルバムを発表される折りには、一曲でも良いので、音楽表現の多様性にチャレンジした曲を封入してください。歴史に残るのはそっちかも!

 

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