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音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

8.ユーミン楽曲からの発展技法と不定調性論3 (ユーミンレポート公開シリーズ)22

2019.7.30⇨2020.5.27更新

日本人の心の情景を変えたシンガーソングライター(改訂版)―研究レポート;ユーミン楽曲の和声分析と音楽的クオリアが紡ぐ作曲の手法―

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それぞれの楽曲レポートは旧ページで更新をしています。アルバム目次ページからリンクしてみてください。 ユーミン楽曲はこちらからopen.spotify.comopen.spotify.com

和音の流れの一つ一つに、みなさん一人ひとり異なるそれぞれの風情を感じるでしょう。きっと一人一人の人生経験が違うからだと思います。

 

CM7のサウンドを聴いたとき、どこかで聞いたような風説ではなく、あなた自身が感じることあなたにしか理解できないニュアンスがあると思います。でもそれって、言葉にするの恥ずかしいですよね。あの部活の終わりころの彼女の紅くなった頰、、とかあまり言いたくない笑。

 

そこまでディープじゃなくても、最初は、

CM7は数字の8だ、とか

いや真っ白の世界だ、とか

いや、このサウンドはタレントの○○○○だ、とか

いや、CM7は16ビートだ、

みたいなことでも表現できると思います。

 

とにかく自分ならわかるニュアンスを正直に当て込みましょう。

時には日本語として矛盾する文章感を持っていたりします。

「彼女が存在しない世界の穏やかな思い出」

とか。もし大好きな彼女が存在しなかった世界があったら、この夕暮れはきっと悩むことなく観れたんだろうな、的な。

 

文脈、というのは人工物でです。でもあなたのイメージは宇宙が作った「脳」から送られてくる、言語のレベルを超えた情報です。文法ごときに従う必要はありません。

 

まず、ご自身の感覚のフィルターを自覚して「脈絡」=あなたの音楽理論を意識してください。

 

==== 

では、次のコード進行に、言語的イメージを添えてみてください。

ヴォイシングは自由で!

 

ex1;CM7  |DM7(9) |

ex2;CM7  |A♭m7(#5) |

ex3;CM7  |D♭/E♭ |

ex4;CM7  |B/D♭|

ex5;CM7  |Fsus4/D♭ |

ex6;CM7  |Em(♭9) |

 

<用例解説>

ex1;CM7  |DM7(9) | CM7  |DM7(9) |~

例えばeをトップ音にして二つの和音を並べます。

私は「春がきて、暖かい季節が過ぎて」というようなテンポの良い時間経過のような印象をこの進行の展開に持つことができました。私はね。

ちなみに、今アコースティックギターを抱えて、考えています。

 

ex2;CM7  |A♭m7(#5) | CM7  |A♭m7(#5) |

「静かな午後、急にひんやりとした風が抜ける、君はいつ帰るだろうか」という印象。このA♭m7(#5)は、CM7のルートをAに移行して、gを半音上行させてできるコード。

 

ex3;CM7  |D♭/E♭ | CM7  |D♭/E♭ |

「さあ、外に出ようか、あれ、何だろう、この感覚は、今日は誰かが私に何かをもたらしてくれるかも」という文節感を思いました。

短三度のベースの跳躍に意外性のような、それまで歩いていた歩みがフッとポジティブな気付きに立ち止まるような、そんな意識の飛躍感覚を受けました。

 

ex4;CM7  |B/D♭| CM7  |B/D♭|

「無印象」→「無表情」→「ガラスの微笑み」→「あれから、心が笑ってくれない、君にあんなことを言ってしまったのは、二人で買ったこの曇ったガラス窓のせいかもしれない」とかとしてみました。

イメージの涌かないコードでした。今日は。

そういう進行でも学習じは、どんな印象を添えればよいか、を拡張して研ぎ澄ませてみてください。

   

ex5;CM7  |Fsus4/D♭ |

「遠くで僕の幼い頃の呼び名を呼ぶ声がする 風の悪戯か、そろそろ潮時なのか」

というイメージを感じました。

Fsus4/D♭というのはF#M7(♭5)/D♭。

これも弾き慣れていくと、自然になってしまうので慣れる前に印象を当て込んで行くのが不定調性進行確率の秘訣です。それに限らずかも。1曲をひと月かけている飽きてしまったりします。個人差あります。

 

ex6;CM7  |Em(♭9) |

「ちくちく心が傷む それは放っておいてずっと眺めていたい美しい傷跡だ」という感覚に落ち着きました。

この響きは、ギターで作ると美しいです。

♭9をトップよりも内声に配置することで、「傷跡感」「うずく感じ」が増します。

コードネームにした時「異質なコードの感じ」がすぐ分かる、というのがコードネームシステムの素晴らしい点だ。

 

 

これらの和声の印象を、繰り返すことで、コードが呼ぶメロディがあり、メロディが呼ぶ言葉があります。

これを必死に探す、というのがユーミン氏が公言し、開発してきた作曲技法の応用とすることができます。

 

たとえば、ex2を用いて、

CM7  |A♭m7(#5) |CM7  |A♭m7(#5) |

というイントロで楽曲が始まったらどうだろう。これらの流れが持つ音楽的脈絡を感じ取りながら、全体をイメージして先を簡単に作ってみよう。

 

(続く)

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