音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

同じメロディラインに異なるコード進行を当てる~ユーミン歌詞・コード考65

ユーミンの不定調性コード進行研究

ユーミン歌詞・コード考 / アルバム「A GIRL IN SUMMER」2

 

歌詞については掲載しておりませんので

www.uta-net.com

こちら等にて確認ください。

 

 


Many is the time

(ユーミンレポートより)

Aメロ~(アルバム収録タイム 0:25-)
Dm7 Dm7/C |B♭M7 |Am7 Dm7 G |B♭M7 A7 |
Dm7 Dm7/C |G B♭M7 |Am7 Dm7 G |B♭M7 A7 |
Bメロ
Dm7 A7/C# |C G/B |B♭M7 A7 |Am7 Dm7 |
Gm7 A7 |Dm7 Dm7/C |B♭M7 A7 |Am7 D7 |
サビ
Gm7 C7 |FM7 B♭M7 |Gm7 A7 |Dm7 |
この曲では「同じようなメロディに異なるコードを乗せる」という、ここ何枚かのアルバムで始まった新たな技法が繊細に使われている。

特にBメロでは、まったく同じメロディに違うコード進行が当てはめられ、その技法が確実に意味を持っているように感じた。

 

虹の下のどしゃ降りで

ポップな曲調ですが、結構不定調性しています。

Aメロは
Eb/F |% |Bb/F |% |
Eb/F |% |Em7 |
Bm7 |E7 | Bm7 |E7 |
Am7 |D7 |Dm7/G |% |~

こんな感じで分数コードとII-Vの組み合わせで自在に展開する「中央フリーウエイ」法。コード感とストーリー感をマッチさせるメロディ作りのテクニックが必要です。

 

Escape

(ユーミンレポートより)

Aメロ(アルバム収録タイム 0:39-)
A♭ |G7 |C7 |C7 |
F7 |F7 |G7sus4 |G7 |~
この和声の流れだけでいうとキーはCmになるように思われるが、C7=I7やF7=IV7などが調への帰着を回避している。ビートルズの作品にもこうした7thコードによる作品があったが、そのどれとも違う、よりジャズ的な和声感を持たせた展開によって、ユーミン的ブルースサウンドが形成されている。

 

ユーミンのブルースサウンドは、7thコードそのものが持つ質感の拡張であり、ブルースというよりもパープル、ライトグリーンなども混ざったような「グラデーションブルース」であり、ビートルズが拡張したロック的ブルースを、さらにユーミンはポップサウンドの中に溶け込ませ、他のコードと同様にブルース7thもポップサウンドに並行して用いることができることを教えてくれる。


これは「ブルースセブンス」がもともとブルースのものなのではなく、ただの属七の和音であり、それはM7やm7と同じ質感を持ったコードであり、たとえ7thを連鎖させたとしても、ロックだから、ブルースになる必要はない、というようなことをここから学ぶことはできないだろうか。ユーミン色の出た7thカラーだと感じる。
つまり、
C7 |F7 |C7 |C7 |
と流れたとき、ブルースだと感じないで演奏をした新しい演奏もできるのではないだろうか。

 

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Forgiveness

エッセイソング。

Forgiveness - YouTube

この曲での印象的なコードがあります。Aメロ~とってみると、
EM7 F#m/E |EM7 B/D#|C#m7 C#m7/B |F#/Bb F#m/A |
E/G# D#7(b9) |G#m7 C#7 |F#m7 F#m7/B |

EM7 F#m/E |EM7 B/D#|C#m7 C#m7/B |F#/Bb F#m/A |
E/G# Em/G |CM7 B7 |Em7 Em7/D |F#m7 B7 |
これも不定調性的に、ヴォイシングを動かしながら作ることができます。

キーはEなのですが、上記二段目にE/G#-Em/Gと言う流れがあるのですが、ここがなんともけだるい感じでの落差があり絶妙に思いますが、いかがでしょう。

若干上段と違う動きをするんですよね。
ここはベースラインが落ちていくので、それを活用しているわけです。


ここではトニックであるEがいきなりEmになるのですが、これだけ調が動いていると、E/G#がトニックコードに感じられません。ゆえに、主和音のはずなのに、サブドミナントみたいに響き、その効果を利用して、Em(本来主調転調)になる激しいコード変化の雰囲気が、不定調性的な異空間で押さえられ、何やらつまづいたようなけだるい展開になっています。何書いているか分かりませんね、、、。

F#/Bb→F#m/Aで完全に調が分からなくなってるその隙を付いて、かつ続くCM7のセカンダリードミナントとしても使っているというものです。

 

ついてゆくわ

この曲もコードがセクションで違う!!
って何を言っているか、と言うと、一応コードがサイトに出ていたので、まずはご覧下さい。

http://gakufu.gakki.me/m/?p=DT05905&k=m5


キーをCにしてあります。

ちょとアルバムバージョンと歌詞が違うのですが、
C C/E F Dm7
と流れる一行目と、
Am Am/G F C/E
と流れる所はメロディが同じです。

他のサイトでは同じになっているものもあるようですが、音源を良く聴いてみて下さい。
最初は明るく、次は陰りを帯びる、同じメロディが一人の存在のように、陽の光を浴びたり、影に入ったりするような感じです。

 

 A GIRL IN SUMMER