2018.3.3→2020.4.8更新
歌詞については掲載しておりませんので
https://www.uta-net.com/artist/2750/
こちら等にて確認ください。
REINCARNATION
ユーミン版「君の名は」ですね。新しい脚本のヒントが過去の歌の中にある、というのは真実だと思います。
事例48;REINCARNATION
Aメロ(アルバム収録タイム 1:43-)
A |A |D7sus4 |D7 |
A |A |D7sus4 |D7 |F#m |G/D D/E |
=degree=
(key=A)
I |I |IV7sus4 |IV7 |
I |I |IV7sus4 |IV7 |VIm |VII♭/IV IV/V |
この曲でもIV7sus4が登場。
主音からみたm7th音がメロディとな理、フレーズ全体がブルージーに響いている印象。7sus4が7ヘ流れる既視感(既聴感)がしっかり説得力を作ってくれます。
またこの雰囲気はユーミンブランドである淡い空気感ともマッチしていて「ユーミンの淡いブルース」とも云える発明がされている、と感じる人もあるかもしれません。
オールマイティー
open.spotify.comAメロ(アルバム収録タイム 0:28-)
B7 |Bm7(♭5) |A |A |
=degree=(key=A)
II7 |IIm7(♭5) |I |I |
機能で考えると、ドッペルドミナント→サブドミナントマイナー→トニックという流れです。
楽曲の流れる印象には「説得力を持って進行する文章感」があり、音楽的文脈が成り立っています。
Aメロの頭でこうした進行を持ってくる辺りが"これをやろう"という意気込みを感じます。
NIGHT WALKER
「ペイヴメント」とは「歩道」。
歌詞の中で使われるこうしたカタカナ言葉ってすごくサイバーな感じ、というか、アーバンな感じというか、SFな感じと言いますか、とにかくそうした意味合いを持つように思います。
「ペイヴメント」というと、人が触れられる何かではない、汚れていない存在のように聞こえますね。
たとえば、「青い鉛筆」を「青いペンシル」と書くと、少し浄化されたような印象を与えませんか?
星空の誘惑
『オレンヂのトンネルの中は
横顔がネガのようだわ」
ネガって言うのは、下地であり、写真そのものではない、写真にするとすべてが浮き彫りになるけど、ネガの状態って特に魅力も価値もないような状態。ネガティブにもつながります。
幸福がつかみ取れた時代、不幸が美しかった時代、といったらちょっと言い過ぎかもしれません。
川景色
Aメロ~(アルバム収録タイム 0:33-)
F Dm7 |Gm7 C7 |Am7 Dm7 |Gm7 C7 |
Am7 Dm7 |Gm7 C7 |A7 |A7 |
Bメロ
Am7 |Dm7 |Am7 |Dm7 |
Gm7 |Gm7 |Am7 |B♭M7 C7 |~
=degree=
(key=F)
Aメロ~
I VIm7 |IIm7 V7 |IIIm7 VIm7 |IIm7 V7 |
IIIm7 VIm7 |IIm7 V7 |III7 |III7 |
Bメロ
IIIm7 |VIm7 |IIIm7 |VIm7 |
IIm7 |IIm7 |IIIm7 |IVM7 V7 |~
AメロのIII7→BメロIIIm7へという変化があります。
III7は平行短調のVIm7に結びつく機能を持つコードですが、ここではわざわざその緊張感を解放して、IIIm7に戻す、という雰囲気でBメロに流れています。
これにより思っていもいない進行感が作られ、一種の転調感が生まれます。
奇抜なコードでしか奇抜な進行感は生まれない、という先入観を打ち破ってくれる事例ですね。
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