音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

m7の短三度移動テクニック ~ユーミン歌詞・コード考32

ユーミンの不定調性コード進行研究

ユーミン歌詞・コード考 / アルバム「PEARL PIERCE」1

 

以前まとめたブログ記事を現在の不定調性考を用いてリライトいきます。レポートの語調が"である調"なので一部引用部分の表現はご容赦くださいませ。

各種レポートはM-Bankにお問い合わせいただければPDF似て無償で配布しております。宜しくお願い致します(日本音楽理論研究会にて発表も行いました)。

 

4.忘れないでね

 

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このエンディングのBbM7/Cが続く感じ、「ひこうき雲」とかのエンディングで使われたオンコードによる陽炎のような終わり方です。


これをみると「死」や「ある種の終わり」を感じてしまいます。ユーミン歌詞を読みすぎでしょうか。

 

この曲調やユーミンの歌い方から、

「え?この子(娘)、生きてるんだろうか」

なんて思ったり。不思議な歌です。

 

キーはEb、
Bbm7 |Eb7 |Cm7 |Fm7 |
G7 |C7 |Fm7 |Fm7/Bb |G/Bb |
これは不定調性進行と言って良いと思います。


Vm7はじまり。意図的ですね。かろうじてG7がIII7的に響きます。

 

ずっとオンコード連発で、「足が地に着いていない感じ」が連発していきます。
この世で地に足がついてない存在と言えば、幽霊だけ(笑)。あ、あの世か。

 

こうしたコンセプトソングは、これまでの作品を知れば知るほど、にんまりとしてしまう、ユーミン独特の「終わり」を訴えたげな曲です。

 

G/Bbも、この世のものではないかんじ。

 

幽霊の女の子の歌だと、仮に想像すると、この不思議さ、この未練がましい訴えが、コード進行の感じとフィットして、また勝手な自分のユーミン観とフィットして、勝手に納得するわけです。

 

題名「忘れないでね」って言うのが気になります。

相手に恋人がいるのを知ってて、好きになって、追いかけても先に進めない関係において、「忘れないでね」って問いかけがとても怖いですよね。
明日会う、のを忘れないでね、という意味なのでしょうか。
でもこれがこの世の女性でないとしたら。。。

実験的な作風だと感じました。

 

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ランチタイムが終わる頃
(ユーミンレポートより)
Bメロ(アルバム収録タイム 0:58-)
Em7(♭5) |FM7 |E7 |Am |
Gm7 C7 |FM7 |B7 |E7sus4 |→FM7
=degree=
Bメロ(key=Am)
Vm7(♭5) |VI♭M7 |V7 |Im |
VII♭m7 III7 |VI♭M7 |II7 |V7sus4 |→VI♭M7


この曲のBメロではFM7→B7という根音増四度進行が見られる。E7に向けて脈絡を作っている進行と言える。


また最初Em7(♭5)→FM7→E7という変化の色彩感も絶妙である。

 

昔の彼に会うのなら
(ユーミンレポートより)
イントロ(アルバム収録タイム 0:00-)
C/D |B/C# C/D C#/D# C/D B/C# |
C/D |B/C# C/D C#/D# C/D B/C# |
A#/C |A/B A#/C B/C# A#/C A/B |
A#/C |A#/C B/C# C/D |
Aメロ
Dm7 |G |Em7 |A7(♭9) |
Dm7 |Fm7 |Dm7/G |~
=degree=
Aメロ
(key=C)
IIm7 |V |IIIm7 |VI7(♭9) |
IIm7 |IVm7 |IIm7/V |~


イントロの分数コード(I/II)による回遊コード的なイントロは真似できないとしても一聴の価値があろう。


またAメロではDm7→Fm7という短三度移動の進行もある。この辺りのサウンドも真似て活用していくと良いだろう。たとえばCメジャー/Cマイナーキーを組み合わせたとき、短三度の移動は、下記のようなバリエーションがある。
(マイナー)Cm7→E♭m7
(メジャー)Dm7→Fm7
(メジャー)Em7→Gm7
(マイナー)Fm7→A♭m7
(マイナー)Gm7→B♭m7
(メジャー)Am7→Cm7

 

それぞれ使いやすさ使いづらさに個人差があろうが、CメジャーキーまたはCマイナーキーを行き来するような曲で上記左のようなコードが出て来たら、思い切って短三度上げてみると、文脈に応じて様々な色合いが出てくるだろう。

 

 PEARL PIERCE

 

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