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歌詞については掲載しておりませんので
https://www.uta-net.com/artist/2750/
こちら等にて確認ください。
私を忘れる頃
Aメロ〜(アルバム収録タイム 1:09-)
AM7 |AM7 |Bm7/A |C#7 |
F#m7 |F#m7/E |B/D# |B/D# |
Bm7/D |C#7 |F#m7 |B7 |
Bm7 |Bm7/E |AM7 |AM7 |
Bメロ
Em7/A |Em7/A |DM7 |DM7 |
Bm7 |Bm7/E |AM7 |AM7 |
Bm7 |E7(9) |Bm7 |E7(9) |
※E7(9)はBm7/E等も可
G |G/A |DM7 |Bm7/E |〜AM7
=degree=
Aメロ〜
(key=A)
IM7 |IM7 |IIm7/I |III7 |
VIm7 |VIm7/V |II/IV# |II/IV# |
IIm7/IV |III7 |VIm7 |II7 |
IIm7 |IIm7/V |IM7 |IM7 |
Bメロ
Vm7/I |Vm7/I |IVM7 |IVM7 |
IIm7 |IIm7/V |IM7 |IM7 |
IIm7 |V7(9) |IIm7 |V7(9) |
※V7(9)はIIm7/V等も可
VII♭ |(key=D)IV/V |IM7 |(key=A)IIm7/V |〜IM7
最後に自然とDM7に転調。ここにたどり着く前にA7-DM7などでVII♭音がメロディに登場しているため調がAとDでふわりと浮いているような状態です。
この辺のセンサーがユーミン楽曲を何年経ってもチープにしない厚みのようなものになっていると信じています。
例によってVII♭がDメジャーキーのIVとしても響き(メロディ音はM7th)、A7がDメジャーキーを確定させる。
時をかける少女
Aメロ
F Dm Gm7 A7 Dm Gm7 C7
このA7であるIII7の違和感がなんともいえません。私にとってこのIII7は、「憂い系の流れにいくぜ!」と豪語する平行短調への和音です。
ですが、すぐにつぎのGm7-C7をつないで一気に長調に戻るラインが用意されています。
何だか不思議な展開です。そのまま憂いをもう少し持続したら良いのに、という間も無く変化し続けます。時を駆けてるんでしょうか。やはり。
そしてサビ
Dm Gm7 C7 FM7 EbM7 Dm7 Gm7 Gm7 F〜
このEbM7への進行があまりに自然すぎて驚きます。
Dmから見ると、フリジアンのIIb的になっているのですが、FM7からVIIbというノンダイアトニックコード的に響きます。VIIb7がVIIbM7になったような。
メロディ的には、
Dm Gm7 C7 FM7 BbM7 でも作れないことはありません。
しかし、ここはEbM7を選択した、となったところで、そこからもとのキーに戻るために作曲のひと工夫を行うことになります。やはりここも時を越えて旅していますね。
E♭M7のサウンドはふわりと広がった感じを与えるし、主題歌の主人公の声にも合っている印象を持ちます。原田曲になっている、という意味です。
このM7は例によって半音下降しDm7へ結びつく。この流れはユーミン楽曲の骨子の一つです。
F#m---Bm7--E7--AM7--( )--Bm7--E7--A
メロディがこの曲と同様で、間を埋めて楽曲を完成させよ、
という問題があったらあなたはどんなコードで埋めますか?
=====
難しいのは、いつダイアトニックから逸脱して、それがどんな効果を与えるか、そしてどう戻るか、をケースバイケースで把握することです。
音楽的脈絡を紡ぎながら「次あたりで逸脱したい」という直感を的確に活用していくためにも、こうした好例を意識のどこかに入れておくと「あの曲のようなリリースをサビの後半持ってきたい」というような感覚となって残り、ヒントになります。
作曲時はこうしたことを考えている余裕はないので、自分なりの一覧表にしておくか、必要な時に必要な技法が直感的に感じられるよう、たくさん曲を作ってください!
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