ユーミンレポート目次
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歌詞については掲載しておりませんので
https://www.uta-net.com/artist/2750/
こちら等にて確認ください。
ためらい
曲中には何をためらっているかの説明はありませんが、新しい恋をして今度は、より大きく深く踏み込んでいくことへのためらい、が読み取れます。
ブリッジの部分。これがサビかもしれませんが、
Dm |A7 |Dm |Bb |
もしも新しいこの~
Am Dm |Am Dm |G7 |C7 |
心の傷あともうひとつ~
というところのA7はDm短調でのドミナントで憂いがあります。
で、そのあとに続くAm DmはドミナントマイナーVmで優しい感じ。
ふつうは、下記のようにすると思います。
例;
Dm |A7 |Dm |Bb |
A7 Dm |A7 Dm |G7 |C7 |
こうしてA7で統一して憂いをだしまくる。
でもそうしないでAmを使ってくるあたりが、コード感を使い分けてる、という印象があります。
新しい出会いはいいことじゃないですか。でもそこに憂いを感じてしまうほど前の恋愛で傷ついている主人公の「ためらい」がぎゅっと詰まっているようです。
よそゆき顔で
「しかって欲しい」系のメッセージがここでも出てきますね。
記憶が正しければ三曲目です。
なぜ誰かにユーミンは叱ってほしいのでしょう。
誰かに叱られたい、と思う時はどんな時でしょう。
人の感情を荒げさせ、自分も冷静でいられなくさせることを強いる、というのはどんな感情でしょう。
自伝などを読むと、絵画の先生とのやり取りが書かれています。
ここに叱られたい、と願うヒントが私は垣間見れます。
このアーティストの「叱って」っていうのは、挑発的でもあり、すごくナイーブなんだ!というような裏返しの感情も感じたりします。
また、バブル経済の殺伐としたイケイケでとんがる必要があった当時のユーミンが歌の中で見せた、ほっこり優しい一面のようであり、愛情の裏返しのようでもあり、大変相手と自分を抱きしめ、慕う心を感じます。ラブソング、という意味では最も深い「慈愛」を歌っているのだと思います。歌に込める気合いが違いすぎて..またそれに気がつく人が少なくて。
とんがったポピュラーミュージックの世界で苦しみながらも、苦しめば苦しむほど、深い母性愛というか、人間性もそこに兼ね備えて行った、という証明が歌詞の世界に、こういう言葉の表現に現れていったのかもしれません。
だからこそ今もぶれずに発信しておられるのではないか。
いま、我々こそユーミンに叱ってもらいたいですもんね笑。
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