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ユーミン歌詞・コード考 / アルバム「悲しいほどお天気」
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歌詞については掲載しておりませんので
https://www.uta-net.com/artist/2750/
こちら等にて確認ください。
5cmの向こう岸
サビ(アルバム収録タイム 0:27-)
Em7 Em7/A |F#m7 |Gm7 Gm7/C |F |
Em7 Em7/A |F#m7 Gm7 |F Bdim7 |Gm7 |
Gm7/C |Em7 |
=degree=
(key=D)IIm7 IIm7/V |IIIm7 |(key=F)IIm7 IIm7/V |I |
(key=D)IIm7 IIm7/V |IIIm7 (key=F)IIm7 |I IV#dim7 |IIm7 |
IIm7/V |(key=D)IIm7 |
みた感じ、m7の連続が目を見張りますね。おおおお!ってかんじ。
ここではDメジャーキーとGマイナーキーのIIm7/Vが交互に現れてます。
DメジャーキーにおいてGm7とはIVm7なので、
Em7-F#m7-Gm7はIIm7-IIIm7-IVm7
という同主短調Dマイナーキーの「IVm7に流れた感」を利用して転調としているわけです。
コンパートメント
これは恋破れて、列車の中で睡眠薬自殺を考えている女性の歌。
重いテーマですが、これもユーミンの必殺技、死についての歌です。
Cメロ(アルバム収録タイム 3:10-)
E♭M7 |E♭mM7 E♭M7 |Dm7 |Dm7 |
E♭M7 |E♭mM7 E♭M7 |Dm7 |Dm7 |
E♭M7 |E♭mM7 E♭M7 |Dm7 |Dm7 |
E♭M7 |E♭mM7 E♭M7 |E♭m6 |Daug |
ここでの楽曲のキーはGm、このE♭M7はVI♭M7にあたります。
VI♭系和音独特のふわりと浮いたような進行が続くE♭mM7によってさらに足下が危ぶまれるような響きが印象的。
このCパートはユーミンの歌の中でも非常に高い音で歌われ、切実に生への悔いと死の誘惑の狭間で冷たい感じが出てます。
m7thコードの寒々しく、吹きすさぶ心、という印象。
最後のDaugはもはやあきらめてしまったどうしようもない状態。
そんな風に聴きながら印象を構築できれば、不定調性論的思考はできています。
声だけを聞いたり、コードだけを聞いたり、自分の興味のあるところだけを聞くところから始まり、どんどん全体の雰囲気を総合的に感じ取りましょう。そうなると脳は追いつかないので、別の感覚を使わないといけなくなります。
走るために、まず右足を前に出して、と考えているのが、コード進行を追いかけてる状態。そこから曲全体にイメージが広がるまで、100曲ぐらいコード進行を分析したら、私でもなれたので、才能関係なく興味のある方はトライしてみると良いでしょう。
曲の最後には「ひこうき雲」の時と同様に、繰り返しのゆらゆら動くコード連鎖。
Cm/B♭ |Cm/A :|
===
"白夜の荒野です"
これを死の否定と捉えるろか、絶望と捉えるとか、次の「水の影」が答えだ、とかいろいろ言う人がいるでしょうが、そういうことはあなたにはどうでもいいんです。
その音楽が聴こえてきたとき、それを聞いてあなたの頭の中にストーリーや映像が見えれば、それが音楽ですし、あなたにとってのリアルだと思うんです。
そうやって気持ちの入る音楽、癒される音楽と出会えばいいだけで、誰かに合わせる必要も、勉強したないように自分の意識を寄せる必要も本当はありません。
学習した内容に寄せるのももちろん自由です。色々試行錯誤しながら自分の音楽観を見つけてください。
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