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音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

ありきたりな進行には、意外性のある歌詞を載せる;ユーミンレポート18

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ユーミン歌詞・コード考 / アルバム「悲しいほどお天気」1

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歌詞については掲載しておりませんので

https://www.uta-net.com/artist/2750/

こちら等にて確認ください。 

セシルの週末

open.spotify.com

Bメロ〜(アルバム収録タイム1:14-)

Bm7 |C#m7 |DM7  |F#m7 |

Bm7 |Bm7  |C#m7 Bm7/E |

サビ

Am7/D  |G  |Am7/D |G  |

C  |Bm |A |Esus4 E  |

=degree=

Bメロ〜(key=A)

IIm7 |IIIm7 |IVM7  |VIm7 |

IIm7 |IIm7  |IIIm7 IIm7/V |

サビ(key=G)

IIm7/V  |I  |IIm7/V |I  |

IV  |IIIm |II |Vsus4 V  |

サビに流れる際に全音下げる、という転調が施されています。

これは分数コードであるIIm7/Vが連続したときに感じる違和感のなさの利用しています。驚け!!!です。

   

Miss Lonely
open.spotify.comCメロ(アルバム収録タイム1:48-)
F |C/E |Cm/E♭ |B♭/D |
B♭m/D♭ |F |G7 |C Cm/F |
サビ
A♭ |E♭ |B♭ F |B♭/A♭ Gm7 |
A♭ |E♭ |Cm7 Dm7 |E♭M7 D7 |Gm7

原調はGmでそれがサビでA♭になります。

I=GmとしたらII♭。

Cm7/Fからつながりますがドミナント的な役割は担っていません。

 

和声の動きが四度進行をしていて
A♭→E♭→B♭→ F
というシークエンスを作っています。

この曲でのコンセプトかもしれませんね。

響きの統一感が、調の揺れ動きに対して「別の統一感」を与えています。

この辺の構造バランスは、アラン・プロストの直感的なカーブの感覚みたいなもので、勉強で身に付かなそうなところです。

 

用例;
F |G |C |C |
という「いかにもCメジャーな」進行において、FをIVと感じないようにするには、GをVと感じないようにするには、どうすればいいかを考えてみてください。

たとえば、
Fsus4 |GM7 |C7 |
というように、一音だけダイアトニックの構成音から変えた時に、そこにメロディを乗せるイメージが湧くか、湧かないかで、不定調性的な感覚が分かります。

 

雨に消えたジョガー

なんとも不思議な雰囲気をただよわせている曲です。
白血病で亡くなった彼を思い出す歌、なのだそうです。

ふと起きた朝に、向こうから走ってくる朝のランナーが、亡くなった彼に見えて、彼を思い出す、というワンシーンが歌になっています。

楽曲の雰囲気は柔らかく、尖っていません。
二拍ずつコードが変わるユーミン随筆進行。

 

例として作ってみます。
例;
CM7 Dm7 |Dm7/G Em7 |Em7/A Am7 |AbM7 G7 |
Cm7 Cm7(b5) |Am7(b5) D7 |Dm7 Dm7/G |Em7 FM7 :|

こういうふうに動き過ぎると、なんだか何がしたいのか良く分からないですよね。

でも、これを詩の朗読のバックのBGMにすると、なんとなく柔らかい雰囲気が、ぼんやりとあるだけで、とても効果的のようにも思えてきます。

 

まさにこの曲がそうした雰囲気を持っています。
脈絡はあるけどつながりのない思い出のような、幻想のような。

 

フツーの進行の普通の曲には、フツーのラブソングではなく、奇抜な内容の歌を、淡々と歌ってみたら、結構「聞きやすいし、コワイ」という効果が生まれるのではないでしょうか。ユーミン高度すぎる。。。。

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