音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

ネガティブハーモニーと不定調性論3★★★★

ネガティブハーモニーの写像が判明します。

   

最初の記事はこちらです。

www.terrax.site

 

d→f

e→e♭

f→d

g→c

a→b♭

b→a♭(逆の矢印も成り立つ)

さらに半音的に展開すると、d♭→g♭がここに加わります。

完全1:1対応になります。変更は許されません。つまりモードがガッチガチに決まってしまうわけです。

でもそれなら人の意思いらなくないですか?

 

当時はDTMがなかったですから仕方がないですね。

今はトランスポーズボタンで一発です。

 

下方に置き換える音階を、Cドリアンでも、フリジアンでもいいよ(ネガティブモーダルインターチェンジ!?)?

などと言ったら、だいぶ可能性広がりそうですが。

 

そしてそれをやると上下の対称性が崩れてしまって、単純にポリコード、ポリトーナリティを配置しただけにすぎない、となります。

それでは対称性を見つけた意味がありません。故にかなり制限された和音形成がこの時点で予想されます。

c  (全)d  (全)e  (半)f  (全)g (全)a  (全)b  (半)c

g (全)f(全)e♭(半)d (全) c (全)b♭ (全)a♭(半)g

このように並べれば、資料にあるようにeとe♭の真ん中が中心!なんで!!?とか考えなくて済むと思います。

もし、eとe♭の間を中心だ、と考えるなら、aとb♭の間がもう一方の中心だ、と考えることもできます。これはF#△のM3rdとm3rdにあたります。

つまりこのcとgの軸は、同時にf#とc#のもう一つの軸を作っているんです。

これは中心軸システムとなっていきます。

この「もう一方の中心点はあまり重視しない感」が私的には方法論としてなんとかしてあげたい感を感じますが、余計なお世話ですね。

 ====

 

方法論づくりをしていると、ネガティブハーモニーのやり方を見てすぐピンときます。

「ああ、この人は、CとCmを作ろうと工夫しているんじゃないか?」

と(先生、ほんと生意気でスミマセンm(  )m)。

でも方法論つくるときって無意識に自分が使いやすいほうにいこうとしちゃうんです。

そうやってにじみ出る個性を殺さないことで独特な方法論が生まれます。

 

Cに対する対称性を考える場合もCとCsus4じゃなんかしっくりこないし、Caugでもやっぱり馴染みがない。というかCに対する存在としてのパワーが足らない。理論づくりは主観の嵐なんです笑。

だから必死に自分の方法を編み出して探してください。

 

ネガティブハーモニーの独自性や変幻自在さに共感したら、改めてあなた自身の手法も見直してください。きっとその刺激から素晴らしい進展があるはずです。

 

何が課題なのか

これは最初から、スケール、機能を固定したシステムです。

もともと音現象に意思や決まりごとはない

ということからスタートすることでネガティブハーモニーは使いやすくなると思います。いつも同じ思考では同じ響きしか得られません。そこでいつもと違うやり方の方程式を使って、その函数から導き出された新しい響きに驚嘆する、という体験がネガティブハーモニーの一つの希望でもあります。

 

  

なんかもっといっちょ噛みできないの? 

例えば

Dm7   G7 |CM7  |をネガティブハーモニーにすると、

Bb6  |Fm6  |AbM7 |

となります。 

「ネガティブハーモニーを混ぜる」というやり方があるでしょう。

Dm7-G7-CM7において、

ネガティブハーモニーBb6=Dm7(11,b13)ですから、Dエオリアンomit9でほぼエオリアンを弾けばネガティブコンセプトを加えていることになります。また、

Fm6=G7(b9)ですから、GフリジアンM3や、オルタードドミナント的に弾けばこれはネガティブコンセプトである訳です。

でもG7(b9)って普通じゃね??

って思うでしょう?そこが罠なんです。機能和声論は、その権力を使って、ありとあらゆる数理の可能性を自分の方法論の中に取り込んでしまっているんです。よく考えてください。

G7にb9が使えるのはなぜですか??

マイナートニックへのヴォイスリーディングをスムーズにするため?

いや、今日からは、

「G7のネガティブハーモニーFm6のm3rdを用いたいのだ」

と言いましょう笑。

 

まあ、別にどっちでもいいのですよ、だってG7(b9)ってもはや普通だもん笑。

じゃあやっぱりFm6使ったほうがいい?

 

って言っても、それって、

 

Fm6/Gみたいな拡張型アッパーストラクチャーコードなんじゃないの?みたいにも見えるし、fを低音に持っていってもG7(b9)/Fに感じられるかもしれないし。

 

じゃあ作曲の時に、

Dm7 G7 CM7をDm7 Fm6 CM7にすればいい、、

ってやっても、これって普通にIVm6のサブドミナントマイナーじゃね?

って、やっぱり機能和声論に吸い取られてしまう訳です。

 

調性概念の拡張とクリエイターのジレンマ

問題は、反転した結果が予測しづらい、ということ。

予測できるようになるのは相当訓練がいりそうです。

そこにあなたは時間を割きますか?

・また、反転した結果のサウンドが自分は好きになれないかもしれない

・それを適当にいじって作ったサウンドの方が好きになれるかもしれない(まあこれが不定調性論)

・結果、方法論としてのネガティブハーモニーは自分の美的感覚に合うのか、合わないのかだけ

 

これらの精神的ステップにぶつかった先にあるのは、

大事なのは「自分のプリセット」を作ること。

です。

不定調性論がその独自性を発信するのは「アイツがそうやるなら、私はこういうやる」という自発性を導き出すための精神的土壌を作るため、と思ってください。

 

ああ、そういう風にひっくり返して新しい自分が予測できない響き作って刺激にするのね?

と軽く考えて、自分のコンセプトを拡大することが大事です。

あとはその、

「ひっくり返した感」にあなたが自分の音楽性との共感を感じられるのか?という問いに答えてください。私は機能和声で作ったものをひっくり返す行為にメタファは感じません。だから自分の音楽ではネガティブハーモニーは使わないと思います。

不定調性論ではベルトチェンジという方法論で拡大した意外性を作ることができます。ただ面倒なのでよほどアナグラム的な仕掛けを作りたい時以外は使わないでしょう。

 

12音技法で、厳密に音列を制御したから、この世で最も素晴らしい音楽として世界が認識するか、と思ったら、そうでもなかった、みたいな話に通じます。逆に人の意思が介在していないぶん、音楽性が伝わりづらくなりました(模様音楽)。

アポフェニアを創り出す訓練みたいな音楽になるんですね。

 

「これはネガティブハーモニーって理論だから、俺が私が適当に考えたものより優れているんだ」なんて絶対に考えてはいけません!!あなたが頭を絞ってアレンジしたものの方があなたの人生には合っているんです。それを何より大切に!

 

<まとめ>

数理の美を見極める

ネガティブハーモニーの手法以前に12音は独自の数理的なmapを持っています。

それを自分なりにどう理解するかが、音楽理論の学習です。既存の学習は「これが一般的です」と言っているだけで、「あなたに合う」とは一言も言っていないはずです(伝統音楽を再現するような学習の場合はちょっと違います。一時期ちゃんと伝統に従いましょう)。

自分にとっての音楽理解法は不定調性論ですが、それを宇宙的に正しい、と宣言することはありません。あなたの思想の自由を奪う権利はないですし、あなたにはあなたの方法論があるべきだからです。

伝統的技法の素晴らしさはその後に見えてくるものです。そのあとで勉強されても遅くありません。

12音は本来様々な親和性を持っているので、どのように組み合わせても、なんとなくそれっぽいものができてしまいます。

 

ジェイコブ氏の言う「言いたいこと」です。これがないとプリセットをいじれません。

 

皆様の資料で大変勉強になりましたのでこちらでシェアさせていただきます。

ありがとうございました。

 

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