音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

ネガティブハーモニーと不定調性論

これについて解説をしようと思ったら、すでに下記のような素晴らしいセミナーが行われたそうで、全く存じ上げませんでした。

PDFファイルなどもダウンロードできるようなので、渾身の資料、しっかり勉強しましょう。

www.youtube.com

ネガティブハーモニーの詳しい概要も下記に書かれています。

たなかギターBlog : Negative Harmony (Major & minor, Mel-min, Harm-min, minorⅡⅤⅠ)

 

下記の和訳は、上記のセミナー動画で、お顔が見えませんが、進行を担当されている一人の方がつけられたそうです(下記の和訳と違う動画であったらすみません)。

www.youtube.com

上記のジェイコブ氏の動画をご覧いただくと、

「道具を感情でつかう」

「Bbm→Cに進んだ時に自分がどう感じるか」

「教育の間違いの一つは結果を重視すること」

これらは不定調性論が最も重視してずっと言い続けていることですが、彼のような人物が言うと全く違う言葉に聞こえますね笑。

彼にも共感覚的なものが確かに備わっていて、それを嬉々として使いこなせているのでしょう。仕草や表現を聞けばわかります。彼には音が感情で見えているんだと思います。

www.terrax.site

「単に情報を得るだけでなく、自分で試す。それによって変わる。」

とても素晴らしいことですよね。

ようはネガティブハーモニーのコンセプトを知ったら、あとは

"君がどう使うか"

までは、教えられない。

自分でやっていくしかない、そして答えはそこにないかもしれない、と言うわけです。

そして先生の役割もどう使うかまで教えることに踏み込むと、その受講生は自分で何もできなくなる、ということを意味しています。

 

「言いたいことがなければ意味がない」

と訳がつけられていますが、ネガティブハーモニーがどう言う道具なのか、と言うことがまず分からないと、使いようがないと思います。この記事ではそのポイントに特化して解説したいと思います。

不定調性論には、すでに数理新和音モデル、コロイド音、ベルトチェンジ、動和音静和音などの下方領域を用いた発想がすでにありますので、不定調性論に親しんでいる方は「なんだ、和声の分子構造で考えた方が早いじゃないか」と思われるかもしれませんが、もはやこのネガティブハーモニーの方がホットな話題なので、このコンセプトのポイントを述べさせていただければ、と思います。

 

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基本は上記セミナー動画で200%理解できます。

時間に余裕のある方は、

Symmetrical Movement Concept | Steve Coleman

 

http://personal.inet.fi/private/tomas.karlsson/lesson161.html

www.youtube.com

(この動画のPDFも受け取ることができます)lesson2にもすぐ飛べます。

www.talkbass.com

当たり前ですが、皆さんそれぞれのスタイルに転換していきますね。

「純粋なネガティブハーモニー」の理論に近いのは、最初に掲げた田中氏の動画が一番近いんじゃないでしょうか。

レンドヴァイの「バルトークの作曲技法」の中にもこの逆行概念とか鏡に映したように、というような音楽の作成法で重力をなきものにする、みたいな発想は書かれておりますので、こうしたアイディアを吐出させて拡張したのがネガティブハーモニーの発想であると言えます。これをジャズやコンテンポラリーのアレンジで「一般に通用させるように」用いようという試みが古くて新しい感はありますね。

バルトークの作曲技法 エルネ・レンドヴァイ 著/谷本一之 訳 

「ミラーコード」という名前で、私は佐藤允彦先生からその概念を教わりました。

きっとバークリーにはすでにそうした物を体系化したものがあったという事でしょう。

ようは、それによって新しい作曲技法を確立することなどは個人の自由です。ポイントは「予期せぬ響きや流れを作り出す」という偶然性の音楽的な技法を、どうやってコントロールするか、その仕組みとパターンを知れば、「予期できる」ものになる、ということであり、この短い間にこれだけのことが分かるのですから、体系化はもうなされているはずです。

 

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ネガティブハーモニー概要〜

下方倍音が形を変えて現れている

新しい音楽方法論はまるで新しいプラグインシンセやエフェクターみたいな期待感ありますよね。

プリセットが2500くらいあって、直感的に撰べてAIが制御してて、軽くて使いやすくて見た目かっこよくて音がいい、みたいなのを勝手に想像する笑

それでもプリセットのまんましか使わない、ってわけじゃないと思います。

必ず自分なりに、曲に合うように各種ツマミを調節するはずです。

まあ、ワタクシごときにとやかく言われたくないでしょうが、最近では日本で唯一ともいえる自分で音楽方法論作って配信して、作品を売ってる、みたいなことをしてる変人先生となってしまいましたので、ネガティブハーモニーの使い手としてよりも、方法論の作り手としての立場から申し上げます。

 

理屈は簡単です。上記の資料を抜粋します。

Cメジャーキーで利用できるCメジャースケールは

c(全)d(全)e(半)f(全)g(全)a(全)b(半)c

ですね。 これで通例の音楽は全て作れます。ここにいろんなスケールが派生し、調が派生し、複合がなされます。そして実はネガティブハーモニーも機能和声には含まれています。ただ使っている実感がないだけです。当たり前です。そういう学び方をしてないからですね。

 

ところで、この音階に「対をなすもの」があるとしたら、それはどんな姿でしょう。

一つは、cから下降していく、

c(全)b♭(全)a♭(半)g(全)f(全)e♭(全)d♭(半)c

というCフリジアンです。C△の上でCフリジアンを弾く、というのはこの発想です。

人によっては、これを少し変えて、CフリジアンM3にして弾くわけです。

 

Cアイオニアンに対して、Cフリジアンの対比でもC△とCmの対比が作れて綺麗です。これでミラー系音楽理論を作ることもできます。

c(全)d  (全)e  (半)f(全)g(全)a  (全)b  (半)c

c(全)b♭(全)a♭(半)g(全)f(全)e♭(全)d♭(半)c

これにより上下の音を対比させれば、色々和音が出てきます。

C△だったら、c,e,gの下の列に対応している音をとって、c,a♭,fでFmの完成!

みたいな。

方法論論づくりをしている者として、下に示すネガティブハーモニーのやり方を見てピンときたのは、

「ああ、このコンセプトは、CとCmを作ろうと工夫しているな?」

と感じたことです。方法論つくるときって無意識に自分が使いやすいほうにいこうとしちゃうんです。

Cに対する対称性を考える場合もCとCsus4じゃなんかしっくりこないし、Caugでもやっぱり馴染みがない。というかCに対する存在としてのパワーが足らない。もう主観の嵐笑。

もしそれがAmだったら。。。これは12音連関表を使えば、その図式が見えてきます(領域変換モデル1,2)。

ミラーコード的な発想を用いた時にできる最も無難な整合性も、このC-Cmというラインだったのでしょう。

不定調性の場合は、CーCmラインが調向階段モデルからでてきます。

 

C△に対してFmが出現する、というのは「ベースラインブック」「ブルーノートと調性」の話です。

 

ベースラインブック

 

 

ブルーノートと調性 インプロヴィゼーションと作曲のための基礎理論(CD付)

 

これらはミラーハーモニーにもつながります。下降する音階で今c,e,gに対してピックアップしたc,f,a♭は、「下方倍音」と銘打たれた音の種類です。知らず知らずに下方倍音を使っていることに気がついているでしょうか。

そしてこの「知らず知らずさ」は数理によってでてきています。倍音ではなく、それに準ずる計算が自動的に行われているんです。

ameblo.jp

ネガティブハーモニーを使う人も、下方倍音の音を容認して使っている、という理解になりますのでよくよく考えてみてください。下方倍音は出現するしないではなく、数理の整合性で使われており、

F→Fm→C

というサブドミナントマイナー終止にすでに現れているのです。これは同主調からの借用、と答えるかもしれませんが、同時にcを中心にしたミラースケール(不定調性論;ベルトチェンジ)からできる和音でもあります。Fから一旦cのミラースケールに変化し、また正格の位置に戻ってきた、という発想でも良いわけです。

そう使わないのは、そう教えられていないからです。

実は機能和声の下方音使用法はもうすでに完成されています。それを一旦分離して各素材の位置づけをし直すことでクリアーになることがいくつもあります。リーマンやエッティンゲンもその見地から入ろうとしました。

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前置きがながくなりました。

ネガティブハーモニーが作った対称性は、先の資料等を参考にしますと、

c(全)d  (全)e  (半)f(全)g(全)a  (全)b  (半)c

この音階のgから下降して作るミラースケールです。

g(全)f  (全)e♭ (半)d(全)c(全)b♭ (全)a♭ (半)g

です。この構成音を見てください。音階はGフリジアンですが、見事Cナチュラルマイナースケールの構成音が出ています。かつ同じ音程展開で。

 

きっと「なんでgなんだろう???」

って思うはずです。これはカラクリなんです。

gはcの完全五度音だし、cに属する一番の右腕だ。などと色々と機能和声論に相通じるところを勘ぐったりされていることでしょう。

でも疑問湧きません?この配置ってcとgを対等にしていないか?って。

cとgを関係させてしまう時点でネガティブハーモニーは機能和声にすいこまれていきます。

本来はcとgは無関係、というところからスタートして改めてこの関係を構築していけばきっと新しい五度関係の意義も作れるでしょう。

 

これでネガティブハーモニーの写像が判明します。

d→f

e→e♭

f→d

g→c

a→b♭

b→a♭(逆の矢印も成り立つ)

さらに半音的に展開すると、d♭→g♭がここに加わります。

完全1:1対応になります。変更は許されません。つまりモードがガッチガチに決まってしまうわけです。

でもこれがプリセットなら、いちいち覚えずとも鍵盤の音の配置をワンタッチで写像できるようにプログラミングしておけばワンタッチで機能和声メロディが自動的にネガティブハーモニーにすることもできるはずです。

でもそれって人の意思いらなくないですか?

 

これはCアイオニアンに対して、Cエオリアンを完全対応させてしまっているからなんですね。下方に置く音階を、Cドリアンでも、フリジアンでもいいよ?

と言ったら、だいぶ精神的に楽でしょう?でもそうしない。また理論的にも斬新すぎて、誰もまだそこまでやろうと思わない。

そしてそれをやると上下の対称性が崩れてしまって、単純にポリコード、ポリトーナリティを配置しただけにすぎない、となります。それでは対称性を見つけた意味がありません。故にかなり制限された和音形成がこの時点で予想されます。

c  (全)d  (全)e  (半)f  (全)g (全)a  (全)b  (半)c

g (全)f(全)e♭(半)d (全) c (全)b♭ (全)a♭(半)g

こう見れば、資料にあるようにeとe♭の真ん中が中心とか考えなくて済むと思います。そしてeとe♭の間を中心だ、と考えるなら、aとb♭の間がもう一方の中心だ、と考えることもできます。下記記事中ほどに写真資料がございます。

たなかギターBlog : Negative Harmony (Major & minor, Mel-min, Harm-min, minorⅡⅤⅠ)

これはF#△のM3rdとm3rdです。

つまりこのcとgの軸もまたf#とc#のもう一つの軸を作っているんです。

これは中心軸システムとなっていきます。

この「もう一方の中心はあまり重視しない感」が私的にはなんとかしてあげたい感を感じます。余計なお世話ですがね。

 

何に固執するのか

これは最初の音階の音程差の対称性を意識しすぎているのではないかと思います。

この話は「ポリトーナリティ」を作り、新しくできたトーナリティに移行しようとしている、という話です。ただ自動的すぎるのでどうやって人の意思を介在させ、プリセットに意義のある変化を加えられる楽しみを与えるかですよね。既存のコードにテンションを加えるようなレベルの楽しさ、欲しくないですか?

ちょっとでも触ったら音が出なくなるようなプリセットならツマミのある意味がありません。ネガティブハーモニーで、置き換わった音をいじってなんぼ、ってできる方法論が良くないですか? 

 

最初の曲がCメジャーキーだった場合、新しく設置するキー(ネガティブハーモニーでのキー)はCマイナーになります。

ただ明るいバラードの曲をひっくり返したから、暗いバラードに適切になってくれる訳ではなく、整合性もなく、できる雰囲気の予測がつかない、というある意味「カオスな関数」なわけです。

でも写像は1:1なので、慣れれば響きの予想ぐらいはつくでしょう。

 

何が問題なのか

これは最初から、スケール、機能を想定したシステムである、ということがひっかかります。機能和声に最初から準じた設定からスタートしているためそこから抜け出すのが大変でしょう。

最初から音階のインバージョンを使ったポリトーナルな方法論に展開しちゃえばいいのに!とか余計なお世話をしてしまう。

その先は不定調性がやってるのでおまかせ頂きたいところですが。

 

もともと音現象に意思や決まりごとはない

ということからスタートしないとネガティブハーモニーは使いづらいでしょう。

機能和声論は基音と五度の関係と自然倍音のハーモニーを使って進化してきた方法論であり、その方法論を持って、下方和音(短三和音)やジャズハーモニーに見るアウト(オルタード)の概念まで拡張してきました。

この中にすでにネガティブハーモニーも含まれてしまっているんです。

 

でもそれは不定調性論も同じで、機能和声論にはもはや付け入る隙がない訳です。

しかし、いつも同じ思考では同じ響きしか得られません。そこでいつもと違うやり方の方程式を使って、その函数から導き出された新しい響きに驚嘆する、という体験がネガティブハーモニーの一つの希望でもあります。

 

でも予測ができないんじゃ意味がない、とおっしゃるかもしれません。

この話は、

「自分は今日から真言宗でいきます」

と言って、二ヶ月後

「ちょっと真言宗わかりづらかったんで明日から天台宗と併用します!」

みたいになっていくと、やっぱり極められないし、何がしたいんだよ!って話になるので、ここは覚悟して、

ネガティブハーモニーで俺は死ぬまで生きていく!!

という人が技を極めて結果を残すしかありません。瞬間的に写像した先の響きが思い浮かぶぐらいにまでならないと使いこなせないでしょうし文化になりません。

自分の技法って、そんなに沢山ないと思います。私も不定調性のみ。これを極めたい。

 

ネガティブハーモニーは、レヴィだけの手法なのかもしれませんね。

 

プリセットを変えて自分の音色にしてユーザーバンクに登録、ができるくらいにまでなったら合格!じゃないでしょうか。

デフォルトの音は飽きた、みたいな。

変換した際に生じる微調整はいわゆるプリセットをいじる行為であり、不定調性論でいうクオリアによる表現の自己化なのでとても自然な欲求だと思います。

 

でもなんかないの? 

こういうのは段階的にコントロールをすることが大切です。例えば

Dm7   G7 |CM7  |をネガティブハーモニーにすると、

Bb6  |Fm6  |DbM7 |

となります。しかしこれを和声にだけ施すのが正しいのか、メロディもそっくりネガティブ化するのか決まりはあるのでしょうか??

 

例えば、「ネガティブハーモニーを混ぜる」というやり方があるでしょう。不定調性論では「領域断層和音」とかいうやり方です。

Dm7-G7-CM7において、

ネガティブハーモニーBb6=Dm7(11,b13)ですから、Dエオリアンomit9でほぼエオリアンを弾けばネガティブコンセプトを加えていることになります。また、

Fm6=G7(b9)ですから、GフリジアンM3や、オルタードドミナント的に弾けばこれはネガティブコンセプトである訳です。

でもG7(b9)って普通じゃね??

って思うでしょう?そこが罠なんですよ。機能和声論は、その権力を使って、ありとあらゆる数理の可能性を取り込んでしまっているんです。よく考えてください。

G7にb9が使えるのはなぜですか??

マイナートニックへのヴォイスリーディングをスムーズにするため?

いや、今日からは、

「G7のネガティブハーモニーFm6のm3rdを用いたいのだ」

と言いましょう笑。

 

まあ、別にどっちでもいいですよ、だってG7(b9)ってもはや普通だもん笑。

 じゃあやっぱりFm6使ったほうがいい?

 

って言っても、それって、

 

Fm6/Gみたいなハイパーアッパーストラクチャーコードなんじゃないの?みたいにも見えるし、fを低音に持っていってもG7(b9)/Fに感じられるかもしれないし。

 

じゃあ作曲の時に、

Dm7 G7 CM7をDm7 Fm6 CM7にすればいい、、

ってやっても、これって普通にIVm6のサブドミナントマイナーじゃね?

って、やっぱり皇帝機能和声論に吸い取られてしまう訳です。機能和声の壁の厚さは不定調性論が400ページも和声の作成の準備のために設けているのだけみても分かると思います。あ、私は要領悪いだけか。

 

ネガティブハーモニーへの転換は、超転調。

この写像、転調を超えた転調のイメージありますよね。

だから新しくできたフレーズを「これはネガティブハーモニーで展開したメロディだ!!」 って言って納得してもらうしかない。

たとえそのフレーズが、なんかパッとしないものでも笑

 

数学的な数理的美は持っている、とか開き直るしかない笑。

それって不定調性がやっていることだから、キワモノ論とかって言われちゃうゾォおおお笑。まあそういう批判は偏見なんですけどね。

 

調性概念の拡張とクリエイターのジレンマ

または、新しい概念として、メジャーとマイナーとネガティブとポジティブがあるとしますか?

でも、ドリアン、リディアン、といったモードの調子も一つ一つ雰囲気あるしなぁ。。

ドリアンてポジティブなんかなぁ。この概念も機能和声だから本来はぶっ壊さないといけないものです。

 

問題は、反転した結果が予測できない、ということ。

・反転したサウンドが自分は好きになれないかもしれない

・適当にいじって作ったサウンドの方が好きかもしれない(数理的美はどこ行った)

・そうなった時、この方法論の美的構造は一体どのようにその美しさを受け止めればいいのか疑問になる

・自分の美的感覚はネガティブハーモニーと合うのか、合わないのか

これって不定調性論を学びに来られる方がみなさんおっしゃることと全く同じなのがちょっと複雑です。

 

そう、大事なのは、「あなたのプリセット」を作ること。例えツマミを大幅にいじったとしても。

不定調性論はその独自性を紹介し、「ああ、そこまでやっていいなら、私にはこういうやり方がある」を導き出すための精神的土壌を作るための体系なんです。

それが確立されれば元の理論のコンセプトは薄まりながらも、多少それを用いながら最終的には個人の音楽性が現れることになります。

それでいいのだと思います。ジャズではその入り口はバークリー理論が果たしています。

あのバークリー論を「自分を進化させるための道具」とすればいいんです。

 

マラソンが早くなるために自転車買う人はいないでしょう?

軽い靴とか、制汗作用の強いランニングシャツとか買うでしょう?まずは自分で走ることだけは前提にするじゃないですか。ネガティブハーモニーもまるっと受け入れて乗っかって使うんじゃなくて、

 

ああ、そういう風にひっくり返して新しい自分が予測できない響き作って刺激にするのね?

と軽く考えて、じゃあ、自分ならV7のとこだけ自由にひっくり返してみるわ、とか、じゃあ俺、II-VのIIを工夫しよう、とか、俺スケールの対称を崩してドリアンにしてひっくり返そうとか、そうやってコンセプトを拡大することが大事で、それは上記の講座の最初だけ見ても十分分かると思います。

あとはその、

「ひっくり返した感」にあなたが音楽性を感じられるのか?という問いに答えてください。私は機能和声で作ったものをひっくり返す行為にメタファは感じません。だから自分の音楽ではネガティブハーモニーは使わないと思います。しかし意外性を作り出せるという点は面白いです。不定調性論ではベルトチェンジという方法論でより拡大した意外性を作ることができます。

 

12音技法で、厳密に音列を制御したから、この世で最も素晴らしい音楽として世界が認識するか、と思ったら、そうでもなかった、みたいな話に通じます。逆に人の意思が介在していないぶん、音楽性が伝わりづらくなりました。

だからコンセプトを使いながらも、違和感を感じたら

「勇気を持って、自分の音楽性と整合性を投入して自分の中に取り込む」

ことでとてもスッキリすると思うし、実際機能和声論だってそれを容認していると思います。だからこれだけ創造性にあふれた方法論になっているのだと思います。

不定調性論は、さらにその外縁部を覆い尽くして、あらゆる方法論に呼応しながら変化できるように育てていくつもりです。

 

<まとめ>

数理の美を見極める

ネガティブハーモニーの手法以前に12音は独自の数理的なmapを持っています。

それを自分なりに拡張できる技や理論をどれにするか、を決めるのが音楽理論の学習です。既存の学習は「これが一般的です」と言っているだけで、「あなたに合う」とは一言も言っていないはずです。だから最後はあなた自身が手順を作らなければなりません。その手順の一つが不定調性論だと思っています。

これは現在最新のウチの動画です。まだ道半ば。

www.youtube.com

 

12音は本来様々な親和性を持っているので、どのように組み合わせても、なんとなくそれっぽいものができてしまう、と領域のアラベスクの動画でも指摘しています。

だから、それっぽいものができた時、自分がそれに対してどんな方向性でそれを修正するか、完成させるか、を把握できる必要があります。

ジェイコブ氏の言う「言いたいこと」です。これがないとプリセットをいじれません。

純粋に変換したもののどこをどういじるかを自分の中の音楽性と照合して探せるのなら苦もなく使えるアイディアでしょう。

 

ここから面白くするならまず対称性を崩すこと、インバージョン以外の展開を行うこと、中心軸をずらしキーを無くすこと、これらを平行して全て体系化できれば真のネガティブハーモニー理論になるでしょうし、これはポリトーナル理論みたいなものに進化するのではないでしょうか。

でもキーのセンターを軸にしている限り機能和声との微妙なかぶりの発生によって中途半端なサウンドしか作ることができないのではないか、と感じます。キーが崩れるのに元のキー重心をがっつり基準にしている点が逆に方法論の発展の可能性を奪っているのでは?などと感じます。

これは12音をフラットにしたかった不定調性の人だからそう思うだけかもしれません。

 皆様の資料で大変勉強になりましたのでこちらでシェアさせていただきます。

ありがとうございました。

 

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