2017-06-18→2019-7-23(更新)
ネガティブハーモニー概要〜
記事その1はこちら
ミラーハーモニーで考えてみます。
ミラーコードとは音程差が上下で反転する、というものです。
cの長三度上がe
→ミラー化すると・・??
cの長三度下はaフラット。
A♭-A-B♭-B-C-C#-D-D#-E
故にA♭がcを中心にしたeのミラートーンとなります。
c+eの和音をミラーハーモニー化するとc+a♭である、というわけです。
これ別に、cが中心じゃなくてもいいんです。c+eのeを中心にしても良いです。
c,eのe中心のミラー化→e,g#
ですね。
e(長三度下)c
e(長三度上)g#
です。
Cメジャーキーで利用できるCメジャースケールは
c(全)d(全)e(半)f(全)g(全)a(全)b(半)c
です。
この音階を下記のような各音程差が同じ下降系の音階に切り替えたらどうでしょう。
c(全)b♭(全)a♭(半)g(全)f(全)e♭(全)d♭(半)c
これはCフリジアンの下降形です。
ミラーハーモニーではc,e,gに対して下降する音階でピックアップされるのはc,f,a♭ですが、この関係性は「下方倍音」と銘打たれた音の種類です。知らず知らずに下方倍音の数理対応を使っていることに気がつきます。
F→Fm→C
というサブドミナントマイナー終止で現れるFmをCのミラーハーモニーと言おうが、cの下方倍音と言おうがそれは自由だ、とも言えます。
こう解釈しないのは、そう教えられていないからです。
機能和声ではこれは同主調からの借用、と学びます。
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一方ネガティブハーモニーでは?
ネガティブハーモニーが作った対称性は、先の資料等を参考にしますと、
C△はGsus4(b13)omit5に変換されます。
c(全)d (全)e (半)f(全)g (全)a (全)b (半)c
この音階のgから下降して作るミラースケールです。
g(全)f (全)e♭ (半)d(全)c (全)b♭ (全)a♭ (半)g
です。構成はGのフリジアンですが、これが見事Cナチュラルマイナースケールの構成音になるわけです。かつ同じ音程展開で。
Gsus4(b13)omit5を便具的にCmで解釈しよう、という暗黙の了解になるわけです。
ここをスルーしていいのかな?とも思いますが、良いことにしましょう。
こうなるようにgが中心になっているんですね。
結果的に「eとe♭の真ん中が真ん中なのだ」、という理屈が出来上がりますが、この「eとe♭の真ん中」というちょっと意味の解らない対称点は、C△とCmの対称を作るための点だったわけです。
gは「cの完全五度音だ」「cに属する一番の右腕」。などと色々と機能和声論に相通じる理由付けでgにされていますが、この対称性はあくまで一つの選択肢に過ぎず、どの音を対称性の真ん中にしてもそれなりの音楽性はできることを後で証明しますね。
そもそも論ですが、
G7→Cは成り立つとは自然界では決まっていません。勝手に我々がそう決めてしまっているだけです。
ネガティブハーモニーの理屈を受け入れるためには機能和声の理屈を鵜呑みしている必要があります。
しかし普通はそれが音楽教育の本流ですからそれはスルーされるでしょう。G7はCには解決しない、と思っている人にはネガティブハーモニーは根拠すら危ういわけです。
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cとgを関係させてしまう時点でネガティブハーモニーは機能和声の論理にすいこまれていきます。
ただミラーハーモニーにするとCフリジアンですから、これはFmキーです。これをCマイナーキーにするために人為的に四度ずらしてGフリジアンを作ることでCメジャーとCマイナーという軸ができる、という発想が画期的なんですね。
理論は人が作ったものなので、それならあなたはあなたの方法論を作るべきであると考えます。
独自性のアイディアとしてネガティブハーモニーは発想の転換になり、あなたを刺激してくれるでしょう。