音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

<コラム>『クリスマスキャロルの頃には』でオルタードを学ぶ★★★

公式を載せておきます。

稲垣潤一, 広瀬香美 - クリスマスキャロルの頃には - YouTube

旋律的には、使用音の周波数の関係でこちらの方が聞きとりやすいです。

open.spotify.com

上記youtubeでは、0:46ごろ。

このspotifyでは0:45のフレーズ。

Youtubeでは広瀬さんが参加している関係で冒頭のキーが上がり、稲垣さんが歌う寸前のオルタードのフレーズで、原曲のキー(さらに-1)に戻す荒業が展開しています。

 

spotify

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Youtube

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www.ufret.jp

耳に残る80年~90年代の香り。いいですね。

懐かしき我らが青春の香りww。

音を見てわかる通り、完全にV7のテンションを中心にメロディを作っています。

 

何でこんなことが出来るか、というと、これには元ネタがあります。と言ってもパクっているわけではありません。これこそがビ・バップから来た「伝統技能」なんです。

 

ちょっとラインも雰囲気も違いますが、我々はこういう音楽を聴いて「オシャレである事とはどのような雰囲気か」を、学びました。

Billy Joel - Just the Way You Are (Audio) - YouTube

一か所例にとれば、こちらの3:30の歌に戻るところ。

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これはさらにジャズ的で、Em7/Aの上で、A7解釈で流れる柔らかいテンション含んだフレーズです。オルタードテンションは経過音的に使われています。

特にレ#の音。かっこよかったなーーー。

 

で、この雰囲気なんだろう‥なんでわざわざ予備要員のはずのテンションを目立つように使うんだろう・・・って思って調べていくと、やはり彼に辿り着きます。

我々はジャコパスから彼の存在を知ることになります。

 

ここでは貼れませんので公式原曲を探してみてください。

この曲の0:30に次のようなフレーズが出てきます。これがテーマメロディに含まれてる、っていうのが凄いですね。ビバップでは当たり前なのですが。

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パーカーは、わざとテンションを使ったフレーズをいつでも繰り出せるように猛練習していました。これを「パーカーリック」などと呼んだりしてます。

ジャズ的フレーズですが、違うんです。完全に個人が生み出した「パーカーのフレーズ」なんです(とされています、、)。

このフレーズ感覚が現代の音楽制作・表現に与えたその衝撃はいまだに収まりません。

今回のキャロルフレーズの起源も結局ここに辿り着きます、

 

パーカーは、II-VをVだけに解釈したり、II-VをIIm7/Vへとまとめて解釈したり、コードを越えてスピード感で押し切るような新たな旋律感を生み出してきます。

ちょっと変わった人で、一度吹き終わっても間違ったり、気に入らないと戻って吹き直したりしたような人で笑、どこまで彼の意図が譜例に反映されているか微妙ですが、彼の曲を10曲も聴けばわかります。

コイツ天才だ。

パーカーをコピーした、なんてセッションの場で言ったら最後、楽器で殴られて殺される、というNGワードです(演奏で叩きのめされる)。半分冗談ですが、音楽をやってる人は、いかにそれが凄い事か、もう老害都市伝説になっています。安易にパーカー関連の質問しないように、なんて言われたくらいです。

ヴォルデモートかよ・・・って思うはず。

 

でも新たな音楽を創っちゃった人だから。その辺は「チャーリー・パーカーの技法」に詳しく。

www.terrax.site

あ、これ読んで分かる人、学校に2-3人ぐらいだと思うので、買って飾っておく本です。

そしてプレイヤーには見せないこと。分からないがゆえに

「理論じゃねーんだよ」と言われます。これはその言葉通りではなくて、汎用化された理屈で考えている人がプレイヤーに少ないだけです。そういう人でも「俺の論理はある」ですから、その辺で音楽理論不要論には飛びつかないように。

 

でも実は理屈なんだ、っていうことを解説した本です。

数字分析をみて辟易したら、そのあたりから自己解釈を進めないと頭パンクします。

後は練習あるのみなので、本1割、練習109割ぐらいでおねがいします・・。

 

話逸れました。

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で、この衝撃的な、「テンションでフレーズ創っちゃうやりかた」が後にバークレー音楽大学で体系化されてジャズセオリーが出来ました。

スケールが教科書に出てくるのはその後です。

 

そう、バップはジャズスケールではないんですね。モードとかまだ生まれてないから。

だからバップやる人は、スケールなんて勉強しないで、まず1年パーカーのコピーをして10曲譜面見ないで弾けるようにしたらそれでOKです(ジャズで食っていきたい人はそこから誰かについて)。

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そうしてオルタードドミナントスケールが出来て、

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こういうオリジナルフレーズも許容されるようになったわけです。

テンションは各位で調べてください。これをへんちくりんだなぁ、と思っている間は、

オルタードの魅力、アウトサイドフレーズの魅力、はなかなか入ってきません。

 

その中で、今回の「クリスマスキャロルの頃には」のフレーズは、J-Popの神様たちが作ったフレーズですから、すんなり入ってくるし、耳に残るし、クリスマスの切なさとかもどかしさ、みたいなものも表現していて、最高だと思いません??

ジャズの難解なオルタードフレーズをポップスに昇華してくれたフレーズですね。

勉強もはかどります。でも元はパーカーから来ているので、ぜひ音楽やる人は一度チャーリー・パーカーの音楽を勉強してみてください。あれは鑑賞する、というより、勉強して自分でやってみてわかる凄さなので、ぜひ聴くだけでなく、弾いて(最初は1年ぐらいわからないんで、初心者が本気でやると理解まで2年かかります。もし半年で"これは気合入れてやらにゃ、と思えたらあなた才能あるかも!")。

もし初学者で感覚の優れた人だったらオリジナリティを作る、というこ付いて与えてくれるそのインスピレーションにきっと人生史上最大の興奮を味わうことでしょう。

 

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もとい。オルタードという存在について最初のディスカッションをかわすときには、この「クリスマスの頃には」が良いと思います。

でも若い子は知らなかったりするので、もっと新しいところでそのままオルタードのフレーズがあればぜひ教えてください。

なかなか「そのまんま」使うって恥ずかしいんですよね笑・・。

 

とても良くできた導入フレーズだと思ったのでメモメモ記事にしました。

 

 

   

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