2018.7.2⇨2020.11.4更新
十二音連関表、増四度環において、
G⇨上方のドミナント
F⇨下方のドミナント
とイメージができるのではないか、としてきました。
これは、このように理解するべき時と、そうするべきではないとき、を分けられる分別が必要、となってきます。
機能和声論ではGはドミナント、Fはサブドミナントであり、その地位は揺るぎがたし、と学びます。
しかしサブドミナントからの終止の方が音楽を際立たせる、時もあることをやがて学びます。
本当にFは「サブ」というイメージで良いのか。
前回も述べましたが、過去に作られたイメージは、過去の音楽を作るのに有効でも、果たして現代においてそれは有効であるのか?
何より自分にとって有効であるのか?という問題にいずれぶち当たります。
そこで不定調性論は「ここのイメージで表現手段を構築する」ことで自己表現手法の輪郭をはっきりさせる手助けをしよう、という考え方を提示します。
例えば、その一つとして、上方のGに対して、Fを「-G」という存在としてとらえてみる、とどうでしょう。
G→C
と
-G→C
ですね。後者はいわゆるサブドミナントモーションです。二つの基本モーションがあれば、
G7(b9,b13)→C
に対して
-G7(b9,b13)→C
も作ることができる、と言えます。
逆にこうした等式による関係性をあなた自身が創造できるなら、もっといろんな連関性を感じることもできるし、学んできたこととは違うあなただけの連関性を発見することもできます。「自分で考えた事」は教科書に書いてあることを身につける事より、自分の中でしっくりくるものです。
しかし「本当にそれでいいのか」はしばらく音楽を作ってみるしか答えば出ません。
故に、イメージを得て、仮の手法に昇華したら、あとはひたすら実践で熟成させる、しかありません。
既存の理論を学んでいると、「これはこうである」としか言われないので、試す余地がありません。しかし自分の着想がもたらす不確かなことは試さなければならない、とウズウズします。その方がクリエイティブです。
ぜひ、理論を学んだら、自分だけの世界観を作ってみてください。
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