基音がcであるとき、cを表面基音、f#を裏面基音とします。
増四度という関係が、鏡の内と外のような関係と見て取ることができます。
c,f#でねじれるようならせん構造です。
例えば、
C(#11)
(構成音はc-e-g-f#)
というコードはcの表面領域和音に鏡に映ったcともいえるf#が同時に鳴っている和音であり、この和音のときf#、c#、a#といった音を弾くことでCu5の裏面のF#u5の構成音を弾いている、と考えることができるようになります。
c<=>f#(領域の鏡像の等式)
c,g,fの領域関係で唯一現れなかった音f#がその鏡面的な存在として登場します。
このIとIV#音は、12音連関表の同じエリアに存在する音のためであり、お互いがその上下の領域へのほぼ同等の共通音への反応を見せ、かつ強化します。
(同じエリアの四音のいわゆるディミニッシュ集合は、上下の領域への反応領域を類似・共有しているといえます。)
つまり「他のエリアへの強い移行可能性を潜在させている」と解釈することができます。このことは機能和声理論におけるドミナントコードの性格に反映させることができます。不定調性論では後に示す「動和音」という存在の確立に役立ちます。
(教材より)
一音という素材について、数理親和音モデルが導き出されました。
一音に対する親和関係の具現化です。それぞれの領域の交差が、主要三和音の関係性を炙り出します。 そしてそれらの関係性を十二音に拡張することができました。
更に教材では、十二音連関表を縦に分割して変換するモデルについても述べています。