音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

<不定調性論用語/概念紹介37>増四度環★★★★★

上方領域 
~c-c#-d -d#-e-f- f#- g-g#-a-a#- b- c~
下方領域
~c-b-b♭-a-a♭-g-g♭-f-e- e♭-d-d♭-c~


当然このように考えてもcとf#は同じ位置にきます。これらの対称関係はc:f#すなわち増四度の関係が1:√2という関係だからで、下のようなモデルにすることで二つの領域を結び付けて考えることができます。これはオクターブの関係を1:2に分けたことでその中間が√2という値を持つ音になったからです。

この節(ふし)のような存在を利用し、次のようなモデルを作りました。

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増四度環と呼ぶモデルです。

上下の音階が増四度を節目に結びついています。

これまでは平行線をたどっていた二つの音階が二つの「節」で結ばれています。

 

f#節を挟んで上方秩序と下方秩序の6音を上下で組み合わせることで12音全ての音種類が現れるようになっており、それが二つの鎖のようにつながれた音階モデルです。
なお、この環において左半分の環を「表面環(明環)」とし右半分を「裏面環(暗環)」と呼ぶことにします。

ここで二次的な増四度も姿を現します。基音エリアのd#とaです。この音程関係も増四度なのですが、cとf#は音名も共通して上下に配置されるのに対して、d#とaはそれぞれが対面し、二次的な節を作っています。

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ここで次のような表記を作っておきます。
Cu5=sCu5
F#u5=hCu5
D#u5=whCu5

Au5=wsCu5

sはSurface「表面」とし、hはHide「裏面」、wはWing「側面」とします。cを基音としたとき、仮想立体的な配置をイメージしてください。

 

これにあわせて十二音連関表にもc・f・gの縦の列を表面属、d#・aの縦の列を側面属、f#の縦の列を裏面属としました。


またこれらの立体的関係は、一つの面を基礎した場合、互いを衛星のように振舞わせることもできるでしょう。

たとえば以下のようなテンションとしての付属音などとしての利用です。
Cu5(d#)
これはcの上方五度領域の和音に側面領域基音を加えた和音です。また和音を合成することもできるでしょう。
Cu5(Au5)
これらは、新しい12音の関係性に基づいた新しい和音のタイプであるといえます。

またこの和音は、c,c#,e,g,aというスケールになる、ともいえます。この音階をC△のコードの上でアドリブ音階として用いると「Cジャーコード上でCの側面領域の和音構成音をアドリブに用いた」という説明になるかもしれません。

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これを音楽制作において、音楽学習においてどう使うか、ということを皆さんは考える必要はありません。

これはたとえばC△(m3)のような和音が、あなたが聴いたとある音楽のなかで、意味ありげに響いたとき、きっとそれは調的な関連や、何らかの錯覚や、C7(#9)的な要素とか、いろいろ脳が判断する原因があるでしょうが、そういう「理屈」をすっ飛ばして、ただ「この響きはまるで~~~のようで好きだなぁ」ということだけを感じればよい、ということにしたわけです。

もちろん実際あなたが音楽を作るうえでは、機能和声も、ジャズ理論も知っているに越したことはありませんが、「このカッコよさはジャズ理論で解説すると、どんな理屈なのか」というような発想で学習する必要はない、という考え方もある、と思ってほしいのです。

これまで見てきたとおり、平均律には数理があり、様々な関連が見られます。

この記事で述べたように、機能和声が示さなかった音同士の関連を実体的な連関にまで拡張しておけば、それは建築物のような関連性を持っています。

そういう関連性、フラクタル的なみかけ、構造美に対して、人の脳は何らかの理由から個々人が感じる「美的反応」を覚えます。この原理が良く分からないですし、意識してその感情を取り扱うことはできないのですから、理屈ではなく、その「感じてしまった美的感情」についてより良く理解して創作を進めて頂きたい、と考えています。

何故そう感じるか、は不定調性論でもまだまだ解説できていませんが、12音の関連性のフォルムは作りました。

「このように関連しているのだから、自分はきっとこういう音に対してこういうことを感じるような脳を持っているんだろうな」という分析は良いと思います。

あとはそういう自分を理解して、自分のやり方で信じる方法を作って欲しくて、この関連性を教材では述べて、形にしているわけです。「理論で説明できるなんらかの理由が合ある」という発想の次の段階の発見のための材料として頂ければ幸いです。