音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

<不定調性論用語/概念紹介25>調性という名の幻想3

人が慣習によって作り上げた枠組みの拡張により、意識の奥に潜む調性への執着をいつでも解き放てるような気分にしておく作業です。教材ではこれに第一巻を費やしている、と言っても過言でもありません。

表1

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こんなふうに拡張できます。記録塗ったセルが、機能和声論で活用されている部分です。

 

そもそも伝統的に近似値である第七倍音を取り除く、という行為ですが、第三倍音も近似値です。「何処までを近似値と呼ぶか」を慣例的に決めているだけで、自然の掟があるわけではありません。

チョーキングやグリッサンドといった技法が作る旋律を許すのであれば、十分にこれらの音は「使用できる範疇に収まる」わけであり、そうなるとあらゆる音を12音のいずれかの近似値として振りわけてしまう事ができます。

あとはそうした振り分けによって行われる組織図がどのような姿をしているか、ということを突き詰めておけば、後は個人個人が、自由に「いやそれは認めない」「いやもっと拡張できるはずだ」と進めていけばよいと思います。

これに対して機能和声論は、「いや第七倍音の反応は認めない」と言っているにすぎません。それが伝統ですのでそれに従いたい、という方は上記の表から、ご自身が「反応を認める音」の範囲を定めればよいのです。

 

不定調性論では、それを拡張していった場合、どのような連関性が生まれるか、ということを列挙しているわけです。

 

表1を見ると、上方下方でかなりの重合音があります。

機能和声論を成立させるためには、これらの重合音を排除しないとドミナントモーションなどの低音優先の根拠が生まれません。逆を云えば、それらが生み出された背景には、上方五倍音までを根本的な世界観とする、としたためである、ということもできます。

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上記のようにまとめられます。実はこの三音は、cを中心にしているのではなく、巡り巡って関連しているのが分かります。

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表1を関連音でまとめると、

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こうなっちゃうわけです。一方が一方の上方であり、一方が一方の下方音になるわけです。こうなると、上方倍音列というのはその音のみに連関していることであり、別の実音が出てしまったら、これらの世界観はゴッチャになって存在してしまうので数理上は、あとは扱う人の解釈になってしまうわけです。

 

ゆえに「どの音にどこまで反応させるか」ということを自分で決められる、と考えたほうが良い、ということです。

その反応音を機能和声内にとどめるか、もっと拡張させるかを音楽によって決めてもいいですし、気分によって決めても良い、ということが言えます。

そしてこれだけ密接に連関していると、どのように解釈しようとしても成り立ってしまう要素があるので、理論的解釈は人と異なる場合もあり、ケンカの原因にもなるので、最初から自分の顕在意識が拾い上げた感情的根拠と、あなたの顕在意識が拾い上げた感情的根拠が異なることは致し方ない、という前提で話し合わないと二人が異なるものの見え方を個々の顕在意識で判断しているのに同じ答えを出そうとして争っても仕方がない、ということになります。

 

教材ではこれをとことん突き詰め、どのような関連性があるのか、ということを追求してますので、音楽理論解釈の違いがなぜ起きるか、ということに興味がある人の資料となると思います。特に講師陣の方はそれぞれ探求いただくと、様々な方法論が全て「見方の問題の寄って生じてる差異にすぎない」という点で繋がっている事がお分かりいただけるので、教えることが怖くならない、と思います。

音楽理論のパンドラの箱の中身は意外と万人にやさしい答えをくれます。

これは人生観の他の事にも応用可能であると思います。

<教材参考図例>

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