音楽教育活動奮闘記

不定調性論からの展開~音楽思考の玩具箱

個人モジュールの関係性構築で生まれる私的音楽分析の手始め

5分で読めます。実践応用編です。

 

表記概念等は下記より。

www.terrax.site

こういう音楽があったとします。

最初の音集合はCM7的です。

そこから半音反行移行してc#,d#,g#,a#という集合に不定調性。

 

これは、どう考えるでしょう。

 

この音集合連鎖を例によって連関表に当てはめましょう。

中心をcにすると、上記のように移動します。後半の音集合をみてピンときます。

2番目の集合をd#を中心にしてみると、

このようになります。cのモジュールを青い矢印の方向e,bを動かして、d#のモジュールに移行すると、上記下図のようになります。

他にも関係性が作れましょうが、今回はこれがいいと感じているので。

 

S/RG記法を書くと、

最初の集合は、

Cu5-

Cu5(b

\|C-

2番目は、

D#u4(c#

D#u4(/

D#ul3/

D#|u4

 

個人的にバランスがいいと感じるのは、

Cu5- → D#|u4

とか

Cu5(b → D#u4(g# または Cu5(- → D#u4(g# 

です。

 

結論として、

この音楽は、不定調性論では

Cu5- → D#|u4

と表記され、cのモジュールからd#のモジュールに移行した関係性を構築できます。

 

制作中はこんなことは考えません。分析時の後付けです。

 

その音楽を理解する時、既存の方法論しかないと曖昧で音楽理論的に窮屈な解釈になったりします。解釈ができないと理解が進まず、価値が下がり存在意義が路頭に迷います。自分のモデルがあると、モデルに沿った分析をすることができます。解釈が生まれると作品を所有することができます、所有が許される気分になります。


分析がうまくできなければ、モデルに問題があります。

 

鍛えるべきは、音楽理論的知識ではなく、自分が用いるモジュールが構成するツールの洗練化です。

 

他人が他人の方法論で分析するのは無視します。それはその人の音楽理解だからです。

よって、人様の曲を分析するのも現状気が引けます。

 

自分の方法論に基づいて考え、自分にさらにどんな知識や学びが必要か見えてくるので面白いです。

 

情報過多で疲れている方は、他者知識を経ず、自己方法論から世界を紐解いてみてはどうでしょうか。

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