音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

<不定調性論用語/概念紹介16>上方性・下方性和音構築法★★★★★

 

四つの三和音を作りました。

上方五度領域 c-e-g

上方四度領域 g-b♭-c

下方五度領域 c-a♭-f

下方四度領域 f-d-c

 

これらが実際には音楽で自在に使われていくわけです。

この時、基音が上部にある和音、下部にある和音があります。

これは基音から見た序列によるものです。この見かけの状況から、

「上方性和音構築法」

「下方性和音構築法」

によって和音の集合は作られる、とします。

 

C△はcを中心にcが発生する和音で作っていきます。

これは上方に和音を作っていく、と考えます。

逆にCl5はcを発生させる音集合で和音を作っていきます。こうした和音を「下方性和音構築法によりできた和音」とします。

そしてこれらをさらに中心音を扱う状態を加味させます。

 

下方の領域Cl5は実際に使われる際にFmとして扱われることが多いので、f音を中心として考える状況が増えます。その場合、Cl5における第三倍音を中心に和音を取り扱う、ということになります。こうした和音を「一次下方性和音構築法」によって作った、と考えます。

 

同様にC△に「一次上方性和音構築法」で考えると、g音が中心になった和音ですから、G6sus4.omit3

と表記できます。また第五倍音を中心に考えることは「二次和音構築法」になります。

C△を「二次上方性和音構築法」で考えますと、eが中心音になりEm(#5)のような和音になると言えます。

 

これらの和音についての言及は、機能和声論が作った絶対的な和音への形式を補い、付随するものです。

短三和音の根音が五度の音であるのは何故か?という問題の一番考えるべき点は、短三和音の存在そのものがまず疑われるべきです。

ひょっとすると、基音が上部にある和音への感覚的理解が短三和音への情緒的反応そのものかもしれません。そうした場合、基音が上部にあらねばならない、という考え方は

消え去ります。しかしそれはなんとなく許せない、などと考えるのが人の性でしょう。

そこで、構築の仕方のバリエーションで和音を決めていけば、迷わないのではないか、という提案です。人が短三和音を選んだ科学的理由が提示されるまでは、構築法が分かれている、という理解でこの音楽という幻想の理論を理解しておいて、科学的研究を見守る、とし、その間、今できる音楽表現、作曲活動に邁進しよう、というわけです。

作曲家志望者が初期学習時、理論的な案件で迷わないようにしている、と言っても良いです。

 

じゃあ CM7(9,#11)/Fは何構築法?ですか?

 

こんなこと考えないでしょう?

でも不定調性論では、こうした上方と下方の音が混在した和音を領域断層和音などと呼んで考えていきます。

こうした和音を和音原理に照らし合わせて考えることをやめてしまう理由は、そもそも根源的な音楽への思いを理論に落とし込んでいない、という人の精神状態に依存していると思います。ゆえに基礎理論は膨大な理詰めで構築できるのに、じゃあ現代音楽はどう考えるの??となったとき、そこにはなぜか感性を用いようとする、わけです。基礎がそこまでがっちりできていたら、12音を用いているなら絶対的にどこまで行っても通用するのが理論です。

 

ゆえに、はじめから形態分析と感性の二つを武器に音楽を理解するための方法論を、伝統理論を学習する補助的な役割を行う存在としてもらえれば、完全即興音楽を解説せよ、となってもスムーズではないか、ということです。