音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

avoid noteの擦れた質感を活用する~ユーミン歌詞・コード考59★★★

ユーミンの不定調性コード進行研究

ユーミン歌詞・コード考 / アルバム「Frozen Roses」1

歌詞については掲載しておりませんので

www.uta-net.com

こちら等にて確認ください。

 

 

Now Is On


(ユーミンレポートより)

Aメロ(アルバム収録タイム 0:28-)
Dm7 Am7 |B♭ F |Am7 Em7 |F C |
Dm7 Am7 |B♭ F |C G|FM7 |
Bメロ
Em A |A F |Em A |A F |
Em A |A F |Em A |
キーの特定が難しい少ないメロディラインで進行していく。

またFのキーと考えた場合のEmやAのキーと考えたときのB♭は、共に半音上下の和音になるが、これもキーを示唆しているのではなく、半音上(下)の和音に向かったときの進行感によって生まれる展開が自然と感じられるならそれを用いることができる、ということになるだろう。

 

恋は死んでしまった

(ユーミンレポートより)

Aメロ(アルバム収録タイム 0:35-)
F#m |F#m |D |D |
E |D |F#m |F#m |
F#m |F#m |D |D |
E |D |F#m |F#m |
Bメロ
D |D |E |E |
サビ
F# F#/F |F#/E |F#/D# F#/D |F#/C# |
F# F#/F |F#/E |F#/D# F#/D |F#/C# |
B |C# |B |C# |~Aメロ
サビのクリシェと転調感が斬新である。

サビの分子のコードはもっと解釈の異なる複雑なコードかもしれないが、上記の解釈でも十分同曲の雰囲気を作ることができる。

ちょうどAメロのマイナー感から、F#メジャー感に移行しながらもメジャーキーとはっきりしない流れになっていることで転調感のグラデーションも不自然ではない。

またこのサビ部分は、c#-g#-f#-c#-g#-f#、fr#-e-d#-c#-bというメロディが繰り返されている。この部分のコードをF#とした場合、bは4thであるから、本来はavoidされる音だ。もちろん長い音価で使われていないし、私のコード解釈に誤りがある可能性もある。しかしながら聴感上、avoidの感じが出ているので、むしろ「avoid感」というのをここで活用する方法を考えてみてはどうだろう。
つまりメジャーコード上の4度は、一瞬用いることで、摺れたような色彩感が出るときがある、ということである。このサビの歌詞は、「November 声を聞くだけで 2度ときみに会えないよ Remember 過ぎた約束は 煙る道に浮かんでる」となっており、たしかに「叶わない想い感」がavoidの摺れた感じを伴い表現されている。

 

巻き戻して思い出を

このアルバムは前作と全く違って、コードが凝ってます。

EbM7 |F7 |BbM7 |Gm7 |
Am7 |D7 |GM7 |% |
EbM7 |F7 |BbM7 |Gm7 |
Am7 |D7 |GM7 GM7/F#|Em7 Em7/D| |
EbM7 |Eb/F |~

で、曲中では、
Gm7 |C7 |F7 |BbM7 Am7(b5) D7 |
Gm7 |C7 |F7 |BbM7 Bb7 |
Am7(b5) D7 |Gm7 D7 |EbM7 F7 |Gm7 |

また中間部に、さだかではありませんが、
Am7 C#dim7 DM7 |Gm7 Bdim7 CM7 |Fm7 Adim7 BbM7 |EbM7 C7 |F7sus4 F7 |
ここはどんなふうにアレンジもできますので、こういうテイストの中間部も変化があって勉強になりますね。

 

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Blue Rain Blue

重い内容を軽く歌う。
悲しい歌を明るく、軽い歌を切なく。ですね。

 

 

Josephine
(ユーミンレポートより)

Aメロ(アルバム収録タイム 0:15-)
Am7(9) |Gm7(9) |Fadd9 |CM7 |
Am7(9) |Gm7(9) |Fmadd9 |E♭M7 |
メロディがコードに沿って作られている。9thの含まれるサウンドのクオリア。

高いボーカルメロディもその効果に則している。

また二段目は三番目のコードがマイナーになり、同じメロディで違うコードが使用されている形になっている。

これを成り立たせるためには、作曲者がその流れを納得しながら変化させていっているという根拠が必要である。

ここでの歌詞は一段目「Josephine いとしい Josephine on my mind」二段目「去りゆく あなたの横顔を」となっている。これもメロディが先であれば、たとえば、最初は両方ともFadd9だったかもしれない。

そうした意味と風景と情景をつむぐような作曲方法で推敲を十分に行えば、単純でとっぴな進行にも作る流れの中で意味と情景を感じ取り、それを曲の完成へのモチベーションにできるかもしれない。

 

Sweet Surrender
(ユーミンレポートより)

Aメロ(アルバム収録タイム 021-)
A♭/F |G/F |E♭7/F |F |
A♭/F |G/F |E♭7/F |F |
とくにAメロの部分が応用ができそうであったので、ピックアップした。ジャズスタンダードなどにも見られる進行だが、このパターンで言えば、E♭7/FはG#/Fとなりそうだが、メロディに♭9音であるa音が使用されているため、このように表記した。同アルバムでは特にこうした実験が繰り返し出てくる印象があった。

 

8月の日時計

イントロのフレーズにある種の「聞き覚え」があると思います。これは、

C CM7 |C7 CM7 |

不定調性では、「掛留概念の拡張技法」と呼んでいます。
これが拡大されると、あらゆるコードトーン一音変化に応用できます。

たとえば、
C |Cm |AbM7/C |AbM7(b5)/C |
みたいなものもこの部類に入ってしまうんですね。


Lost Highway

お家芸、ヘッドライト技法ですね。
力強いサビは、Db Eb |Fm |のエオリアン進行です。
いわゆるVIb-VIIb-Im、"ロクフラナナフラ"。

AメロのFm7 |DbM7(9) |も印象的です。この9thが広がり感を与え、どこか空虚感を演出しています。


流星の夜
この曲のイントロもDb Eb |Fm |になっていて、前曲を受けているようです。
そういう空気感の中で最終曲を聴くと、何やら大きな説得力を全身で浴びながら聴く事ができますね。

 

 Frozen Roses