音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

言葉の意味の向こう側を見る~ユーミン歌詞・コード考57★★★

ユーミンの不定調性コード進行研究

ユーミン歌詞・コード考 / アルバム「Cowgirl Dreamin'」

 

歌詞については掲載しておりませんので

www.uta-net.com

こちら等にて確認ください。

 

ありのままを抱きしめて

ユーミンの歌詞の中の死についての着想については、他のページでも触れています。

===
恋愛や人生はどうなるか分かりませんが、死は決まっています。
先の見えないことへの不安から歌を作ったり、思いを歌ったりするわけですが、人生どんなに苦労しても努力しても、死だけは避けられません。

未来が定まらない想い(恋愛、人生)と、定まったものへの想い(死、季節の巡り)。

 

大きな宇宙の巡りの外側から見た恋愛と、恋愛の中から見た恋愛、という視点の違い。

こうしたシークエンスや対称性は普段の日常会話で話していてもしっくりこないものですが、歌、という世界の中に配置されることで、脳内でチェスの駒のように活発に戦略的に印象を動きかしてくれます。

 

歌にコンプレックスがあった、というユーミン氏の感性の出口が、こうした歌詞の印象世界において完成していったのはとても興味深いです。

 

 

別れのビギン

メロディに9thが印象的に使われています。
これもやはり「9thってこういう響きがする」というのを知っていないと出てこない。

 

9thの響きにはルートに対して鋭いですが、5度音に極めて協和する音。

温和な浮気者のように感じられる音です。

この性格を思考のエッセンスにしていろいろな歌詞やコードの流れに9th感を用いると、その歌詞のメッセージや響きの印象が聴き手に様々なイマジネーションを与えるのではないか、そんなふうにも感じます。

 

 

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忘れかけたあなたへのメリークリスマス

(ユーミンレポートより)
Aメロ(アルバム収録タイム 0:25-)
B♭/C |A♭M7/C |B♭/C | Fm7/C Cm7 B♭/C A♭/C |
B♭/C |Cm7 |E♭m7(9)/A♭(A♭7sus4) | B♭m7(11) |
Bメロ
Gm7 A♭M7 |Gm7 Cm7 |
Gm7 A♭M7 |Gm7 Cm7 |
F |F |G |G |
サビ
A♭/B♭| B♭/C |A♭/B♭|Cm7 |
A♭/B♭| B♭/C |A♭/B♭|Cm7 |
浮遊感溢れる楽曲。

聴取したコードは実に多解釈可能でこの通りだとは全然思えない。

 

長調と短調の狭間におかれた浮遊感のような印象の中で、冬の寒々しさ、クリスマスの世情に流されそうで、流れていかない、浮いてしまった主人公の心情のようなものを、冬の冷たい風に浮いてしまう足元、そんな印象を想起させる。

 

前半はベース音がcで統一されている。ベース音が統一されることで生まれる効果について考えれば、"世情は流れていくが、自分は追いついていけない、変化できない"歌詞の「Bye Bye may rainy Christmas水色の包装紙に染まった街をただぼんやり見てる 空っぽのイヴの午後」という表現と同期するのではないだろうか。

 

Midnight Train

ビバップの雰囲気は、まるで夜の帳のようですし、地下鉄の中で繰り広げられる人間模様のよう。言葉にしようと思えばできるけど、してみると音楽以上には雄弁にならない。

ジャズがインストゥルメンタルである大きな理由は言語で感じるよりもより感じるものを感じたいから、でしょう。

そういう意味でも実験的に感じますし、十分ポピュラーミュージックの裾野をこの一曲で拡張している、とも言える曲に感じました。

言葉の意味の向こう側を見る、という段階にユーミンミュージックが具体的にかなり食い込んできてますよね。

 

最後の嘘
 

F# |F#M7 Bb7 |Ebm7 Ebm7/Db |BM7 Bm7/D |
BM7 Ebm7 |Db/F BM7 |

豪華。

 

カゥガール・ドリーミン/松任谷由実 

 

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