音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

20,中央フリーウェイ(II-Vの連鎖感をポップスに翻訳する)~ユーミン歌詞・コード考11★★★★

ユーミンの不定調性コード進行研究

www.terrax.site

 

歌詞については掲載しておりませんので

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こちら等にて確認ください。

 

20,中央フリーウェイ / 松任谷由実

 

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Aメロですが、
FM7--Fdim7--D7--Gm7--Edim--C7--Fm7--Bbm7--Bbm7/Eb--AbM7--Gm7(b5)--C7sus4

というのが骨子のラインです。
この進行をジャズの和声連鎖に"翻訳"してみます。

FM7--Am7(b5)-D7--Gm7--Gm7(b5)-C7--Fm7--Bbm7--Bbm7/Eb--AbM7--Gm7(b5)--C7sus4

というようなII-Vを用いたビバップになります。

 

II-Vを挟むことによって、次へのキーが意識の上で"準備される"ので、歌いながら転調の準備がしやすく、派手な"転調"ができます。

スティービー・ワンダーなどはこうした準備をしないでいきなり転調をしてしまう、という歌唱力を持っていますので必ず転調前にII-Vをしなければならないというわけではなく、あくまで慣用句です。しかしこのユーミンソングは当時においては画期的なコンセプトがありました。

 

こういう和音の連鎖の発想の展開を不定調性的な発想と言います。

作曲をするうえで、よほど"私はどんなふうに和音が進んでも絶対に二番で主和音に戻る自信がある!!"という人でないと、なかなかこうした目的地の見えない転調はできないでしょう。

たいていは"果たしてこのまま行って、ちゃんとした曲になるんだろうか"と、不安になるからです笑。

この曲は結果的に、高速道路をすっとばしてめまぐるしく景色が変わる疾走感のような曲想となっています。それが凄いんです。無意味に思える転調までクオリアをあてはめたんです。それまでは現代音楽やフリージャズのようないわば"それ、適当にやってるからできるんでしょ?"みたいな偏見で誰も聴こうとしなかった無軌道なII-Vの連鎖に「ランダムに変わる景色」というクオリアをあてはめて、ポップスにしてしまったんです。

例えが見つかりませんが、それまで誰もが価値の決まってしまったものと思われたもので商売を始めるようなものです。海岸に落ちている流木がインテリアになる、と販売しはじめるような発想です。

   

ちょっとやってみましょう。
作成例;
CM7 |Bm7 E7 |AM7 |Gbm7 Db7 |GbM7 |AM7 |CM7 |B7 :||

メロディが乗せられる人は乗せてみてください。
確かに「転調」なのですが、これは指が流れるままギターのコードをつなげただけです。

 

転調という概念は広義に使われていますが、このようにビ・バップ的なII-Vを連続させると、自動ドアで仕切られた部屋を順次移動するように、迷うこと無く導かれていきます。

このような概念を不定調性論では、「ブロックチェンジ」とか「旋調性」などといいます。どんどん調のブロックが入れ替わり、元に戻ります。

もちろん戻らない場合もあります。

 

一番簡単なのは、和声単位=決まったタイプの和音だけを連鎖してその進行感が持つストーリー性を探る方法、を定めることです。

ビートルズなどがメジャーコードや7thコードをつなげて独自の雰囲気を作っていった、というようなやり方から展開するといいでしょう。これは意識を慣れさせて、イメージが湧くように訓練する事で和音の連鎖にあなたなりの解釈や意味を当て込めるようになります。

 

たとえば、XM7という和音だけを用いて作曲してみます。
作成例;
CM7 |AbM7 |GM7 |EbM7 DbM7 |CM7 |

最初はこうした簡単な数小節の和声にメロディをおきます。

こうやって特殊なコード進行に慣れていきます。

 

結局CM7--AbM7の流れは、AbM7がCマイナーキーのVIbである、とわかればサブドミナントマイナーコードVIbに移行している感覚を用いている、ということになります。

でもCメジャーキーやCマイナーキーは意識しません。その代わりVIbM7が普段持っている感覚、VIbM7に移動したときに感じる音楽的クオリアを特定できている経験値が必要です。

 

同曲、最後にサビの部分、
DbM7---AbM7--Ebm7/Ab
DbM7---Fm7/Bb--Bbm7/Eb-Gm7/C
IV/Vのオンパレードです。これはV/IVが和声単位になっている、ともいえます。これもそれぞれの響きを理解し、それをつなげたときどんなふうな雰囲気になるか、を把握していないとつなげられません。

ジャズでは、II-Vをつなげるのはごくごく当たり前ですが、その効果があまりに似通ってしまうため「どれも同じ曲」に聴こえてしまうアンチジャズファンも多いでしょう。

しかしユーミンは、このII-Vが連鎖したときにもたらされる「疾走感」「場面変化感」「清々しさ」のような雰囲気を感じ取り、そういう「疾走するような楽曲」を作ったのではないか?と感じます。ジャズの手法をポップスに翻訳したわけです。

 

 

 14番目の月

 

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