2018.4.10⇨2020.9.15
スティービー・ワンダーの不定調性進行分析
My Cherie Amour / Stevie Wonder
同曲のレポートは下記を参照ください。
Looking For Another Pure Love
事例63;Lookin' For Another Pure Love (CDタイム-0:18-)
Aメロ
EM7 |EM7 |EM7 |EM7 |
G6 |G6 |C/D |C/D |
GM7 |GM7 |Gm7 |Gm7 |
CM7 |CM7 |
EM7 |EM7 |EM7 |EM7 |
G6 |G6 |C/D |C/D |
GM7 |GM7 |CM7 |A/B |A/B |
Bメロ
B7(13) |B7(13) |B7(13) |B7(13) |
G6 |A6 |EM7 |EM7 |
B7(13) |B7(13) |B7(13) |B7(13) |
G6 |A6 |EM7 |EM7 |
EM7がセンターコードになっているようですが、メロディが音楽的クオリアによる旋律指向性を持っているようです(つまりコードで作っていない)。
AメロのEM7の部分は、メロディ音が、EメジャースケールのM7th音から始まるロクリアンの印象も与えますね。
1コードの上で、旋法を用いてコード感を消し去るような作風はこのアルバムは特に顕著です。
Kiss Lonely Good-bye
Aメロ
AM7 G#m7| F#m7 EM7|Em7 Em7/A |DM7 |
Dm7 G7 | CM7 Am7|Bm7 |E7(b9) |
AM7 G#m7| F#m7 EM7|Em7 Em7/A |DM7 |
Dm7 G7 | CM7 Am7 |A/B B7 |E7sus4 E7(b9) |
Bメロ
A AM7 |A7 A6 |G#m7 |Db7(b9) |
F# F#M7|F#7 F#6|Bm7(b5) |E7sus4 Fdim7 |
F#m |F#mM7 |F#m7 | B7(9,13) |
Bm7 C#m7 |E7sus4(b9) | A |
ジャズのII-Vの流れと、クリシェの進行感をうまくつなげながら、メロディを紡いでいます。
Aメロ最後のE7sus4のあとのE7(b9)なども劇的です。
Dm7-G7-CM7
Dm7-G7(9)-CM7
Dm7-G7(9,13)-CM7
Dm7-G7(b9)-CM7
Dm7-G7(b9,b13)-CM7
Dm7-G7(#11)-CM7
このような進行感覚にそれぞれ印象を持ち、いつどんな時でも使えるように経験を積んでおきましょう。
たとえば、ですが、
Dm7-G7-CM7(「雨がやんだ」)
Dm7-G7(9)-CM7(「雨がやむと...」)
Dm7-G7(9,13)-CM7(「雨がやむとしたら...」)
Dm7-G7(b9)-CM7(「雨よ、もう止んでくれ」)
Dm7-G7(b9,b13)-CM7(「雨の匂いが、切ない...」)
Dm7-G7(#11)-CM7(「雨はどこに行った?」)
というような雰囲気をいつもどこかで感じながら、テンションサウンドを当てていくと、自分らしいサウンド転回ができると思います。
またXM7-Xm7やX7-Xm7という流れも、不定調性で言う静進行ですが、劇的な連鎖感がありますので、活用してみてください。
下記は例です。
CM7 |Dm7 |EbM7 |% |Ebm7 |Ab7 |DbM7 |Dbm7 Gb7 |Gbm7 |B7(b9) |Bm7 |G7 :|
それにしてもこの曲は、ちょっと難しいですね。