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音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

My Cherie Amour、Looking For Another Pure Love、Kiss Lonely Good-bye  / Stevie Wonder

スティービー・ワンダーの不定調性進行分析

76, My Cherie Amour / Stevie Wonder

 

 

<スティービー・ワンダーレポートより展開>
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アルバム12;「My Cherie Amour」(1969)  目次に戻る
事例38;My Cherie Amour (CDタイム0:00-)
イントロ
G#7 ||F#M7 |BM7 |BM7 |C#M7 |
F#M7 |BM7 |BM7 |C#M7 G#7(♭9,♭13) |
Aメロ
C#M7 |F#sus4 |BM7 |G#7sus4 G#7|
C#M7 |F#sus4 |BM7 |G#7sus4 G#7|
Bメロ
F#M7 |G#7 |B7(♭5) |B♭7 |E♭m7 |
G#7 |C#M7 | C#M7 G#7(♭9,♭13) |
※×2後イントロに戻りC#M7 A7 |半音上に転調
=degree= Key=C#からDに最後転調
イントロ
V7 ||IVM7 |VII♭M7 |VII♭M7 |IM7 |
IVM7 |VII♭M7 |VII♭M7 |IM7 V7(♭9,♭13) |
Aメロ
IM7 |IVsus4 |VII♭M7 |V7sus4 V7|
IM7 |IVsus4 |VII♭M7 |V7sus4 V7|
Bメロ
IVM7 |V7 |VII♭7(♭5) |VI7 |IIm7 |
V7 |IM7 | IM7 V7(♭9,♭13) |


ユーミン楽曲で登場していたIVsus4がここに登場する。

年代的にスティービーが先のリリースである。

ここでは7sus4にも聴こえる。これがVII♭M7への二次ドミナントになっている。

Aメロの四小節だけを見てもキーがはっきりしない。

 

C#M7からF#sus4において、センターコードになるのはC#M7である。

これをIM7とした場合、続くコードはダイアトニックでたいていは続く。

それを避けるためには、二つ目のコードで転調的な処理をしなければならない。

本来IVにはsus4はつかない。

C#M7のセンター感を打ち消すがごとくBM7への新たな脈絡を見つけた時に、そうしたメロディを一曲の中で完成させられると見るか、これでは散漫になるからやめようと思うか、である。

 

後半イントロに回帰した後C#M7→A7へ展開し、いきなりメロディがa-bと流れ半音転調するのだが、C#M7において、a-b音を歌いだそうと思えば、CM7(♭13)を想定しなければならない。

またはCaugで#5音が想定できて、A7でその音を吸収して歌っていくような感じになるであろう。スティービーの楽曲には、augサウンドも出ているが、C△で#5音を和音の上で歌うことができるからこそ可能な転調利用と言える。

 

覚えてしまえば歌えるのかも知れないが、テンション感を熟知していつでも三和音の上で♭13thが歌える技巧を用い得る必要がある。

 

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75, Looking For Another Pure Love

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事例63;Lookin' For Another Pure Love (CDタイム-0:18-)
Aメロ
EM7 |EM7 |EM7 |EM7 |
G6 |G6 |C/D |C/D |
GM7 |GM7 |Gm7 |Gm7 |
CM7 |CM7 |
EM7 |EM7 |EM7 |EM7 |
G6 |G6 |C/D |C/D |
GM7 |GM7 |CM7 |A/B |A/B |
Bメロ
B7(13) |B7(13) |B7(13) |B7(13) |
G6 |A6 |EM7 |EM7 |
B7(13) |B7(13) |B7(13) |B7(13) |
G6 |A6 |EM7 |EM7 |

この曲もdegreeで表現が難しい不定調性進行の楽曲になっている。

 

全体的に手元で音楽が完結するような静かな小さな雰囲気を持っている。

EM7がセンターコードになっているようにも思えるが、ここではメロディが音楽的クオリアによる旋律指向性を持っているようだ。

 

EM7はいわば背景程度でメロディを支えているという感はない。同一コードの連続による雰囲気の作り方が絶妙である。


特にAメロのEM7の部分は、メロディ音が、EメジャースケールのM7th音から始まるロクリアンの印象も分析者に与えるメロディ構造となっている。

 

1コードの上で、旋法を用いてコード感を消し去るような作風はこのアルバムは特に顕著であった。

 

74, Kiss Lonely Good-bye 

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Aメロ
AM7 G#m7| F#m7 EM7|Em7 Em7/A |DM7 |
Dm7 G7 | CM7 Am7|Bm7 |E7(b9) |
AM7 G#m7| F#m7 EM7|Em7 Em7/A |DM7 |
Dm7 G7 | CM7 Am7 |A/B B7 |E7sus4 E7(b9) |

Bメロ
A AM7 |A7 A6 |G#m7 |Db7(b9) |
F# F#M7|F#7 F#6|Bm7(b5) |E7sus4 Fdim7 |
F#m |F#mM7 |F#m7 | B7(9,13) |
Bm7 C#m7 |E7sus4(b9) | A |

ジャズのII-Vの流れと、クリシェの進行感をうまくつなげながら、メロディを紡いでいます。

 

Aメロ最後のE7sus4のあとのE7(b9)なども劇的です。

 

Dm7-G7-CM7
Dm7-G7(9)-CM7
Dm7-G7(9,13)-CM7
Dm7-G7(b9)-CM7
Dm7-G7(b9,b13)-CM7
Dm7-G7(#11)-CM7

 

このような進行感覚にそれぞれ印象を持ち、いつどんな時でも使えるように経験を積んでおきましょう。

 

たとえば、ですが、
Dm7-G7-CM7(「雨がやんだ」)
Dm7-G7(9)-CM7(「雨がやむと...」)
Dm7-G7(9,13)-CM7(「雨がやむとしたら...」)
Dm7-G7(b9)-CM7(「雨よ、もう止んでくれ」)
Dm7-G7(b9,b13)-CM7(「雨の匂いが、切ない...」)
Dm7-G7(#11)-CM7(「雨はどこに行った?」)

 

というような雰囲気をいつもどこかで感じながら、テンションサウンドを当てていくと、自分らしいサウンド転回ができると思います。自身の感覚の発明。

 

またXM7-Xm7やX7-Xm7という流れも、不定調性で言う静進行ですが、劇的な連鎖感がありますので、活用してみてください。

 

下記は例です。
CM7 |Dm7 |EbM7 |% |Ebm7 |Ab7 |DbM7 |Dbm7 Gb7 |Gbm7 |B7(b9) |Bm7 |G7 :|

 

それにしてもこの曲は、ちょっと難しいですね。

 

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