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音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

先例は必ずある/スティービー・ワンダー楽曲研究レポート公開シリーズ23-2

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事例111;I Go Sailing(CDタイム 0:13-) 

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Aメロ

B♭ |Cm7 Cm7/F  |Am7 D7 |Gm7 Cm7/F |

B♭ |Cm7 Cm7/F  |Am7 D7 |Gm7 Cm7 |Cm7/F  |

Bメロ

B♭ |E♭7(♭5) |B♭ |E♭7(♭5) |

B♭ |E♭7(♭5) |B♭ |E♭7(♭5) |

D♭ |F#M7 |Cm7/F F#7  |Cm7/F(?) B♭m7/E♭(?) A♭m7/D♭ |

センターコードをB♭とすると、Am7-D7はVIIm7-III7、からのm7の順次シークエンスがスリリング。

 

この曲も、同時期に作られたものなのでしょうか。

7th(♭5)コードの使用感に類似性を感じます。

 

Bメロのラインも変わってます。

後半のm7の連鎖はコードを聴き取れていません。

   

事例112;Jungle Fever(CDタイム 0:53-)

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サビ

A7  |A7  |A7  |A7  |

A7  |A7  |A7  |A7  |

Bメロ

A7  |F#m7  |G7  |Em7  |

A7  |F#m7  |G7  /A  /B  /C# | /D  /E  /F#  /G |

この曲も旋律的クオリアの高い音楽性。

 

Bメロの後半のG7コードの上で、地面が盛り上がっていくようにコードの範疇を超えてメロディが楽曲の展開をひっぱっていきます。

まさに無敵のメロディメーカー。

 

逆をいえば、メロディさえ固まっていれば、コードはどのような進行でも良い、ということになります。

二度繰り返すのだが、一度目の戻る時の音程の安定さは素晴らしい。

 

非視覚的な感覚で考えると、眼を瞑ったまま手を伸ばし、伸ばし伸ばして、どんなものに触れるか分からないようなスリリングが体現されているように思いますがどうなのでしょう。

 

事例113;Chemical Love

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(CDタイム 0:38-)

Aメロ

B♭  |Cm Gm | B♭  |Cm Gm |

B♭  |Cm Gm | B♭  |Cm Gm |

A♭ |Fm  |×2

(CDタイム 1:53-)

Bメロ

B♭ |Gm7  |A♭ |Cm  |

E♭  |Gm7  |Fm7  |F7  |

 

Bメロ。

これらのコードは確かにB♭メジャーキーのダイアトニックコード。

しかしA♭やFm7の不可思議な響きが加わり、また、7thコードとm7コードが短三度や長三度で連鎖して、シークエンスを組んでいます。

I |VIm7  |VII♭ |IIm  |

IV  |VIm7  |Vm7  |V7  |

メロディも対句を組んでいるようで、起承転結もあります。

 

このアルバムはスティービーの作曲技術が大変安定して高精彩を放っています。

まさに「どんな和声が連続しても、意味を見いだせる歌詞とメロディを乗せることができる」という不定調性の概念を地で行ってます。

 

どんなに頭が良くても、目で見なければ分からない事があります。

しかし目で見てしまうから分からなくなることもあります。

しかしもしあなたが目が見えようが、見えまいが、音楽をすることが好きで音楽を生み出せるのであれば、あなた自身の音楽に取り組むことができます。少なくともスティービー・ワンダーはその程度のハンディキャップは関係ない、ということを人類の歴史に刻んでくれたアーティストです。

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  Music From The Movie "Jungle Fever"