音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

見えないが故に、先入観が生まれない、ということ〜スティービー・ワンダーレポート公開シリーズ21-2

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事例102;Never In Your Sun(CDタイム 0:24-)

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Aメロ

F#  |F#  |A7  |A7 |

E  |E  |G7(♭5) |G7(♭5) |

F#m7 |F#m7 |G#m7 |C#7 |

Bメロ

F#  |A7  |G#m7  |C#7(♭5) |×2

サビ

F#  |F#  |F7sus4  |F7  |

E   |E  |D#7  |D#7   |

D  |D  | C#7  |C7 Bm7 |

F#  |A  |Am7 |D7 ||G~半音あげてAメロに戻る

得意の半音上げ転調曲。

巧みな短三度転調と、半音連鎖を活かしたスティービーらしいジャズ的進行。

この曲のサビの下降の感じは”Don’t You worry about thing”のsus4展開にも似てます。

 

 

こうして出来てしまうと安易に感じるシンプルな下降ですが、不定調性的なバランスが成り立っており、連鎖感で行う音楽におけるサビとしては教科書的!

 

また彼が多用する、X7(♭5)もこの曲でも名刺代わりに登場してます。

   

事例103;Spiritual Walkers(CDタイム 0:34-) 

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Aメロ

G#m7 | G#m7 | G#m7 | G#m7 |

G#m7 | G#m7 | G#m7 | G#m7 |

Bメロ

A  |B  |A  |B /C# /D /E♭  |

サビ

Em7(E7) | Em7(E7) | Em7(E7) | Em7(E7) |

Em7(E7) | Em7(E7) | Em7(E7) | E♭7  |

G#m7のAメロから、A-Bコードへの展開はIIIm7-IV-Vの和声の連鎖感を活用したもの。

 

それまでIm7であったG#m7は急にIIIm7感(はっきりとこの感覚があることは全く不必要であるが)に変化させられてます。

 

またサビでは、メロディはメジャー系の音M3rdを用いているが、伴奏のコードはm7的であり、これまた絶妙な違和感!

 

しかしこの違和感もまた「単なる感覚質の一つ」と考えれば、違和感そのものが新しい和声体験となります。

そしてこれはブルースにおいて、7thコード上でm3rdが鳴った時の感覚とまるで同じではないか、と発見するでしょう。

 

同様に、サビから戻るE♭7も、突飛さを感じます。

 

べつにもっと複雑な戻り方でも良かったし、がっつりII=Vにしても良いはず。

 

しかしこの和音を選択し、スティービー・ワンダーの楽曲として仕上げる彼の選択眼がやはり彼。

 

皆さんが同じ選択肢でおなじような帰結を活用するとは限らないし、それらがスティービーの曲に劣る、というわけでもありません。

こうした選択眼を皆さんなりに確立し、“あ、この選択、自分らしいなあ、でもいいと思うんだよなあ”という表現方法を貫いて頂ければ、と思います。

 

情報が少ない、という盲目という状況は、晴眼者が抱きがちな先入観に縛られていません。常に発見の連続である彼の感覚においては、常に注意を払っていなければならないのかもしれません。

 

そうした感覚で音楽をやっていたら、avoidなどという概念も、“そんなの今回まず使ってみなければわからないじゃないか”となるでしょう。

 

事例104;Overjoyed(CDタイム 0:00)  

こちらをご参照ください。

 

  

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