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音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

機能和声ではない作風と浮遊性の融合/楽曲研究レポート公開シリーズ16-2

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事例77You Haven't Done Nothin' (CDタイム 0:28)

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Aメロ

E♭m7 |E♭m7 |E♭m7 |E♭m7 |

E♭m7 |E♭m7 |E♭m7 |E♭m7 |

Bメロ

A♭ /G /G♭|F  |Adim7  |B♭ |

E♭u5 /D# /D♭ /C /B |B♭ |

 

またまたクラヴィが吠える。

 

Bメロにもトニックコードとドミナントの境目を半音進行で溶解するように紡いでいく手法になっています。

この半音感については、先程も述べたとおり、彼の人生観にフィットしている音楽的展開を持つ音楽表現なのではないか、という推論は示しました。

 

事例78They Won't Go When I Go (CDタイム 0:55-) 

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3/4拍子

Aメロ

F#m  C#/G# |F#m/A  Edim/B | F#m/C#  C#dim/D |E  C#/F |

F#m  C#/G# |F#m/A  Edim/B | F#m  C#dim/D |F#m  C# |

F#m  C#/G# |F#m/A  Edim/B | F#m/C#  C#dim/D |E  C#/F |

F#m B7 |E  A7 |D  G7 |C F7 |B♭ E♭7 |A♭ D♭7 |F#m |

Bメロ(CDタイム 3:21-)

F#m  |D/F# |F#m  |B  |×2

E  |E |A7 |D  |C#7 |CM7 |B7 |F#m〜Aメロへ

三拍子。

 

ベースラインの動きが特徴的。

dimの響きの不安感がスティービーらしい和声の流れ。

怖さと倦怠感が混じり合ったようなクオリアを感じます。

 

F#m B7 |E  A7 |D  G7 |C F7 |B♭ E♭7 |A♭ D♭7 |F#m |

というようなしつこいほどの連鎖。

 

真っ暗のトンネルがあったとき、普通なら、まっ暗くなった所で進むのを止めるものですが、スティービーにはそうした空間限界を持ちませんから明るいライトが付いていようが、真っ暗であろうが、手探りで同じように進んでいけます。暗闇は彼の世界でもあります。

だからコード進行もどこまでも進めるのかもしれません。

またそうではなくても、そうしたメタファーを活用しているのかも。

目が見える人間は暗闇を異常に恐れるので、それとは関係ない自分はそこで強みを発揮できる、とも言えます。

 

“なぜみんなは行けるとこまで行かないんだい?”なんて言うセリフが聞こえてきそう。

   

事例79Please Don't Go (CDタイム 0:21-)

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Aメロ

G  GM7 |G7   |C  |Cm  |

G  |D7  |G  |D7 |

G  GM7 |G7   |C  |Cm  |

G  |D7  |G  |G7  |

Bメロ

Dm7 G7 C  |Cm7 F7  B♭M7 |

Am7(11)  |Am7/D(またはC/G) |

Dm7 G7 C  |Cm7 F7  B♭M7 |

Am7(11)  |Am7/D(またはC/G) |

degreeは省略するが、key=GでG=I、C=IV、Cm=IVm、D7=V7。

 

BメロのII-V構造からの開放感のあるB♭M7、

そしてさらに広がるAm7(11)の感じは、Be-Bop的で分かりやすいのではないか、と思います。

不定調性進行に慣れていただく最初のステップとして、Be-Bop楽曲の分析(またはスタンダードジャズ)をお勧めしたいこともここに付記しておきます。

 

例1.)

CM7  |Bm7 E7 |Em7 A7 |Am7 D7 |Dm7 G7 :|

例2.)

CM7  |Bm7 E7 |C#m7 F#7 |D#m7 G#m7 |D♭7sus4 D♭7:|

 

といった進行にメロディを乗せる訓練、アドリブをする訓練などが、不定調性進行的な和声の流れでメロディを作り上げる力になっていくでしょう。

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