音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

作曲している時、どのコード進行・音色にするかどうやって判断するか〜不定調性論的思考を用いる。

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音楽的なクオリア感覚をどのように使うか、というお話です。

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例えば、エレクトロなBGM作ったろ!・・となったとします。

 

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ドラムパターンを並べ、

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SERUMでベースなんか入れたろ!となったここまでの音が下記です。

 

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そのあとで。メロっぽいやつ作ろう!となったのが下記です。


 

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ここからが本題です。和音を背景につける、という段階になって下記の四つが浮かんだとします。

さて。

はたして、どれがいいのでしょう。

どれにするか、をあなたはどう判断しますか?

 

 

最初に制作のテーマ、文言、求められている雰囲気が決められていれば良いのですが、それがない場合は、それぞれのできた雰囲気が持っている"ストーリー"をよく吟味して、今自分が作りたい曲想にどれほど近いか直感的に判断する、というステップを設けると良いでしょう。それぞれに表題をつけてみましょう。

 

1「アウトローな夜の都会」 

これから物語が大きく展開する前に夜の街全体にシーンがパンした。

2「夜のビルの屋上」

広がる夜の街を見ながらこれから起こる試練を想う

3「戦いに向かう女性」

鏡に映る自分を見据えながら、夜の街に戦闘に出かけるため手袋のベルトを締める

4「宿敵を前に」

戦場でついに宿敵と遭遇し、本人の周りをカメラがパンする

 

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当然和音の感じが変われば、音が語る印象も変わります。

これができれば、このコード進行を選べます。

これを判断できるように鍛錬するのが不定調性論の「音楽的なクオリア」に注視して感覚感を鍛える考え方です。

 

音が語る言語を超えた表現を自分の感情や、これまで見てきた映画やアニメ漫画、小説のシーン、に照合し、意味を当てていきます。

慣れれば一瞬でできるようになります。
漫画やアニメを(ちゃんと)読むのはとても大事だよ!

泣きながら漫画読む。

とか恋愛1回分に相当しませんか?

それはインプットだと思うのです。

記憶の中で熟成され、いざ音楽を作るときあなたの直感になってくれます。

 

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さらにPADの音色が変わったらまた雰囲気が変わります。

今回は3番を使います。

a1

a2

a3

 それぞれどんな印象やストーリーを感じますか?コード進行は同じです。

コード進行同様、音色の選別も大事です。

言うなれば、最初にドラムパターンを選ぶときも、ベースの音色を選ぶときも同様です。

PADまでいれてドラムを入れ直す、とかって経験することもあるでしょう。

この時は考える、というより、直感がもたらす雰囲気の方を重視します。理論で考えるわけではありません。売れようとか、売ろうとか、考えてもダメです。

音楽に「お前はどうしたいのか」聞いてください。

または無心になって何かが降りてくるまで音色を選んだり、パターンを聞いていてもいいです。慣れれば"直感が来そうな時"が掴めるようになります。

そうしたらしめたものです。

直観をつかさどる脳の神秘

 

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どんな音色を今自分が持っていて、どうすぐに探し当てるか、って私も課題です。

 

ここぞ、という時に、考える前に手が動くように、考える前に直感が降ってくるようにしたくて私は不定調性論的手法を拡張して実際の作曲段階に落とし込んでいます。

 

200種のコードパターンを全部聞いて今回作りたいパターンを選ぶ、ということはしないのです。

リファレンスを聞いたとき、パッと数種のコード進行まで絞り込んで作業に落とし込めればイメージの具現化は近いです。

 

で、問題は、どうやってそういう脳になるか、です。

 

近道はあるのか、と。

これ今のところ起きているときずっと音楽を考えている、というのが一番ピンときやすくなります。そしてよく寝る。

でも、これはプロ生活でないとなかなか難しいので、その前段階として、拙論では

「自分がそう感じることをちゃんと認めて、自分の意思で判断できるような生活サイクルを究めていくこと」

をおすすめしています。