<四度領域上方領域進行>
基音は自由で、上方領域に反応領域を固定した例。
・表面回帰性上方展開の例
Cu4 Fu4 Cu4
Cu4 Gu4 Cu4
※四度領域のリアクティブモーションです。
・四度領域側面回帰性上方展開の例
Cu4 Au4 Cu4
Cu4 Du4 Cu4
Cu4 Eu4 Cu4
・四度領域裏面回帰性上方展開の例
Cu4 F#u4 Cu4
Cu4 C#u4 Cu4
Cu4 Bu4 Cu4
中心に戻らない展開(非回帰性上方展開)例。
Cu4 Gu4 Du4 Fu4 A♭u4・・・
一般的には三度のない7thコードまたはm7thコードになりますので、Cu4 Fu4 Cu4という進行は、
C7 F7 C7もしくはCm7 F7 Cm7、C7 Fm7 C7といった発展的利用もできます(結合領域的拡張)。
四度領域を持った和音を機能和声的に戻す作業です。
ジャズにおける七度の音程の頻繁利用はこうした四度領域の存在によって考えることもできます。
<四度領域下方領域進行>
基音は自由で、下方領域に反応領域を固定した例。
・四度領域表面回帰性下方展開の例
Cl4 Fl4 Cl4
Cl4 Gl4 Cl4
・四度領域側面回帰性下方展開の例
Cl4 Al4 Cl4
Cl4 Dl4 Cl4
Cl4 El4 Cl4
・四度領域裏面回帰性下方展開の例
Cl4 F#l4 Cl4
Cl4 C#l4 Cl4
Cl4 Bl4 Cl4
中心に戻ってこない展開(非回帰性下方展開)例。
Cl4 Gl4 Dl4 Fl4 A♭l4・・・
Cl4 Fl4 Cl4 ⇒ Dm7 Gm7 Dm7
Cl4 Gl4 Cl4 ⇒ Dm7 Am7 Dm7
に一般化が可能です。そしてこれは、
Du4 Gu4 Du4
Du4 Au4 Du4
という上方四度領域からも作成が可能です。一般性を重視するなら、領域混合しない範囲ならまずは上方領域で作成するのが自然でしょう。
<四度領域上方基不定領域進行>
基音は自由で、上方領域を優先した反応領域を固定しない進行。
・四度領域表面回帰性領域展開での例
Cu4 Fl4 Cu4
Cu4 Gl4 Cu4
・四度領域側面回帰性領域展開での例
Cu4 Al4 Cu4
Cu4 Dl4 Cu4
Cu4 El4 Cu4
・四度領域裏面回帰性領域展開の例
Cu4 F#l4 Cu4
Cu4 C#l4 Cu4
Cu4 Bl4 Cu4
中心に戻ってこない展開(非回帰性展開)例
Cu4 Al4 Bl4 Fu4 Gu4・・・
これらの進行を機能和声的に発展させる場合は、多少イメージが異なります。
Cu4 Fl4 Cu4 ⇒ Cm7 Gm7 Cm7
Cu4 Gl4 Cu4 ⇒ C7 Am7 C7
これは一例です。次のようにも発展できます。
Cu4 Fl4 Cu4 ⇒ C7sus4 Gm7(11) C7
Cu4 Gl4 Cu4 ⇒ Cm7 D7sus4 Cm7
四度領域をそのまま用いず、機能和声的に発展させると、四度領域を用いる意味がなくなってしまいます。
これは機能和声論が生み出した多くの四和音が先に知られてしまっているからであり、自分が覚えた四和音のクオリアを頼りに自由に和声進行を作成していくことが望ましいでしょう。
結果として非機能進行をアナライズするとき、難解な進行にCu4 Fl4 Cu4という流れが含まれていれば、その進行には基音cの四度領域表面回帰性領域展開が起きている、とアナライズできます。どんな難解な進行にも内部に数理を含んだ進行があれば、ある程度の重力を持たせられる、という意味です。
またX7やXm7、m7(♭5)というm7thを持つ和音に、四度領域の潜在があることも指摘できます。同時にM7thという結合領域コードの特殊性が浮かび上がります。
一つ例をあげると、
Cm7(9) Gm7(♭5、9、♭13) B♭7(9,13)/C
という進行の中にはCu4 Fl4 Cu4の構成音が含まれています。
あなた自身が「この進行は面白い」と思う和声進行があるとき、そこに含まれる和声単位の構造を自由に“創出”して、その進行を解釈することができます。
このように、様々な分類を事前に行っておくことで、様々な不定調性和音の内部構成が分類しやすくなります。
<四度領域下方基不定領域>
基音は自由で、下方領域を優先した反応領域を固定しない進行。
・四度領域表面回帰性領域展開での例
Cl4 Gu4 Cl4
Cl4 Fu4 Cl4
・四度領域側面回帰性領域展開での例
Cl4 Au4 Cl4
Cl4 Du4 Cl4
Cl4 Eu4 Cl4
・四度領域裏面的回帰性領域展開の例
Cl4 F#u4 Cl4
Cl4 C#u4 Cl4
Cl4 Bu4 Cl4
中心に戻ってこない展開(非回帰性展開)例
Cl4 E♭u4 D♭u4 Gl4 Fl4・・・
これも先と同様に領域が混合します。この類似性は
Iu4≒VII♭l4
と表せます。
Cl4 Du4 El4 F#u4 G#l4 A#u4 Cl4
という規則的進行を作ったとしましょう。これを機能和声的にランダムに置き換えると、
Dm7 D7 F#m7 F#7 A#m7 A#7 Dm7
というような進行が作れます。ここにテンションを加え、響きをスムーズにします。
Dm7(9) D7(♭9) F#m7(13) F#7 A#m7 A#7(9) Dm7
この進行はそもそもどのような方法で作ったのか??を四度領域の潜在を明らかにして解くこともできます。
<四度領域内定領域>
基音は固定され、各領域を優先した進行。
・四度領域上方基内部回帰性展開の例
Cu4 Cl4 Cu4
・四度領域下方基内部回帰性展開の例
Cl4 Cu4 Cl4
これは長二度で移行するような和声進行に発展できます。
Cu4 Cl4 Cu4 ⇒ Cm7 Dm7 Cm7、C7 Dm7 C7
Cl4 Cu4 Cl4 ⇒ Dm7 Cm7 Dm7、Dm7 C7 Dm7
五度領域と同様に不定調性進行を列挙してみました。
四度領域の動和音/進行形態
これも五度領域のときと同様です。和音構成音に対して増四度を含めば動和音になります。例、C7(=Cu4+M3) 、Cm7(♭5)(=Dl4+♭5)等
<四度領域の動進行と静進行>
四度領域でもこれらの進行定義が可能です。
・静和音から静和音への静進行(S-S-S=3S)
四度領域のみで作ることのできる進行形態です。
Cu4 Gl4
B♭l4 Cu4
・静和音から静和音への動進行(S-S-A=2SA)
四度領域のみで作ることのできる進行形態です。
Cu4 Du4
Cl4 B♭l4
・静和音から動和音への静進行(S-A-S)
四度領域のみで作ることはできません。
Cu4 Gdim
Cl4 Bdim
・静和音から動和音への動進行(S-A-A=S2A)
四度領域のみで作ることはできません。
Cu4 C#dim7
Cl4 Bm7(b5)
・動和音から動和音への静進行(A-A-S=2AS)
四度領域のみで作ることはできません。
C7 C#dim7
Dm7(b5) Bb7
・動和音から動和音への動進行(A-A-A=3A)
四度領域のみで作ることはできません。
C7 F#m7(b5)
Dm7(b5) C#M7(b5)
・動和音から静和音への静進行(A-S-S=A2S)
四度領域のみで作ることはできません。
C7 C6
Dm7(b5) G7sus4
・動和音から静和音への動進行(A-S-A)
四度領域のみで作ることはできません。
C7 BM7
Dm7(b5) Cm7
四度領域集合の交差
I=Cu4 IV=Fu4 V=Gu4
これが機能和声的な主要音に対する四度領域化になります。これらを集合させると、
c d e♭ f g b♭
です。ここからダイアトニックコードを三度堆積に似せて作成してみます。

これらを基盤に以下のようなコード群も作ることができます。
Cm7(9,11) Dm7(11)omit5 E♭M7(9,13)
F7sus4(9) Gm7(11) G7sus4 B♭sus4(9,13)
これらを組み合わせていくことで先の六音スケールを用いた和声進行を作ることができます。
ここにはドミナント7thはなく、個々のサウンドの連鎖もあいまいな色彩感の連鎖を感じます。
Dm7(♭5) G7(♭9) Cm7(9,11)
一般にこのようなケーデンスにおける、Cm7(9,11)は四度領域的な和音という解釈もできます。
この六音スケールはエオリアンとドリアンの中に含まれているため、エオリアンとドリアンを用いる際には上方四度領域をイメージして和声付けをしてみても良いでしょう。
c d e f g a b
次にダイアトニックスケールを上方四度領域で和声化してみます。
Cu4 Du4 Eu4 Fu4 Gu4 Au4 Bu4
メジャーでもマイナーでもない7thコード的な和音になります。

この旋律は四度領域のクオリアに合わせて修正音としてのブルーノートの性質を活用しながら、また移調性を持つ音楽性を用いながら作成した旋律です。
これらはブルーノート的な旋律といっていますが、「コードトーンの半音上下からのアプローチを自由に行うことができる表現」と考えることでその表現のニュアンスを広げることができます。
次に下方四度領域を考えてみます。
I=Cl4 IV=Fl4 V=Gl4
集合体は、
c d f g a b♭
です。ここから同じようにダイアトニックコードに似せて和声堆積してみます。

(下方四度)
これは先のc,f,gの上方四度領域の和声進行による、

(上方四度)
の移調した転回形といえます。
これによれば、
c,f,gの上方四度領域=f,b♭,cの下方四度領域
これを一般化すると、
i中心の上方四度領域集合=iv中心の下方四度領域集合
となります。
そして、
c,f,gの下方四度領域=g,c,dの上方四度領域
これを同様に一般化すると、
i中心の下方四度領域集合=v中心の上方四度領域集合
となります。
上下の四度領域の連関性は、三つの音の四度領域が、他の中心音を持った他の四度領域と等しいことを示しています。
つまりcを中心にした下方四度領域からできる音階を弾くということは、gを中心にした上方四度領域の音階を弾いている、という二重の解釈が存在してしまう、ということです。
またc,f,gの上方五度領域の集合は、Cメジャースケールとなり、c,f,gの下方五度領域の集合は、Fナチュラルマイナースケールになりました。これはすなわちA♭メジャースケールです。
つまりFナチュラルマイナースケールを弾く、ということはa♭,e♭,d♭を中心にしたA♭メジャースケールを弾くことに等しい、ということが分かります。これはいわゆる平行調です。

これをCメジャースケールに当てはめると、AナチュラルマイナースケールがCメジャースケールには含まれます。このAナチュラルマイナースケールは、e,a,bを中心にした下方五度領域の音階です。

Aナチュラルマイナースケール=El5(+)Al5(+)Bl5=Am+Dm+Em
Cメジャースケールを弾くことは同時に、a,e,bの下方五度領域の体現でもあるわけです。平行調は下方領域の活用と解釈もできるわけです。
これは以下のように解説できます。
C∇+F∇+G∇
+
Am+Dm+Em=El5(+)Al5(+)Bl5
いわゆるダイアトニックコードです。
連関表で見ると、
C∇→Am
A∇→G♭m
F#∇→E♭m
D#∇→Cm→C∇へ
という平行調的関係があり、これはエリア音を中心にループします。
この結果、基音cの下方領域においてFmを反応させるとき、今度はFエリアに移動した先の連鎖が発生します。
F∇→Dm
D∇→Bm
B∇→A♭m
A♭∇→Fm
平行調の概念を拡張していくと、そこには同主調や近親調の関係が出てくることが分かります。
同様にGエリアも考えてみると、
G∇→Em
E∇→D♭m
C#∇→B♭m
A#∇→Gm
となります。

以上のように関係性をまとめました。
i中心の上方五度領域集合=iii中心の下方五度領域集合(平行調)
→I∇=VIm(IアイオニアンとVIエオリアンの関係)
i中心の下方五度領域集合=vi♭中心の上方五度領域集合(平行調)
→IVm=VI♭∇(IアイオニアンとVIエオリアンの関係)
i中心の上方四度領域集合=iv中心の下方四度領域集合
→iエオリアンomit6=ivミクソリディアンomit3
i中心の下方四度領域集合=v中心の上方四度領域集合
→iミクソリディアンomit3=vエオリアンomit6
メジャースケールという素材の上でAmを奏すれば、それは短調のクオリアを…C∇を奏すればそれは長調のクオリアを私たちにもたらします。そして上下の移動、すなわちマテリアルモーションを用いればC∇→Cm(同主調)というような活用も可能です。
これは機能和声論のもたらした「関係調」という概念を示したものですが、これは下方領域、四度領域の関係性を知ることで、「ひとつの音階には二つの解釈、二つの潜在的中心がある」ことを確認できます。
「主音」という一時的な絶対中心をいつも感じてしまいますが、本来は常に二つの中心が均衡を持って存在し、作曲家がその都度どこに行きたいかを選別していくことで「転調」が生まれていたわけです。
C∇→F∇→G∇→C∇も本来領域変換であり、それを結び付けていたのは「メジャースケールを反応させる」という反応領域の考え方であるといえます。
音楽の原初は規定しづらい複雑な歴史があります。
拙論のモデルでそれを説明することで音楽の歴史を説明することにはつながりません。
しかしながら、それはとてもシンプルに説明できます。
和音が作られたことで領域が生まれました。
それまでは旋律とリズムによって、「核音」が設定され、その都度の核音を軸に音楽が構成されました。これが第一段階です。
次に和音が生まれ、それによって「領域」が生まれました。現代の音楽は領域の交差結合変換によって生まれています。ブルースも西洋和声との結合により「ずれ」を修正することで領域音楽に対応してゆきました。
第一段階 = 核音音楽(シンプルな旋律だけの音楽)
第二段階 = 多重核音音楽(音階や音集合が分割できる音楽)
第三段階 = 領域音楽(シンプルな和声付き音楽)
第四段階 = 多重領域音楽(現代の複雑な和声+旋律音楽)
このように表現できると思います。不定調性音楽は第四段階の多重領域音楽を丁寧に扱うことができます。
この表は、数理の連関性を領域と共に示したものです。
一つの音iにもっとも協和するとしたivとvとの関係から出来た調的システムは、領域のつながり、その位置関係の違いを全て把握することでその数理世界全体が持つ複調性を初めて把握できます。調性音楽に重心が置かれがちですが、本来はこのような関係性を自由に組みわわせる音楽が音楽の論理的進化でした。ただ、それで作る音楽が市民権を得づらく、社会を構成しづらい気質があったため、社会は基本的に第三段階の音楽をベースに、いかに社会を構成しうる音楽になれるか(売れ線かどうか)がとても重要な要素になりました。
ここで面白いのは、IとVI♭の関係がここに現れていることです。
I⇒IIIの裏返しが、I⇒VI♭です。
I⇒III⇒VImという平行短調への移行は知られています。またI⇒III⇒IVという流れでIに戻るような進行も知られています。
同じことをVI♭側で起こすと、
I⇒VI♭⇒Vとなり、V⇒Iとすればドミナントモーションになります。
I⇒III⇒IV⇒Iは下方のドミナントモーションとも言える進行です。
これはその対称的進行である、I⇒VI♭⇒V⇒Iを見ても分かります。
IIIやVI♭は基音iに協和する音です(vやivの次に)。
そしてさらに七度音を加えると、IIとVII♭が加わります。
拙論においては、これらの中から機能和声論の仕組みが抽出されたと見ることができます。さまざまな社会の歴史、音楽家の偶然が、これらの中から社会と歴史を風靡した音楽に価値が与えられ、現在の音楽慣習として学習内容の主軸になっているにすぎません。