スコット・ジョプリン(Scott Joplin, 1868年11月24日 - 1917年4月1日)
(参考) http://ja.wikipedia.org/wiki/スコット・ジョプリン http://en.wikipedia.org/wiki/Scott_Joplin
リンカーンの奴隷解放宣言が1862年ですから、そのすぐあとの混乱の中で誕生したこの"黒人作曲家"が、当時自分の身近に存在したであろう音楽をその作品に投影していたのは間違いないでしょう。
奴隷でなくなり、「自由な時間」に音楽を楽しむ、と言う習慣はどの程度馴染めたのでしょうか。
畑で働くときの労働のかけ声は、彼らの音楽にどのような影響を持っていたのでしょう。強制労働時のフィールドハラーによってこなれた発声が歌に適用されたであろうことは想像できます。
(参考)
ジョプリンは、アフリカの血を持ち、アメリカの大学で音楽を専門に学んだ、大変貴重な音楽家です。 「ジ・エンターテイナー」は有名ですが、彼の作り出すラグタイムの楽曲は、西洋の様式美と黒人の即興性に満ちています。こうした英雄の出現に勇気付けられた人も多かったでしょう。新たな音楽を自分も作るぞ!と奮起した人もいたでしょう。
1896年の作品、です。 これを聴くと、右手はまさにクラシック音楽ですね。で、左手がラグタイムの未来を示しています。このリズミカルな明るさは、画期的ですね。
(中にはちゃんと教育を受けられた裕福なアフリカ人も多数いたらしいです)
ブルーノートという意味でいえば、3:02~の不協和音の旋律感が、独特で、コミカルです。 ピアノと言う楽器は、ブルース独特の節回しができないので、こうした不協和音を演出する、と言う新たな表現方法がとられたのでしょうか。
これはこれで後のブルースフレージングに関係がないとは言い切れないでしょう。
ラグタイムのリズムは、当時のラベルや、ストラヴィンスキー、ドビュッシーに影響を与え、世界中をアメリカの音楽に注目させました。
ジョプリンの曲を聴いていると、西洋の音楽の豊かさにひどく感銘を受けていたんじゃないかなぁ、と感じます。楽想にロマン派時代の優しい雰囲気があり、そこに機関車のように打ち鳴らされるアフリカのリズムとのコラボレーションが斬新です。
人種の違いや民族の違いを越えて、音楽では左手と右手が融合しました。
ジョプリン以降の商業音楽はこのラグのリズムを無視して進むことはできなくなります。
それではラグタイムという音楽ができる前、いったいどこで大陸の音楽は融合していたのでしょう。 そのあたりをより細かく少し探ってみましょう。
(参考)アフリカの民族言語map
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/49/Africa_ethnic_groups_1996.jpg
アフリカ音楽本が少しずつ出ているのはうれしい!