これらをごっちゃにすると、いろいろ良く分からなくなります。
しかしながら独自論ですので無視してください。
和音の相似
同じ音が使われている和音。
i系
転回系
C/E C/G
注)古典の解釈では異なる和音、他の変化和音とみなす向きもあります。
和音の拡張
テンションコードですね。これだけでも響きはまるで違うものになります。
かつ、これで転回すると、他のコードに解釈される場合もあります。
和音の代理
構成音の類似から導き出す機能の代理性です。
これが拡張すると、
こんな関係性も見られます。
転回するとまったく別のイメージを持つ和音になる場合も「代理」のイメージがありますね(相似に含めるべきものも)。
和音の分解
|G7 |CM7 |→
|Dm7 G7 |CM7 |
II-Vへの分割。
|G7(b9,#11) |CM7 |→
|Db/G7 |CM7 |→
|Db Gb |CM7 |→
USTの分解。
和音の写像
ネガティブハーモニーの例。
Dm7⇔Bb6
G7⇔Dm7(b5)
CM7⇔AbM7
まだまだ諸説、独自解釈亜流あります。
ベルトチェンジの例(不定調性)
Dm7⇔Cm7
G7⇔Gm7(b5)
CM7⇔DbM7
上記に限らず中心部分が変わることで、和音の写像位置が変わります。思いもよらないサウンドに作り替えることで意外性をもたらす発想です。明らかに「代理されているわけではない」ということが分かると思います。別の調に移調している、と考えることもできるからです。
これはリハモではなくある音を基準にして座標をひっくり返してた生まれる新たな調的楽曲に変換する、という作業である、ということを把握しましょう。
コントロールできる時代がくればまた違ってくる技法でしょうし、AIの学習能力を用いれば豊かで変わった音楽が作れるでしょう。
和音の変貌
G7とDb7は裏コードの関係です。代理コードにも見えますが、トライトーンの共通というだけで、元の和音をかなり拡張した際にできる相似性であることも確認しておきましょう。「拡張されて代理された」、と考えると、となりのE7sus4がトニックコードである、という解釈もできます。これは、
E7sus4 |Am7 |
という流れになってしまった際などに屁理屈で議論も可能です。これは「機能」「代理」という考え方がある故に起こりえる問題です。
和音の変態
中心軸システムなどで、
V7=VIIb7=IIb7=III7
とした場合など、またそれを拡張したような、ディミニッシュ展開、ホールトーン展開、オーグメント展開、クロマチック展開。
極端な和声付けがこれに該当すると言えます。
|Dm7 G7 |CM7 |→
|Dm7 E7 |CM7 |
<m3>
|Dm7 G7 |CM7 |→
|Dm7 Fm7 Abm7 G7 Bb7 |CM7 |
<M3>
|Dm7 G7 |CM7 |→
|Dm7 Bbm7 Dm7 F#m7 G7 B7 |CM7 |
<M2>
|Dm7 G7 |CM7 |→
|Dm7 Em7 F#m7 G7 F7 E7 D7 |CM7 |
<m2>
|Dm7 G7 |CM7 |→
|Dm7 Ebm7 Em7 Fm7 G7 F#7 F7 E7 Eb7 D7 Db7 |CM7 |
など、ヴォイシングでいくらでもつくれます。
関係性は不変なので常にこれらの代理、並列、入れ換えは可能である、と考えるのは危険です。本当に容認できるかどうか、自分の感性をより豊かにした上で理論の響きに向き合ってください。
和音の不定調(変格)
これは手前味噌ですみません。全くの無秩序で無ルールです。様々なローカルルールがランダムに適用されます。偉大な先人の狂った理論が参考にされる場合もありますし、サイコロを振る場合もあります。いかにも考えてるっぽい感じになってるけど何も考えていない場合もあれば、その曲のテンポが四分音符=7800とか、四分音符=0.578とかその他の形式が不定調になっている場合もあります。
ただし全責任を個人で背負ってください。
たとえばこれをベースに。
これは手癖です。
ここからもう少しベースをそろえて、ヴォイシングを調整し、
みたいに、それっぽい感じに複リハーモナイズ。私には明るくもなく、暗くもない、だだ広い草原のようなたたずまいを感じます。
また、
最初から色気づいてみて。
これではメロディ音がかぶっているので、
スッキリさせる。。。とか。
これは最初に「augM7の感じ」「M7(13)の感じ」「7(b5)の感じ」「m7(b5)の感じ」を体の中に叩き込む練習をします。
英語の単語の感じと訳の感じをなんとなく印象付けて関連付けるような感じです。
あとは組み合わせをいろいろ作って楽しむだけ。
こうした変格リハーモナイズを行う楽曲の箇所は限られてくるので、スポットリハーモナイズ的な瞬間コード進行や、イントロ、エンディング、間奏などでまず使ってみると良いでしょう。
このように「和音の代理」と片づけられがちな和音の交換、リハーモナイズにはいくつかのニュアンスの違いが存在しているので、自分なりに許容できるところをしっかり見極めて「理論で使えるって言ってるから使える」というような前提でアレンジを進めないようにしてみて下さい。
当ブログの楽理関連記事目次はこちら