音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

(音楽系)夏の自由研究について

不定調性論を活用した夏の自由研究についてのディスカッションの報告記事のリライトです。

 

今からでもすぐできるものもあるので、できる方は、キッズの宿題などに活用してください。

 

   

<初級者編>

■今ポップス界で一番高い音を出してるのは誰か。

→多分女性?と思いますが、これで平井堅さんとかだったら逆にすごいですね笑。

→簡単ですね、ここ数か月~半年の邦楽ヒット曲(オリコンチャートのページなどを参照=ようはよく聴かれた曲)を100曲ほど聴いて、一番高い音を出している人が優勝です。。高い音には、ファルセットでの高い声、地声または訓練された強い高い声(ミックスボイスとかいわれるような、判断がしづらい高音)など種類ありますが、この際単純に高い声を探すほうが良いと思います。

 

→この研究の目的は、ポップミュージックの可能性や、生き生きとした今の歌唱力などをクラスのみんなに伝える意味があります。またキッズならもっと高い声が出せたりするかもしれません。そこから歌を目指す子がいるかもしれません。ちょっとしたことでも現代の音楽に興味をもって聴いていただきたいです。

 

→もちろん、海外のアーティスト、アルバムの中の曲、過去のアーティスト、又は逆に低い音(これは限界があります)など、バリエーションも豊富です。ある本には、年々歌謡曲のピッチが高くなっている、なんていう話がありました。アイドルの低年齢化も関係しているかもしれませんね。

 

→音確認の鍵盤がない場合は、スマホの鍵盤アプリでも構いません。

 

→一瞬だけ出る高音を見逃したり、ビブラートの激しい音を聞き分けられなかったり、これは耳コピの要素も入ってきますので意外と中級者向けの研究なのかもしれません。

 

→ネット上にも音域を集めたサイトなどがあるようなので参考にされたら良いと思いますが、できる限り自分の感性を総動員して調べてみましょう。

   

ほかに

・今年のヒット曲の歌詞の中に一番登場した食べ物は何か。

・テンポの一番速い曲、遅い曲、長い曲、短い曲。大人数の曲。

・いろんな部屋で同じ音を鳴らして録音してみて、残響効果を調べる(リヴァーブ)。

・日常のものを組み合わせてドラムセットを作る(木、金属、プラスチック、他などを組み合わせる。ペットボトルなどは水を入れれば音程が変わる)。

・自分が二か月でどのくらい高い音が出るか、トレーニングしてみる(専門講師のボイストレーニングを受けてください、まじめに取り組めば4半音ぐらいはすぐ伸びるでしょう。声帯周りの筋肉の筋トレだと思ってください。)

みたいなそれこそバリエーションがいくらでも作れそうなのがあります。これは「なんでその食べ物なのか」「流行、語感、風俗、世代、いろんな要素の結果よく使われる音の広告性、イメージなどを知ることができる」などの点で十分に社会学になります。

 

<中級者編>

■いろんな日常の音を調べる

→電話のぷーーーーーって音、ドレミで言ったら何の音だかわかります?スマホが出てくる前はこれを知っていればチューニングにいかせたものです。

→エアコン、洗濯機、ガス器具の「ピっ」って音、高さで言ったら何ヘルツのどの音高なんでしょうね。

→スマホやパソコンの効果音っていったい。

→トイレのジャー!を消す機械の存在理由?

→電気自動車のあの静かな雑音の正体は?

→なぜ音が出るボタンと出ないボタンがあるのでしょう。

・世界のドアチャイム、インターフォンの研究。

・ベルや非常ベルの音、サイレンのバリエーションを収集する。

→その他、自分の家で聞く「ピ!」の音の高さに違いはあるんでしょうか。なんでその高さなんでしょうか。もっと低い音じゃいけないんでしょうか。メロディにはならないんでしょうか。この辺りはもちろんちゃんと理由があります。別に手抜きをして適当にあの音に決めているわけではありません。でも若い頭で考えたらもっと良い策が出てくるかもしれませんし、そこに未来の音楽家の需要もあるかもしれません。

(これは録音して、DAWなどに並べてみて音程を把握してピッチを推測する、のが簡単です。ご家族がもしDTMやっていたら頼んでみては??)

 

→これは日常で聞く音で、音楽と認知されえないいくつかの音について考える機会を持つ、ということです。

 

結局現代音楽というジャンルは、これらの裏返しのようなものです。これらの音を使ってDTMで音楽を作ったら、それは音楽になります。

つまり、「それを音楽として聴ける人にとっては全部音楽的情報」になりえる、ということです。この辺りは感性ですね。

   

→これをリサーチして発表するとき、科学的に考えることと、芸術的に考えることを最初から分け隔てなくしていただきたいです。科学は科学、芸術は芸術、と分けて考える理性的な面はとても大切ですが、分けて考えられない人もいる、ということです。どのような結論に至るかを学問のジャンルで規定しないほうが良い、という意味です。

 

→あらゆる音現象は、私たち音楽を作る人にとっては音楽です。鳥の声も、雷鳴も、風の音も、リモコンの音も。またそこには技術者の感性が詰まっている音もありますから、それらを感性で紐解いて、「一つの音」として考え、それが語ること、人生に及ぼすこと、などを考え笑、どうそれをとらえていくかを自由に考えて頂きたいです。

 

・機材によっては危ないので、スマホなどで録音して、聞き直しながら採集してください。またはYoutubeなどのメディアを最大限に活用しましょう。

 

・その他、パソコンキーボードをたたく音で何て打ってるか分かるのか、とか、日常でよく聞く音(パソコンキーボードを打つ音、電話のガチャって音、冷蔵庫を絞める音、トイレのドアが閉まる音)などを音だけで聞いて、みんなそれぞれどんなイメージが浮かぶか、などがありました。たとえば、PCキーボードをたたく音って、それを聴いたら、それぞれ自分がイメージするキーボードを思い浮かべますよね、大きさ、色、メーカーなど。同じキーボードの音でも人それぞれ違うイメージ、違う音でも同様のイメージを持ったりすると思います。

同じサザンオールスターズの曲でも、人それぞれの青春が思い起こされるはずで、一つとして同じイメージの想起はありません。それでも皆感動していたりします。それぞれが違うイメージを思い浮かべているのに不思議ですね。

皆が一曲に感動するそれを理解し、分け隔てのない音楽の可能性を知り、それぞれの音楽的現象にそれぞれの意味がある、ということを知ることの大切さを学ぶ意図があります。そのへんはこのブログで書いてきたとおりです。

 

・ピアノがある人は、「ピアノを適当にそれっぽく弾いて現代音楽を作曲してみる」というのも面白いです。もちろん適当に弾く時に自分のイメージを明確にできる必要があります。「草原」とイメージしてどんなメロディの感じか、が想像できればできます。音階などは気にしません。雰囲気を作り出すように努力します。こうした作曲の方法に最も近いの不定調性論的な思考です。

 

 

<上級編>

■ギターが弾ける人

例えば一弦を全音下げてチューニングして、いつも通り弾いている曲を弾いてみてください。いろいろすごい感じになると思います。もっとチューニングを変えてもいいです。それでも時々、自分のイメージを超えて美しいサウンドが鳴る場合があります。

「なぜ正しくないチューニングをした時でも、普段以上に美しい箇所が生まれるのか」

これは人生の矛盾をついていますよね笑。

 

→その新しいチューニングで弾いた音楽に、それっぽい題名をつけてみてください。急にそれっぽくなります笑。でもそれが音楽のクオリアを活用した音楽表現の発端であると思います。

 

→どんな美しい音楽も楽器のチューニングが変わると、全く違う存在になります。

 

まるで、受けた教育、受けた説教はおんなじでも、全く違う人間が育つ理由はなにか、みたいになってきますね笑。これは社会に出たら避けられないので、他者にコントロールされずに、自分でコントロールする必要がある、ということではないでしょうか。

 

人それぞれ体内は全員違うチューニングがされていて、それを学校教育で同じチューニングにされてしまう場合があるだけです。もし自分の中で違う響きになったとしても、それを良しと言ってくれる先生や仲間に会い、人生を豊かにしていただきたいです。先生は「探し出す存在」なんです。地域の学校の先生がいつもあなたにベストとは限りません。遠方の先生でも今やスカイプなどで通話できます。大切なのは「あなたにできること」を見つけること。

 

・Eの曲で一弦を全音下げたらE7になりますから、多少曲によってはブルージーになる恐れがあります。これは決して「チューニングを下げるとブルースっぽくなる」わけではありません。それが分かって変えるならいいですが、そうでない場合はより混沌となるように先生の指導を仰ぎながらチューニングしたほうがおもしろいでしょう。

   

■ピアノが弾ける人

簡単な曲、たとえば「猫ふんじゃった」などを

・一番低い音域で弾く。

・一番高い音域で弾く。

・極めて遅いテンポで弾く。

・変なところで区切って弾く。

・(できる人)キーボードで音色が変えられる人は、ドラムの音色で弾いてみたり、銃声の音で弾いてみたり、EDMベースの音で弾いてみたりいろいろな音色で試してください。

・(できる人)沖縄音階で弾く。

・(できる人)スパニッシュスケールで弾く。

・(できる人)五音階で弾く。

などで、その曲がどんなイメージで人に伝わるか実験します。できるかぎりまじめに考えてくれる家族や、一般の大人の人に聞いてもらいましょう。音楽を知らない人であればなおさらよし、です。

 

→結局、「正しい音楽」は楽譜に書かれた作曲者が指定した音楽です。それ以外は「正しくない音楽」ということもできます。そしてそれらは演奏されません。しかし上記のように、パラレルワールドのように存在する様々な表現があります。

映画などであれば、どれもそれぞれのシーンで使えるでしょう。殺人鬼が真夜中にピアノを弾くなら、上記のうちどれでしょう。妖精が子供の寝息のそばでいたずらするように弾くのは上記のうちどれでしょう。

すべて使えますよね。どんな音楽だって何かに使える可能性があるんです。普段はあまりにニッチな存在ゆえに「それらは使い勝手のない存在」と思われているだけです。

それぞれのシーンで使えるような絵を描いてみたり、研究用限定で、映画の画像をキャプチャーしてそれを見せながら弾いてもよいでしょう。

 そうしたことを誰かが伝えるだけでも誰かの感性を大きく刺激します。

研究は自分のためであることはもちろん、それを求める誰かの感性を揺さぶるために行ってみると責任感が湧いてくるでしょう。