音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

ローインターバルリミットを越えて★★★★

たとえばCコードをピアノで弾くとき、低音域で弾けば、どんなに協和音でも濁って聴こえます。これは発生する倍音のうち可聴域の低さになる三倍音などが実音程と混ざって音程が濁るっているように聞こえるからです。

その濁る目安や線引きをまとめることはできないのか?として学校的に定められたのがローインターバルリミット、という概念です。

 

ローインターバルリミット。

sleepfreaks-dtm.com

   

これはどこから来たんでしょう。わたくしはバークリーさん由来として学びましたが、語源や根拠がどこからきているのかを知りません。

www.berklee.edu

 

 

たとえば低音がすごくもこもこした場合、それがローインターバルリミットを越えて低い音域でせまい音程が密集しているからもこもこしている、という状態もありましょうが、実際は音作りや、演奏の仕方(ベースを指弾きからピック弾きに変えるとか)、でだいぶ変わる場合もあります。あくまで教科書的な指標としてとらえ、何より現場では耳で確認して判断できる能力を身につけていることが重要です。エレキギターはゴワゴワしてグチャッとしているサウンドこそがグランジだ、と身体が慣れている場合、二音下げチューニングでのパワーコードリフでも聴けてしまう場合があります。何やってるかわからなくても、ジャンルとして聴けちゃったりします。つまりは聞き手作り手の許容心理に大きく影響される話です。

 

いざ作ってもらった曲をミックスしましょう、となって、そういうもこもこした音源である場合

「あなたの作った曲、LIL(ロー・インターバル・リミットの略)を越えてごちゃごちゃ低音厚くなってるから、アレンジ変えてもらえませんか?」

なんて言ったりすることはないでしょう。

こんなルール、知らない人の方が多いです。

端から全部LILを言える人なんて会ったことありません。

 

   

その辺も含めて、ネタ的にちょっといろいろ書きますね。

 

覚え方

日本初、かな笑

私は、サックス、ピアノ、ギターなどがこれらの表が踏襲できる、として学びました。

その他の低音楽器、チューバ、コントラバス、バスファゴットなどの楽器の演奏者のスキルによって多少下まで大丈夫、という状況が生じるのは言わずもがなです。

 

m2-M2-m3-M3-P4-#4-P5-m6-M6-m7-M7

の順番で書きます。

D-C-C-Bb-F-G-Bb(↓)-F-F-F-F

です。つまり

レドドシ-

ファソシ--

ファファファファ、まあこれを

(2,3度系)レドドシマイナス、

(4,5度系)ファソシマイマイ、

(6,7度系)ファファファファぁ!!

という呪文で覚えてしまいましょう。

2度3度系、4度5度系、6度7度系で句読点で句切っています。

 レドドシマイナス、

ファソシマイマイ、

ファファファファぁ!!

f:id:terraxart:20180501175330p:plain

この黒丸音符より下になってこの音程を作ってはいけない、というわけです。

 

もちろん現在はDTMなどがあるので、倍音を一部だけコントロールしてLILを越えていても響かせて聴こえるようにしちゃう、っていうこともできます。

 

ただ、LILを知らなくても明らかにm2の音程を低音部でならせば、あれ、濁ってる、って言うのは大体わかろうかと思います。

=====

L.I.Lの罠

f:id:terraxart:20180501191448p:plain

当然こういうことが機能和声論的には発生します。コードがG7(13)のとき、ピアノはベース音を弾かず、M7ぎりぎりの所でこんな和音を弾いていたとします。これはOKですよね。でもベーシスト(DTM上の笑)がひそかに根音を右のように弾いていた場合、低いfがm7のリミットに引っかかるのでピアノの演奏が全体で濁る、みたいな現象が起きるかもしれません(まったくわからないかも)。

トリックです。意識のトリック。

「あ、LIL越えてるから濁るはず」っていう暗示をかけてしまっているんです。普段はこんなこと知らないから純粋に今濁っているか、いないかを判断出来ます。どっちがいいのやら。

現代の音楽って楽譜がないじゃないですか。耳の方が重要だったりするんですよね。

 

LILの科学的理由

LILもあくまで目安、というわけですが、当然、低音になれば、二つの音程の振動数が低くなるわけですから、

低音に置かれた和音から発生するそれぞれの二倍音、三倍音の振動数が低くなって可聴範囲に入ってくるので、実音と混ざり、聴感上、濁って聞こえる可能性が増える。

というのが科学的な理由です。でDTMではこの倍音をEQでカットすればよい、ということになります。

 

さらにLILには例外もあります。上記ルールより下になっても

X7のb9th、b5th

m7,m7(b5)の時の11th

はさらに下まで行ける気がする~

と学びました。

 

これらの観念論が、結果的にL.I.Lをどうでもいい論にしているんだと思います。

 でも標準指標を作った人、というのは私は偉いなぁ、と思います。こういうルールがあるから不定調性論は「自分の勝手にやっていい時もある!」ってはじめて言えるんですから笑っ

 

L.I.Lの罠2

ルール云々ではなく、メンバー全員が「濁っている」って言ったら、直す。のが実際だと思います。

濁ってる、って感じるのは人の感性です。個人差あります。そして現場で一番偉い人の感性に準じます。 

 

ゆえに「濁らせて、美しさを作ろう」って偉い人が思えば、LILは今度は逆手に使えます。

 

つまりlow interval borderとかlow interval divideとか「限界」と訳さない言葉が良いのかもしれません。

 

そういう意味では

High Interval Limit、Large Interval Limit

だってあると思いません?

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はい、C△です。みたいなことは以前は常識的ではなかったかもしれませんが、現代音楽ではやるわけですから。

 

ただローインターバルの時の場合と違って、「あきらかにおかしいとわかる」というようなことを「気がつかずやってしまった」という状況は起きない、と想定したうえで音楽制作が行われるから、こうした特殊なインターバルリミットは考えられていない、等ことになろうかと思います。

 

不定調性論はそういった協和と不協和の境がないので、どんなふうに和音を扱っても、音楽表現を扱ってもよいことにしているため、ローインターバルが「濁り」に対して敏感である、ということを発展させて

「濁りで表現する」「不協和で表現する」「ありえない響きで表現する」

というようなことも同時に、美しい音楽を表現することと同じくらい考えていく必要があります。

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こういった和音が鳴った時、

「(はいはい。不協和。)」

と思考を向けるのではなく、

「(あ、『葛藤』だね)」とかって思ってもらったうえで笑、それが今の自分に共感させるものなのか、そうではないものなのか、を音楽的な視点から考える、ということがLILの先の発想になるのではないかと思います。

クラシック曲のように安定した協和感が連続する中でいきなり濁る音を使うと目立つ、というような相対性がかなりある話だと思います。

 

<応用編>

www.youtube.com

時々低音を極端にペダルを離して鳴らせることで、音程のない厚みが出ます。

この上に高い音の旋律や和音を載せることで独自の雰囲気ができます。

ローインターバルを逆手に使う。。誤った思想かもしれません。でも自分にはこれが表現である、と感じてしまうんです。

このような不定調性和声であれば、低音部の色彩感の濃淡の差としてL.I.Lを用いて様々な表現が可能です。

こもり具合は不安と意識の淀みの表現だ、ぐらいの開き直り笑、

ローインターバルリミットという考え方の及ぶ範囲について自己の中でよくよく検討しないと、ただルールで自己が形骸化してしまう、ということであると思います。

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