音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

ローインターバルリミットを越えて★★★★

(2018年GW企画第二弾!!)

 

ローインターバルリミット。

sleepfreaks-dtm.com

   

これはどこから来たんでしょう。わたくしはバークリーさん由来として学びましたが、語源や根拠がどこからきているのかを知りません。

www.berklee.edu

たとえばCM7をピアノで弾くとき、cとbがM7を作るわけですが、これをあまり低いところで使うと、発生する倍音の関係性とその強度から、その音程が濁るので、その決められた音域以下では使わない方がいい、という考え方です。

 

これは凄く、協和すること、響くこと、美しさ、あいまいさを避ける感じに満ちた機能和声的な発想だと思いませんか?

 

たとえば低音がすごくもこもこした場合、それがローインターバルリミットを越えているからもこもこしている、という状態もありましょうが、もっと演奏の際の音作りや、演奏の仕方(ベースを指弾きからピック弾きに変えるとか)、色々な対策を講じないといけないはずです。

 

いざ作ってもらった曲をミックスしましょう、となって、そういうもこもこした音源である場合

「あなたの作った曲、LILを越えてごちゃごちゃ低音厚くなってるから、アレンジかえてもらえません?」

なんて返した刀で言ったりすることはないでしょう。これが言えるのは自分の受講生だけでしょうかね。

 

といって知らないで作ったやつがアホなのか、というとそうでもありません。

こんな話、知らない人の方が多いからです。

端から全部言える人なんて会ったことありません。

 

   

なのでその辺も含めて、ネタ的にちょっといろいろ書きますね。

 

覚え方

日本初、かな笑

私は、サックス、ピアノ、ギターなどがこれで踏襲できる、として学びました。

その他の低音楽器、チューバ、コントラバス、バスファゴットなどの楽器の演奏者のスキルによって多少下まで大丈夫、という状況が生じるのは言わずもがなです。だから明るい楽器のLILを覚えておいて、あとは現場で調整です。

まあ「濁り」も表現だって、思う各現場のテンションの度合いですけど。

 

m2-M2-m3-M3-P4-#4-P5-m6-M6-m7-M7

の順番で書きます。

D-C-C-Bb-F-G-Bb(↓)-F-F-F-F

です。つまり

レドドシ-

ファソシ--

ファファファファ、まあこれを

レドドシマイナス、

ファソシマイマイ、

ファファファファー

という呪文にしました。2度3度系、4度5度系、6度7度系で句読点で句切っています。

まるで、「夜通し参らす、ツクシマイマイ、ファファファファ―!!」とかって言ってるみたい。ツクシマイマイって言うカタツムリがいましてね。それが夜通しあなたの枕元にファファファファーって飛んでくる呪いの言葉、みたいです。画像は載せませんが、カタツムリが降ってくるのはきつい。お風呂に入った時とか、この呪文思い出してみて下さい。なんとなく「何で、おれ音楽やってるんだろう」的な瞬間とかありますけど、あまり気にせず笑。

 

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この黒丸音符より下になってこの音程を作ってはいけない、というわけです。

 

現在はDTMなどがある以上、倍音を一部だけコントロールして聴こえるようにしちゃう、っていうこともできます。

 

ただ、明らかにm2の音程を低音部でならせば、あれ、濁ってる、って言うのは大体わかろうかと思います。LILを知らなくても。

L.I.Lの罠

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当然こういうことが機能和声論的には発生します。コードがG7(13)のとき、ピアノはベース音を弾かず、M7ぎりぎりの所でこんな和音を弾いていたとします。これはOKですよね。でもベーシスト(DTM上の笑)がひそかに根音を右のように弾いていた場合、低いfがm7のリミットに引っかかるのでピアノの演奏が全体で濁る、みたいな現象が起きるかもしれません(まったくわからないかも)。

 

うーん、、自分の耳を信じるしかないですね。

だって楽譜ないじゃないですか。

 

LILもあくまで目安、というわけですが、当然、低音になれば、二つの音程の振動数が低くなるわけですから、

そこから発生するそれぞれの二倍音、三倍音の振動数が低くなり、可聴範囲に入ってくるので、和音としての響きを濁らせる可能性が出てくる、

 と言えます。

 

これもそれぞれの楽器の音のその時の状態に依存するので、上の呪文を覚えて、後は現場で対処するしかありません。

でも

 

さらにLILには例外もあります。上記より下になって。も

X7のb9th、b5th

m7,m7(b5)の時の11th

はさらに下まで行ける気がする~

と学びました。

 

これらの観念論が、L.I.Lをどうでもいい論にしているんだと思います。

 

 

L.I.Lに潜む罠

だからこんなこと知らなくても、メンバー全員が濁ってますね、って言ったら、EQいじればいい、打ち込みだったらオクターブあげればいい、みたいな話に落ち着きますね。

濁ってる、って感じるのは人の感性です。

 

だから「濁らせて、美しさを作ろう」って思えば、LILは今度は逆手に使えます。

そういう発想で音楽を作るという行為を発想させるためには、協和と不協和を同じ位置に持っていく必要があります。

 

つまりlow interval borderとかlow interval divideとか「限界」みたいに訳さない言葉が良いのかもしれませんね。

 

だって、そういう意味では

High Interval Limit、Large Interval Limit

だってあると思いません?

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はい、C△です。みたいなことは以前は常識的ではなかったかもしれませんが、現代音楽ではやるわけですから。

 

ただローインターバルの時の場合と違って、「あきらかにおかしいとわかる」というようなことを「気がつかずやってしまった」という状況は起きない、と想定したうえで音楽制作が行われるから、こうした特殊なインターバルリミットは考えられていない、等ことになろうかと思います。

 

不定調性論はそういった協和と不協和の境がないので、どんなふうに和音を扱っても、音楽表現を扱ってもよいことになっているため、ローインターバルが「濁り」に対して敏感である、ということを発展させて

「濁りで表現する」「不協和で表現する」「ありえない響きで表現する」

というようなことも同時に、美しい音楽を表現することと同じくらい考えていく必要があります。

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こういった和音が鳴った時、

「(はいはい。不協和。)」

と思考を向けるのではなく、

「(あ、『葛藤』だね)」とかって思ってもらったうえで笑、それが今の自分に共感させるものなのか、そうではないものなのか、を音楽的な視点から考える、ということがLILの先の発想になるのではないかと思います。

 

まあ、今回は「あ、その音程、ローインターバルリミットより下だよね、あ、ごめん、癖で」とかって言いたい、みたいなことだけでも満たせればよいです笑。