2018.4.4⇨2020.9.7更新
Continuum / Jaco Pastorius
湖の中のような音空間、水泡のような音がふわふわ浮いている感じがしました。
フレットレスベースの雰囲気って僕ら世代は、ジャコのあの音、みたいなクオリア持ってますよね。ジャコ自身はどう感じていたのかな。
ジャコの精神は確かに今日もこのメロディの中に確実に生きています。
EM7 |% |% |% |% |AM7 |% |
EM7 |% |% |% |% |A#m7(11) |Am7(11) |
F#△/E |E△/D |EM7 |D#m7(11) |Dm7(11) |
AM7 |DM7 CM7 |
22小節の不思議なワンコーラス。
はじめてこの曲を聴いたときは、さほど良いとは思わず、地味な曲だなぁ、というぐらいにしか感じませんでした。
それからいろんなベーシストに興味を持って聞いてみると、こういうことをするベーシストは他におらず、その後も意識してベーシストを聞いていると、ジャコに影響を受けた人がたくさにて、わ、みんなジャコじゃん、みたいに感じて、そこからジャコ・パストリアスという存在の大きさを感じるようになりました。
できそうでできないんだ、こういうの・・・なんて感じたものです。
フレットレスベースの質感。
もわっとして暖かくて、ゆったり語る紳士の感じ。
または胎内で聞く音楽の響き?
何らかの印象をこの「もわぁ」に感じるはずです。この質感を人生のどこで感じてきたのかは知りませんが、暖かさを感じます。冷たさでも低音の厳しさとかでもなく。
「もわぁ」っていう表現そのものが新しい音楽だ、と語り掛けてくれたプレイヤーでした。エレキベースの音の概念を変えてくれた人です。それまではもさっとしていてウッドベースよりも音が薄くて、やることがたいしてできなくて・・なんて思い込んでいました。今書いたことを全てひっくり返してくれたプレイヤーでした。
それから中古でとりあえずジャズベース買いましたねぇ。。
楽器の音にはそれぞれに特徴があり、初めて聞く音でもそれぞれになつかさしさ、とか親しみやすさ、とかがあります。
その音にしか出せない言葉、その音が持つ音楽性を感じること。
そういうことを感じられるようにならないとダメなんだな、なんて感じました。
A#m7への上昇やそこからAm7への半音下降部分、D#m7(11)-Cm7(11)への下降部分もふわーっとしたフレットレスベースの音色を象徴するかのような雰囲気を作っています。
M7のサウンドと、m7(11)のサウンド感を活かした作りになっていると思います。
コード感を知ってるベーシストってやばいことをしてきますよね。バンドでも。
バンドメンバーがも全員コードのこと知っていないと一緒にバンドできないタイプのベーシストです。
この曲ではIM7-IV#m7が美しく響きます。
CM7-F#m7(11)でメロディを乗せてみてください。
スティービーやユーミンがやった、CM7-Fsus4にも通じる美味なアウト感が、聴き手を良い意味で裏切る、この曲の美しいラインだと思います。
Chickenもジャコで知りました。Donna Leeもジャコから知って、そこからパーカーを知りました。
振り返れば、たくさん影響を受けている音楽家です。まだ生きていてもおかしくない遠い昔のプレイヤー。日本でもいろんな逸話が残っているんですよね。
ジャコがバンドで参加したアルバムは全部やばいです。音楽が1次元上がってしまうんです。
そしてやはりソロアルバムを聞くと、ああ、やはり表現したいと思っていたところが違うんだなぁ、なんて感じます。
ベースという楽器だけでなんでもできることを教えてくれました。