音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

「もわぁ」を表現する音楽;94, Continuum / Jaco Pastorius★★★

94, Continuum / Jaco Pastorius

 

Continuum Jaco Pastorius - YouTube

 

 

 

フリーテンポ、フリーリズムで、湖の中のような音空間、水泡のような音がふわふわ浮いている感じがします。


フレットレスベースが醸し出す雰囲気=音楽的なクオリアをジャコはどんなふうに感じていたのでしょう。

 

この曲を弾くとき、ふと、このとき、どんな気持ちだったのだろう、と考えながら弾いてしまいます。曲にハートがあります。不思議ですよね。素直に彼の「ツボ」を感じます。こうやって音楽つくれたらたのしいでしょうが、なかなかねぇ。

 

ジャコの精神は確かに今日もこのメロディの中に確実に生きている、という不思議。

EM7 |% |% |% |% |AM7 |% |
EM7 |% |% |% |% |A#m7(11) |Am7(11) |
F#△/E |E△/D |EM7 |D#m7(11) |Dm7(11) |
AM7 |DM7 CM7 |

22小節の不思議なワンコーラス。


はじめてこの曲を聴いたときは、さほど良いとは思わず、地味な曲だなぁ、というぐらいにしか感じませんでした。

 

でもジャコ独特の雰囲気がそこにある、と分かると、それって絶対に表現できないし、こちらでは作れないし、ジャコっぽくしてもただの真似だしそれで終わりだし。

 

だから「こんな風に曲が作れたらなぁ」っていう印象がハッキリとしてきて、良い曲だなぁ、に繋がっています。皆さんはそれぞれご自身の印象で感じてください。

 

「この人がいいって言ってるけど、どこがいいんかな?」

という自分の理由を述べたわけです。

 

「それ、曲の良さではないだろ、、自分の印象だろ」

と仰るかもしれません。そうしたらあなたが感じる「良さ」を列挙してみて下さい。

きっとどこまでもあなたの印象になるはずです。

 

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フレットレスベースの質感。

もわっとして暖かくて、ゆったり語る紳士の物語みたい。

または胎内で聞く音楽の響きみたい?

何らかの印象をこの「もわぁ」に感じるはずです。

それを素直に直接感じられたら、音楽へのこだわりとか吹っ飛びますよ。

ジャコ天才かよ!!って思うだけです。

「もわぁ」そのものが表現だと語り掛けてくれたプレイヤーですからね。

 

この"もわぁ"、いいだろ?、言葉だよ。

です。この音にしか出せない言葉、この音が持つ音楽性、

「ベース=低音、っていうより、もっと豊かな楽器だろ?」

っていうメッセージ。名前に束縛されていますよね。やっぱり普通は。

 

A#m7への上昇やそこからAm7への半音下降部分、D#m7(11)-Cm7(11)への下降部分もふわーっとしたフレットレスベースの音色を象徴するかのような雰囲気を作っています。

 

M7のサウンドと、m7(11)のサウンド感を活かした作りになっていると思います。

「もわぁ」に合っていますよね。このコード感。これはもうすごい勉強になる感性。

これが具現化された作品がある、って言うのがジャコの凄いところですよね。

 

この曲ではIM7-IV#m7が美しく響きます。

 

CM7-F#m7(11)でメロディを乗せてみてください。
スティービーやユーミンがやった、CM7-Fsus4にも通じる美味なアウト感が、聴き手を良い意味で裏切る、この曲の美しいラインだと思います。

 

この響きと、フレットレスベースの空気感が、それを表現できる、と体で知っていたジャコのテクニックを超えた鋭い音楽性。

 

こうした曲を聴いて、そこに用いられている「自分なら使わない和声言語」を見つけ、教えてもらい、それをただコピーするのではなく、「自分の音楽」に展開し、自分の音楽語学力を充実させてください。

ジャコ・パストリアスの肖像